2018年12月23日日曜日

世界から心理的安全性が消えたなら


最近、脳内でリンクした概念をツラツラと。

「問題 vs われわれ」


ホワイトボードやアナログでタスク管理をする際に、よく出てくるキーワード。

「問題 vs われわれ」

いま、現場で起こっている問題をチーム全員で倒していくという構図をつくること。
例えて言うならモンハンでモンスターを狩りにいく構図と同じというとわかりやすいだろうか。(ちなみにモンハンやったことない)

決して、「あなた vs わたし」の対立構造で、問題の犯人探しや責任の追求・押しつけ合いをするわけではない。

ホワイトボードでのコミュニケーションの優位性は、アジャイルソフトウェア開発(p.124)のアリスターコバーン氏の「コミュニケーションの効果」の図が有名ではないだろうか。

「ホワイトボードに向かった2人」が、コミュニケーションという「場」において、ほかのスタイルよりも効果が高く温かいと言っている。

多くの人は、この構図の元となるスキルを、言葉を話すことができない乳幼児頃(生後9か月)から手に入れ始めるらしい。
そのスキルのことを「共同注意」というらしい。(脳科学辞典より)

共同注意と三項関係


共同注意とは、対象物に対して、他の人と似たような認識をするスキルと言ってもいいんじゃないだろうか。脳科学辞典の定義は下記の通りだ。

定義:共同注意とは、他者の注意の所在を理解しその対象に対する他者の態度を共有することや、自分の注意の所在を他者に理解させその対象に対する自分の態度を他者に共有してもらう行動を指す。

そして、これらの関係性を「三項関係」という。




二項関係では、乳児は物体を操作している時に近くに人がいてもそちらに注意は向かず(図A)、人と関わりあっている時は近くに物体があってもそちらに注意が向かない(図B)。一方、三項関係では、乳児は物体を意識するだけでなく、同時に大人がその物体に注意を向けていることを意識するようになる(図C)。
(脳科学辞典より)

ある対象への注意を他のメンバーと共有する共同注意は三項関係の一つであるとのことだ。末尾に記載した参考サイトにわかりやすい例が掲載されている。

例:「バナナを見ること」を例にして考えてみます。共同注意が成立しているということは「お母さんがバナナを見ている」そして「お母さんとおなじように私もバナナを見ていると気づいている」という状態のことです。

そして、共同注意を向けさせる方法は2つに区分できると。
「命令的共同注意」と「叙述的共同注意」

1. 命令的共同注意
自分が欲しいものを他者に伝えようとする要求の指差しなどの行動である
(例:手の届かない食べ物を指差す)

2. 叙述的共同注意
自分が他者に見てもらいたいものを他者に伝えようとする叙述の指差しなどの行動である
(例:遠くを飛んでいる飛行機を指差す)
相手の心的状態の推測をより必要とすることから高度な社会的認知能力が関わる
(脳科学辞典より)


朝会やふりかえりなどで付箋紙を使いながら、メンバーの目線を付箋紙に集めるときを思い出してほしい。
どちらかの意図が含まれているのではないだろうか?
ファシリテートする際に、助けを求めるためだったり、課題感を共有するためだったり、共感を促すためだったり、その背景は少しずつことなるだろう。

あ、スーパーマンだ!指をさすとみんながそっちを向くように、付箋紙を指でさし示すということが重要なんだ。
乳幼児期から手に入れているのに、ホワイトボードの前では、できてない現場が多いのではないだろうか。

心理的安全性


しかし、誰かに怒られる、上司に悪い評価をされるという「場」では共同注意を促す行動や表明は難しいだろう。
安心して、指差しをするためには、心理的安全性が重要になってくるわけだ。

心理的安全性をGoogleで検索すると下記のような定義がトップに出てくる。
「心理的安全性」とは、英語のサイコロジカル・セーフティ(psychological safety)を和訳した心理学用語で、チームのメンバー一人ひとりがそのチームに対して、気兼ねなく発言できる、本来の自分を安心してさらけ出せる、と感じられるような場の状態や雰囲気をいう言葉です。

Googleのre:Workが有名であり、またアジャイル界隈ではJoshua Kerievsky氏のモダンアジャイルの「安全を必須条件にする」にも同じ概念が通じる。
こういったことが文化として根付いていることがソフトウェア業界だけでなく、創造性高く、モチベーション高く仕事をしていく上では欠かせないだろう。

創造的なパフォーマンス志向の組織


それを後押しするように、書籍LeanとDevOpsの科学(P.40)には、協力体制と情報伝達と責任に関して、このような特徴が記載されている。



不健全 or 官僚的 or 創造的

あなたは、どんな組織文化で働きたいだろうか?


  1. 不健全な権力志向の組織
  2. 官僚的なルール志向の組織
  3. 創造的なパフォーマンス志向の組織


私は間違いなく、3番目。図の中の一番右だ。
協力体制が確立し、情報伝達に熟達し、リスクを共有する組織文化。
この状態になるためには、共同注意や心理的安全性が重要な要素になっていくだろう。

しかし、組織文化は1日では変わらない。地道にいろんなプラクティスや共感やスキルUPに時間をかけて投資していくしかない。理論と実践とを繰り返しながら。自分たちで発見していく旅。
組織内で理想をかたり、ビジョンをかたり、価値観を表明しあいながら。


最後に


共同注意は生後1年弱から身につけはじめていくスキル。その他にも、こどもの頃に身につけることや親から教えられることが多くある。
  • 何かをもらったらお礼を言うこと
  • 悪いことをしたら謝ること
  • 外から帰ってきたら手を洗うこと
  • 自分は害がない人間であると表明するために握手や言葉で自ら挨拶をすること

単純だからこそ大人になっても忘れてはいけないことなんだと思う。

しかし、私自身は、それを他人に押し付けるつもりはなく、ただ、ただ、堅苦しくなく、相手にもそれを感じさせることがないように自然にできるような人になっていたい。

イキイキと人間らしく創造的に社会に貢献するために、これからも組織文化を考えて行きたい。

創造的なパフォーマンス志向の組織を、心理的安全性のもと、共同注意を。

まずはアナログのホワイトボードや付箋紙を使いながら朝会やふりかえりのプラクティスと一緒に。

アジャイルやスクラムはその入り口を与えてくれる。
先人たちやコミュニティーの仲間から教わったり、それを次の世代に伝えたり。

ひとりでも共感している人が世界にいることを信じて。もう少し、あと少し。一歩ずつ。

数年後、世界から心理的安全性という概念が消えるくらい当たり前に。
「昭和や平成の時代には、そんな不健全で官僚的な組織が普通だったんだね。歴史の授業で習ったよ」と次の世代が安全である恩恵を受けられるように...ポエム。


このエントリーは『DevLOVE Advent Calendar 2018 』の23日目(2018年12月23日)の記事でした。

参考

このブログ記事を書くにあたり下記から引用させていただいた。



2016年12月28日水曜日

ジョイ・インク。僕の理想がここにある。僕の妄想は武器だ。


「ジョイ・インク」という書籍が2016年12月20日に出版され、レビューをちょっとだけお手伝いしました。

とある日、とある方からレビューの依頼が突如やってきました。
忙しい時期だったので、ちょっと躊躇しましたが質問など一切せずに「やりまーす」の返事を出します。

イントロダクションを読んだだけで、この本はビンゴであることがわかります。
もう・もう・もう面白くてしょうがないのです。
例えて言うなら、シータがタイガーモス号への乗船が決まり、乗組員達がハエ飛行機でぐるぐる飛び回る感覚です。自分が思い描く組織風土・組織像がここに描かれているのです。

平日の寝る時間や祝日の全時間を投入しても、全く苦にならないほどでした。
24時間連続でレビューをし続けた日もありました。
まったく眠くならないし時間感覚を忘れてしまうんです。
1つの英文にハマると、30分とか1時間とか、あっという間に経っちゃうんです。
まぁ日本語にハマることもね。

脳内:英語ではそう書いてあるけど、日本語じゃちょっと伝わらないよ~!
脳内:でも原文もそれを意図してあえて書いているのか?
脳内:そこまで考慮する?
脳内:うーん。
脳内:でもこの違和感は依頼主に伝えないといけないよなぁ

なんて考えながら、翻訳文と英文を行ったり来たりの日々です。前段落や章タイトルをにらめっこしながらね。

ご飯食べたっけ?昼?夜?ん?腹減ってないなぁ。まいっか。
そんなフロー体験をこの齢でできるとは思っていなかったです。

レビューしたメンバーの中でも、指摘した項目は結構多かったんじゃないかなと思います。
(効果的だったかはまったく、まったく、まったく、まっ~~~~~たく、別の話)
翻訳陣の方々には大変ご迷惑をおかけしました。

書籍の内容も素晴らしいんだけど、
指摘に対する翻訳陣の回答がもう圧倒的なんです。もう破壊的なんです。
「みんな、どんだけの生産性と頭脳を持っているんだ!!」と脳内をコダマしまくってました。
Issueを放り込むと瞬速でリプが返ってくるんです。
そんな爆速のしごとに携わっててました。徹夜で日の出を見ることも。高揚感はハンパなかったですね。
(もちろん業務外です。)

大変だったといえば大変だったけれど、書籍の文脈・しごとをする仲間・プロセスなど、いろんな条件が重なるとアドレナリンが放出されまくります。
充実してました~。

私がここ数年、社内で取り組んでいることや考えていることの本質が描かれていました。共感しまくりです。

■タイトル : ジョイ・インク
■サブタイトル:役職も部署もない全員主役のマネジメント
■刊行日 : 2016年12月19日
■出版社:翔泳社
■価格 : 1800円+税
■仕様 : 288ページ
■URL  :http://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798148786

本当にお薦めです。

この投稿の文面で、こいつヤバイぞって思ったことは決してマネしてはいけません。

レビューというほんとーにささやかな一部のタスクだけど、ひとつの書籍を作り上げるしごとに携われたこと......感謝でいっぱいです。

彼らの書籍が出版され、多くの日本の人たちに読まれることを想像するだけで、私はとても嬉しいのです。

めでたしめでたし。

2015年12月20日日曜日

時間



このエントリーは『DevLOVE Advent Calendar 2015 diff』の18日目の記事です。


時間の流れ


同じ書籍や歌や映画でも、そのときその時でまったく異なる顔を魅せる。

その時に悩んでいることにスポットがあたり、光り輝いて見えてくる。
毎回、新しい発見があるのだ。

そういうメディアを1つもって置くと良い。
マンガでもドラマでも映画でもアニメでも歌でも歌詞でも書籍でも。

私の場合は、この2つ。
自分の考えていることがちっぽけに思える。

リーンソフトウェア開発と組織改革
http://www.amazon.co.jp/dp/4048687417

人生の扉(アルバム Denim) 竹内まりや
http://www.amazon.co.jp/dp/B000O76P6M


I say it's fun to be 20
You say it's great to be 30
And they say it's lovely to be 40
But I feel it's nice to be 50
I say it's fine to be 60
You say it's alright to be 70
And they say still good to be 80
But I'll maybe live over 90
引用:人生の扉(アルバム Denim) より




自分の時間軸のdiffを感じる。
楽しもう。自分の人生の扉が開かれる瞬間を。


自己紹介


最後に自己紹介。私は「駅すぱあと」という経路案内・乗換案内サービスを提供している会社で働いている。ほんの数年前までエンジニアをしていたが、現在は管理職という名のアジャイル大好き人間で&エモい人である。

出会い



このエントリーは『DevLOVE Advent Calendar 2015 diff』の17日目の記事です。


いろんな人と出会う

これまでの人生でいろんな人に出会って一緒に活動や仕事をしてきた。

  • 圧倒的な包容力をもった人
  • 圧倒的な技術力をもった人
  • 圧倒的なスピードでコーディングしていく人
  • 圧倒的に話の根幹を掴める人
  • 圧倒的に前向きでブルドーザーのごとく仕事を解決していく人
  • 圧倒的に人に対して感謝をする人
  • 圧倒的な笑顔でどんな空気でも柔らかくしてしまう人
  • 圧倒的に仕事も遊びも全力でする人
  • 圧倒的なリーダーシップをもっている人
  • 圧倒的に面白くすることにたけている人 
  • 圧倒的にwhyを考える人
  • 圧倒的な笑顔で仕事をおもしろがって邁進する人
  • 圧倒的に熱量をもって真剣な人
  • 圧倒的に相手をサポートしてくれる人
  • 話しているだけで勇気がわく圧倒的にコミュニケーション能力が高い人



歳をとってからでも、刺激を受け、ちょっとずつでも変わっていける。
そんな素敵なメンターが私にはたくさんいる。
なんて幸せな人生なんだろう。
こんな人に少しでも近づきたい。

自分がネガティブなダークサイドに陥った時、よく考える。
こんな時、この人だったらどういう風に考えるのだろうかと。

自分とのdiff

それを見つけるためには、いろいろな人と出会わないかぎりできない。
そして、もうひとつ。
自分と向き合わないといけない。

とことん見つめてみよう。自分のStrong Pointを。


自己紹介


最後に自己紹介。私は「駅すぱあと」という経路案内・乗換案内サービスを提供している会社で働いている。ほんの数年前までエンジニアをしていたが、現在は管理職という名のアジャイル大好き人間で&エモい人である。

2015年12月3日木曜日

ささやこう。耳をすまそう。


このエントリーは『DevLOVE Advent Calendar 2015 diff』の3日目の記事です。
昨日のエントリーは、@papandaさんによる「違いに向き合い続けたことで、前進をしてきた。」でした。

ぼっち


ひとりで開発している人って結構いると思う。
私も20代の頃、ずっと1人で開発していた。
配属先はどこも少人数で、新しいことにチャレンジする部署を多く経験した。
前例のないことばかりする。
だからワークフローやプロセスが確定している業務はあまりしたことがない。

プロセスやテストなど、まったく分からなく、存在すらなく、自分で調べ、構築するしかなかった。上司も分野が異なっていたので参考にならないことが多かった。
隣の大所帯の部署やチームを羨ましく思っていたものだ。
他の開発の現場ってどうなっているのか、気になって聞いたけど、まったくついていけていない自分がいたりした。そう、一回で諦めたんだ。うーん懐かしい。

21世紀


今は世の中が大きく変わっている。

社外の勉強会などに目を向ければ、課題を持った仲間が見つかる。
どの開発の現場も同じような課題を持っている。
既に経験している人もいるだろうし、丁度ぶつかった人もいるだろうし。
そこにdiffが存在しているだろう。

経験者の話に耳をすまし、プロセスや概念を真似してみよう。
真似るだけでは、うまくいかないことも多々あるだろう。
でも、そこで諦めてはいけない。
経験者は自分の頭で考え、試行錯誤しながら、その文脈で成功したのだから。
考え続け、カイゼン続け、同じように試行錯誤しながら、自分のチーム色に染めていけばいいだけだ。

社内は?


社外の方がハードルが高ければ、社内に目を向けても良い。
同じ会社でも絶対diffがとれるはずだ。
座談会という形式で人に集まってもらうだけで、いろいろな話題が聞けるはずだ。
不安に思っていたり、自慢したい事でも良い。
アドバイスをしたいとか、何かを解決したいとすら思わなくても良い。
感じれば良いのだ。
違いを面白いと思えばいいのだ。もしくは、類似点を面白いと感じればいいのだ。

耳をすませば


うちの会社には、そんな場が存在する。
チームの問題をお互いに共有し、気がついたことを持ち帰る。つまりdiffを自分たちのチームに持ち帰る場なのだ。

心の中で勝手に名付けている。「耳をすませば」委員会。


聖司:ここ、俺の秘密の場所なんだ、もうじきだぞ
聖司:これを雫に見せたかったんだ
聖司:おじいちゃんから、雫のこと聞いてさ
聖司:俺、何も応援しなかったから、自分のことばっかり考えてて
雫 :ううん、聖司がいたからがんばれたの
雫 :私、背伸びして良かった
雫 :自分のこと前より少し分かったから
雫 :私、もっと勉強する
雫 :だから高校へも行こうって決めたの
「耳をすませば」の映画のワンシーンの台詞を引用

http://www.amazon.co.jp/dp/B00005R5J9

こんな感じで、お互いが成長を刺激合う空気や関係が、その場にはある。
こんな関係で常にありたい。社内でも社外でも。

この委員会を運営・参加しているメンバー、そして見学にきてくれるメンバーに本当に感謝している。

どうにかしたいと思ったら、行動してみるべきだ。人が集まったり、集まらなかったり、山あり谷ありだけど、場をつくること諦めたら、そこで終わる。
継続して実施していくことが大事なんだ。試行錯誤を楽しもう。時には美味しいものを食べながらね。

影響


ビジネスは、その先に必ず利用者がいる。その利用者に影響を与えているのだ。
僕たちは、自分たちの力で世の中を変えていける力を持っている。
その力をどうやって活かすか、成長させるかは、結局は自分次第なのだ。
そのために、自分の現場の話をささやこう。恥ずかしいことなんてない。
使っているツールが古くても、そこに何かの価値があるから。成熟したプロセスになっているのだろう。
ただ、そのプロセスを便利にする方法があるかもしれないから、考えるのを止めてはいけない。

完全解


完全な正解は存在しない。
共有の場で何かを得ようとかせずに、疑問をぶつけようと、しゃかりきに頑張る必要もない。

もっとシンプルで良い。

正直に自分の開発の現場の状況を共有することをささやくことから、はじめてみるだけでいいのだ。そのさざ波が新しい波を呼ぶはずだ。
一歩一歩、1cmでも1mmでも良いんだ。時には後退しても。違う視野で、異なる世界を見てみよう。

まったく関係ないけど、先月、炊飯器を買い変えた。
めちゃくちゃご飯がうまくなった。保温しておいてもうまい。
「なんじゃこりゃー!」って思ったんだ。
あたりまえの日常に疑問を持つ。スゴく重要だと気がついた。
変化とはおいしいのだ。

自己紹介


最後に自己紹介。私は「駅すぱあと」という経路案内・乗換案内サービスを提供している会社で働いている。ほんの数年前までエンジニアをしていたが、現在は管理職という名のアジャイル大好き人間で&エモい人である。

明日は?


明日は@kimkimmymiさんです。
なんであんなにPowerがあるのか不思議で不思議でしょうがないです。
勉強会に参加しはじめたのが、ほとんど同時期で、色々な悩みなどを共感しあった心の友で〜す。
どんな話がささやかれるのか、耳をすましましょう。

2015年2月12日木曜日

日常に不満があるけれど変わることが嫌な君へ - 越境するための14の方法 -



このエントリーは『DevLOVE Advent Calendar 2014 「越境」』の97日目(2015年2月12日)の記事です。
私自身、Advent Calendarに対して10回目の投稿です。結構アホですね私w


「嫌われる勇気」からの一節

人は、いろいろと不満はあったとしても、「このままのわたし」でいることのほうが楽であり、安心なのです。ライフスタイルを変えようとするとき、われわれは大きな”勇気”を試されます。
また、こんなことも言っている。
 他者が変わるのを待つのではなく、そして状況が変わるのを待つのではなく、あなたが最初の一歩を踏み出すのです。

われわれは、どんなに不満や不便だったとしても、変化を拒む特性を持っている。心当たり満載の私がいる。この文にある「勇気」を持つため、「最初の一歩を踏み出す」ための道具?概念?を色々あつめてみた。


越境するための14の思考概念・道具・いろいろ

  1. フレーミング
  2. メンタルモデル
  3. ダブル・ループ学習
  4. 守破離
  5. 固定概念
  6. 脳内バリア
  7. オペレーションとイノベーション
  8. 虫の目・鳥の目
  9. 自分の外に原因を求めない
  10. アドラーの嫌われる勇気
  11. 確証バイアス
  12. 勇気づけ
  13. 行動力を生む心がけ
  14. 心配事の9割は起こらない

1つずつ説明するのは色々なリンクにお任せするとして、簡単なサマリーで。


1. フレーミング


学習する組織をつくる:フレーミングの力
http://hisa-magazine.net/blog/manabutikara/teaming3/


世の中を見るフレーム(を変える)こと
人には自分の見方の方が、他人の見方より正しいって感じる認知のバイアスがある

アソシエイトとディソシエイト
「出来事=解釈」を変えることにより、フレームをはずしていく。これをリフレームと呼ぶ。アソシエイト(実体験)状態からディソシエイト(分離体験)スキルを上げていくことにより、感情に振り回されず、自分をコントロールしていく。
マンガでやさしくわかるNLPより
http://www.amazon.co.jp/dp/4820718363




2. メンタルモデル


学習する組織―システム思考で未来を創造する (著)ピーター M センゲ

メンタルモデルとは、私たちがどのように世界を理解し、どのように行動するかに影響を及ぼす、深く染み込んだ前提、一般概念であり、あるいは想像やイメージでもある。
メンタル・モデルに働きかけるというディシプリンの第一歩は、鏡を内面に向けることである。つまり、私たちの内面の世界観を掘り起こし、それを浮かび上がらせ、厳しく精査できるように保持するのだ。
学習する組織 pp.41-42



3. ダブル・ループ学習


ダブル・ループ学習と破壊的イノベーション
http://nedwlt.exblog.jp/15586875/


背景のより深い理解に支えられた理論の再構築、すなわちダブル・ループ学習です。
具体的には、そもそも論の展開によって、真の目的や原因を考えたり、思い込みからくる制約条件の存在を疑ったりします。


4. 守破離


人材育成は「守・破・離」で
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20100725/238309


「守」:指導者の教えを忠実に守り、聞き、模倣する段階
「破」:指導者の教えを守るだけでなく、自分の考えや工夫を模索し試みる段階
「離」:指導者から離れ自分自身の形を作る段階


5. 固定概念


ガリガリ君のメーカー赤城乳業に聞く!“固定概念”の壊し方
http://doda.jp/careercompass/compassnews/20140825-9970.html


固定概念を壊す「あそびましょ。」の精神
若手が失敗を恐れずチャレンジできる環境


6. 脳内バリア


マジンガーZの光子力研究所のバリアについて
http://okwave.jp/qa/q8548656.html


子供の頃に見たテレビアニメ「マジンガーZ」に関して、兜博士が研究していた光子力研究所が悪に襲われた時に、バリアで研究所(建物)全体を覆い守りますが、そのバリアは現実に確立されている技術ですか???
確立されているとすれば、どのような技術ですか??
おっと、全く関係ない!!バリアを破る方法は書かれていない!私はバリアを破れってことが言いたかったんだけどね。


7. オペレーションとイノベーション


オペレーションはイノベーションの夢を見るか?
http://www.chem-station.com/blog/2014/03/post-597.html


①開発(品)が人間に対して持つ「価値」の発見、設計または再認識
②想い、情熱、哲学
③厳しく指導しつつも長期間見守ってくれる上司
http://www.amazon.co.jp/dp/4822231437

異質性や多様性を伸ばすための仕掛け...はごく単純で、「あなたはどう思う」と繰り返し質問することだ。p.118



8. 虫の目・鳥の目 


デザインアイデアが続々わき出る3ステップ&トレーニング
http://www.mdn.co.jp/di/articles/2073/?page=3


[鳥の目視点]
 ○ジャンルを超えた新しい価値を生み出せる
 ○総合的なデザインが身につく
[虫の目視点]
 ○オリジナリティの確立ができるようになる
 ○高度な専門性が身につく
http://learningpatterns.sfc.keio.ac.jp/


9. 自分の外に原因を求めない

まんがでわかる7つの習慣
http://www.amazon.co.jp/dp/4800215315

人は物事を自分の見たいようにしかみることができない。そのためのパラダイムシフトを起こすには、「インサイド・アウト」に気をつけ、行動を変えることで結果を引き寄せる意識を持つことが大事である 
まんがでわかる7つの習慣 p.25



10. アドラーの嫌われる勇気


嫌われる勇気も大切!思わず感動する「アレフレッドアドラー」名言集
http://matome.naver.jp/odai/2140490619738050701

「やる気がなくなった」のではない。「やる気をなくす」という決断を自分でしただけだ。「変われない」のではない。「変わらない」という決断を自分でしているだけだ。
誰かが始めなければならない。他の人が協力的ではないとしても、それはあなたには関係がない。私の助言はこうだ。あなたが始めるべきだ。他の人が協力的であるかどうかなど考えることなく
http://www.amazon.co.jp/dp/B00H7RACY8




11. 確証バイアス


先入観に縛られて適切な判断を鈍らせる「確証バイアス」を回避する方法
http://gigazine.net/news/20140805-avoid-confirmation-bias/


確証バイアスとは、対象物を評価する際に、先入観に基づいて観察を行い、自分に都合のいい情報を集めてもともと抱いていた先入観に付け加え、対象物の評価にバイアスをかけてしまうこと。正しい評価や判断を邪魔するばかりか、創造性の高い考え方やアイデアを生み出すことにも悪影響を与える

確証バイアスを回避する2つの方法
1.先入観を生み出す原因となる情報源を適切に選別する訓練をすること
2.少し限定的になりますが、Social Science Research Network(通称:SSRN)が発行している記事を読むこと


12. 勇気づけ


勇気づけとは、困難を克服する活力を与えることである。自分自身を勇気づける3つのカギは、下記の3つだという。
  • 所属感:自分自身の居場所
  • 信頼感:周囲の人々に対する信頼
  • 貢献感:自分が世の中の人のために役立っているという感覚

主観的事実で確信をもつ。
貢献することは、自分の富や地位や年齢にも経験にもかかわりなく、意志がありさえすればできる、最も確かな幸福へのパスポートです。
マンガでやさしくわかるアドラーの心理学  pp.212-213
http://www.amazon.co.jp/dp/4820719084



13. 行動力を生む心がけ


色々なことに興味を持つことが、一番の近道なのだと思う。
未知なることを知ろうとすること。本質を見抜こうとすること。その意識が一番、行動につながります。
覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰 p.64

http://www.amazon.co.jp/dp/4861139929


14. 心配事の9割は起こらない

http://www.amazon.co.jp/dp/4837925081

莫妄想
比較なんかしないで、絶対の自分を信じて生きよ!
p.15

冷暖自知
実践する中で経験を積み重ねて、体でわかる、つまり、「体感」することで、自分にとって正しい判断ができて、もちろん、行動もついてくるのです。知識だけでは「ものさし」を持つことはできないのです。
pp.68-69

黄金大地
光り輝く黄金の大地があるのではありません。そこにいるあなたが大地を黄金にするのです。
p.79


ここまで、だらだらと書いてきたが、哲学や心理学、宗教といった分野の話が多い。私は素人なので、どんな関連や真理が含まれているのかまでは分からない。ただ、どれも、人間とは何か?幸せとはなにか?といった人間に焦点をあてている。

越境するにあたり、行動するのも、発言するのも、手を動かすのも、全部、自分自身なのである。


今回、「越境」というテーマで10回の投稿をする中で、自分自身や、これまで読んできた書籍に関して、思い起こすシーンが多々あった。紹介した書籍は「まんがで...」が多いので、気軽に手にとってみてはどうだろうか?皆様の何かのヒントになれば幸いだなぁ。

どんなことでも「実践する」というのは、見ているだけ・読んでいるだけの時とは、本当に雲泥の差があることを実感した2015年冬。

タイトルは、「日常に不満があるけれど変わることが嫌な君へ」としたが、君とは私自身のことである。


この機会を与えてくださったDevLOVEの皆様、読んでくださった皆様、本当に感謝しています

次は?


さてさて、明日はAさんです。どんな話が聞けるのか楽しみですね。

2015年1月30日金曜日

1週間全部俺!第7弾 自分の殻を破る。質より量という越境





このエントリーは『DevLOVE Advent Calendar 2014 「越境」』の84日目(2015/1/30)の記事です。

かつ、1週間全部俺!第7弾。バトンを繋げ、100日まで繋げ!
私自身のようやくの最終日。長かった。

自己紹介


駅すぱあと」という経路案内・乗換案内サービスを提供している会社で働いている。ほんの数年前までエンジニアをしていたが、現在は管理職という名のアジャイル大好き人間で&エモい人。


ふりかえり


最終日は9回分を振り返ってみる。

(1)会社間の越境:人材交流 (15日目 11/22)
  http://araratakeshi.blogspot.jp/2014/11/blog-post.html

(2)くにの越境:脱藩 (72日目 1/18)
  http://araratakeshi.blogspot.jp/2015/01/blog-post.html

(3)仕事場の越境:合宿 【1週間全部俺:壱】 (78日目 1/24)
  http://araratakeshi.blogspot.jp/2015/01/11.html

(4)上司タスクの越境:役職を越え 【1週間全部俺:弐】 (79日目 1/25)
  http://araratakeshi.blogspot.jp/2015/01/12.html

(5)会社文化の越境:転職 【1週間全部俺:参】 (80日目 1/26)
  http://araratakeshi.blogspot.com/2015/01/13.html

(6)業種の越境:サッカーコーチ 【1週間全部俺:肆】 (81日目 1/27)
  http://araratakeshi.blogspot.com/2015/01/14.html

(7)地域の越境:コミュニティ登壇 【1週間全部俺:伍】 (82日目 1/28)
  http://araratakeshi.blogspot.com/2015/01/15.html

(8)職種の越境:マネジメント職 【1週間全部俺:陸】 (83日目 1/29)
  http://araratakeshi.blogspot.com/2015/01/16.html

(9)質より量で越境:自分の殻を破る 【1週間全部俺:漆】 (84日目 1/30)
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質より量(時間と空間)


大小、長短、強弱、色々書いてきたが、どれもこれも、場所・会社・時間・空間・現在・過去・業種・職種・役職・ポジションという境を越えることを述べた。ベースには個人のマインドを越えるということを綴ってきた。
これって、DevLoveか?越境か?という声が聞こえてきそうだが、マイウェイを突っ走る。

量が質を凌駕することもあるだろう。それを自分自身でTRYしてみたわけだ。まず、一歩を踏み出す。先はどうなるか分からないけど。
越境という単語からリンクする事柄を自分なりに考える1週間。この思考体験は、やっていてかなり面白かった。


なぜやったか?


あー、そもそも何故やったのだ?

1/11の夜、2回目の記事の原案が書き終わったあたりで、突然スイッチが入ってしまったのだ。
100日までバトンを繋げるために自分ができることは何かないか?と思ってしまったのだ。当時、あと23枠のスペースが残っている。どうする?(今日でもまだ、6枠足りてない)。そこで、1週間の7日分を、まず引き受けようと思ったのだ。そこで思い付いた「俺の○○」。
思いたってすぐ、1週間全部俺!を依頼した。自分のエモさに笑いが止まらない。

承諾してくださったDevLoverの皆様に本当に感謝・感謝。
1週間、大変だったけど。自分で決めて自分で行動することは楽しいのだ。

MAZDA TVCM「Be a driver. 2014」篇

自分の行く道は、自分で決めたほうが、楽しいに決まっている。
人生の、ドライバーになろう。


私はたかが1週間だけど、さらに上がいる。月とか年という単位の方々もいる。もう尊敬の念しかない。

Tableau Software Tips&Viz(全部俺) Advent Calendar 2014



Vim Advent Calendar(2012-2014)




まとめ


自分で決めて自分で行動する。仕組みや他人のせいにしていても何も始まらない。不平不満で世の中や人が変わるのであれば、いくらでもすればいい。だが、多分変わらない。その負のエネルギーは自分自身をも不快にさせる。口だけのアイデアでは全く世の中は変わらない。

正のエネルギーに力を注ごう!

そのためには、結局は自分で行動するしかないのだ。自分自身と向き合うしかないのだ。自分の殻は、自分で破るしかないのだ。他人に言われて行動するなんてつまらない。

Be an Agile Driver!

全9回、駄文を読んでくださった皆様! 本当にありがとうございます。


さぁ、自分の殻を破れ!大きく破れ!




次は


ようやくバトンタッチ。
明日は、Hideaki Itoh(@itow_ponde)さんです。

師匠、よろしく お・お・お願いし・しします。あ・あ・あとは、た...た...頼n...バタ... .... ...

か〜ら〜の〜〜〜
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復活の予感w

俺はしぶといのだ。.