2016年12月28日水曜日
ジョイ・インク。僕の理想がここにある。僕の妄想は武器だ。
「ジョイ・インク」という書籍が2016年12月20日に出版され、レビューをちょっとだけお手伝いしました。
とある日、とある方からレビューの依頼が突如やってきました。
忙しい時期だったので、ちょっと躊躇しましたが質問など一切せずに「やりまーす」の返事を出します。
イントロダクションを読んだだけで、この本はビンゴであることがわかります。
もう・もう・もう面白くてしょうがないのです。
例えて言うなら、シータがタイガーモス号への乗船が決まり、乗組員達がハエ飛行機でぐるぐる飛び回る感覚です。自分が思い描く組織風土・組織像がここに描かれているのです。
平日の寝る時間や祝日の全時間を投入しても、全く苦にならないほどでした。
24時間連続でレビューをし続けた日もありました。
まったく眠くならないし時間感覚を忘れてしまうんです。
1つの英文にハマると、30分とか1時間とか、あっという間に経っちゃうんです。
まぁ日本語にハマることもね。
脳内:英語ではそう書いてあるけど、日本語じゃちょっと伝わらないよ~!
脳内:でも原文もそれを意図してあえて書いているのか?
脳内:そこまで考慮する?
脳内:うーん。
脳内:でもこの違和感は依頼主に伝えないといけないよなぁ
なんて考えながら、翻訳文と英文を行ったり来たりの日々です。前段落や章タイトルをにらめっこしながらね。
ご飯食べたっけ?昼?夜?ん?腹減ってないなぁ。まいっか。
そんなフロー体験をこの齢でできるとは思っていなかったです。
レビューしたメンバーの中でも、指摘した項目は結構多かったんじゃないかなと思います。
(効果的だったかはまったく、まったく、まったく、まっ~~~~~たく、別の話)
翻訳陣の方々には大変ご迷惑をおかけしました。
書籍の内容も素晴らしいんだけど、
指摘に対する翻訳陣の回答がもう圧倒的なんです。もう破壊的なんです。
「みんな、どんだけの生産性と頭脳を持っているんだ!!」と脳内をコダマしまくってました。
Issueを放り込むと瞬速でリプが返ってくるんです。
そんな爆速のしごとに携わっててました。徹夜で日の出を見ることも。高揚感はハンパなかったですね。
(もちろん業務外です。)
大変だったといえば大変だったけれど、書籍の文脈・しごとをする仲間・プロセスなど、いろんな条件が重なるとアドレナリンが放出されまくります。
充実してました~。
私がここ数年、社内で取り組んでいることや考えていることの本質が描かれていました。共感しまくりです。
■タイトル : ジョイ・インク
■サブタイトル:役職も部署もない全員主役のマネジメント
■刊行日 : 2016年12月19日
■出版社:翔泳社
■価格 : 1800円+税
■仕様 : 288ページ
■URL :http://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798148786
本当にお薦めです。
この投稿の文面で、こいつヤバイぞって思ったことは決してマネしてはいけません。
レビューというほんとーにささやかな一部のタスクだけど、ひとつの書籍を作り上げるしごとに携われたこと......感謝でいっぱいです。
彼らの書籍が出版され、多くの日本の人たちに読まれることを想像するだけで、私はとても嬉しいのです。
めでたしめでたし。
2014年2月25日火曜日
会社を辞める必要なんてない。「1万円起業」さっくり読める起業の本。
「1万円起業 -片手間で始めてじゅうぶんな収入を稼ぐ方法-」読了。
感想
もよりのAYUMI BOOKSで、第2位だったので、ついつい買ってしまった。後悔はないなぁ。大きなビジネスではなく、マイクロビジネスを企業する方法と成功事例を紹介した書籍である。
・会社を辞める必要もない。
・情熱を傾けられるものから始める。
・心の迷いや不安が大敵なだけである。
・考えすぎて足踏みをしないように。
・もし、成功すれば続ければ良いと。
ただ、それには、ある程度、方法論があって、それがこの書籍に書かれている。例えば、計画で未来を埋めすぎないために、A4用紙1枚にビジネスプランをまとめる方法だとかだ。
スタートアップの書籍に書かれているような方法論や、顧客との関係性や、ビジネスになりうるかどうかなども、柔らかい文章と実際の成功者の言葉で補いながら、読みやすく書かれている。目次がそれを表している。
1.気がつけば、起業家
2.さあ街で売ろう
3.利益を増やす次の一手
マイクロビジネスがうまくいく「たった3つのルール」として、最初の1つが「共通部分を探す」ということだ。自分の得意分野と市場のニーズの共通部分が大きければ大きいほどビジネスとして成り立つというわけだ。
以下の成功者の言葉は、心に響いた。
「結果がどうあれ、このビジネスを始めたのは正解でした。ビジネスを軌道に乗せるために費やした労力、努力、そして犠牲は十分報われましたから」
「ええ、毎日。いちばんいいのは、朝起きたときよりももっとワクワクしながら眠りにつけることです。来る日も来る日も、私は自分が夢中になれて、私だけでなく他の大勢の情熱もかきたてる仕事をつくることに専念しているんです」
引用
行動計画は働かずに済む方法を教えるのではなく、よりよい仕事をするためにある。目指すのは他人が喜んであなたにお金を払いたくなる価値あるものをつくり上げることだ。
めずらしいのは、その4つのささやかな能力が1人の人間に集まったことだ。価値ってものは、そうやって生まれるんじゃないかな
宇宙飛行士は、ずば抜けた能力あって、どこかに欠点があるよりにも、どんな分野でも平均的である方が採用されるというのを思い出した。
山崎直子さんだったかなぁ。この能力がずば抜けてたと。スーパー平均人間って。でも宇宙飛行士になるくらいなので、もともとの平均が高いんだろうけどね。
Tokyo FMのAvantiだったかなぁ?
価値
価値とは「人々の役に立つこと」だ。マイクロビジネスを立ち上げたいと考え、誰かの役に立とうと努力しはじめるなら、あなたが進んでいる方向は正しい。
大切なのは「価値」は消費者が感じる「感情的な必要性」に結びついているということだ。売り手はよく、「私たちの商品の特徴は...」と語るが、客が受けるベネフィットについて語る方がはるかに説得力がある。
(情熱+スキル)x (問題+市場)=ビジネスの機会
情熱やスキルだけではなく、課題や市場ニーズやなどをしっかり考える必要があるということも書かれている。はじめは趣味でも良いのかもしれないが、成長させる方法や、KPIを持つことやそのタイミング等もしっかり書かれていた。
勘違い
「人に魚をとってやれば、その人は一日生きられる。魚の捕り方を教えれば、その人は一生生きられる」というものがあるが、これがすべての元凶だろう。
腹をすかせた漁師が相手なら、このことわざは正解だ。しかしビジネスにおいては、これではうまくいかない。ほとんどの顧客は、魚の捕り方を習いたいとは思っていない。1週間休みなく働いた後でレストランにいくのは、何もかもやってもらいたいからだ。
どこでも仕事ができるという誘惑に目がくらんで、野心あふれる起業家の多くは、「仕事」よりも「どこでも」という部分に注目しすぎている。「どこでもできる仕事はなんだろう」と考えて、ビジネスを始めようとする。これは順序が逆だ。
旧式のマーケティングは「説得」に基づいているが、新しいマーケティングの基本は「誘うこと」だ。
魚の例えは、良かったなぁ。これを勘違いしていては、ビジネスとして成り立たないのだろう。
著名人の引用文
情熱が君を動かすなら、理性に手綱を握らせておけ
ベンジャミン・フランクリン
2014年2月24日月曜日
あ、「伝え方が9割」なのか!
自己中心的ではいけない、伝えるには共感が必要である。
「伝え方が9割」読了。
最寄りのAYUMI書店で第3位だったために衝動買いしてしまった本だ。
世の中にある心に残るコピーを、独自の視点で分析した方法がかかれている。表紙を開いたページにある超縮小版は、思い出すためにはスゴく良い。
以下の3章構成になっている。
- 第1章 伝え方にも技術があった!
- 第2章 「ノー」を「イエス」に変える技術
- 第3章 「強いコトバ」をつくる技術
第1章で、伝え方には、誰も教えてくれなかったけど方法論があるということを説明し、第2章で、一日に平均22回のお願いをしているらしいので、それをイエスと言ってもらう確率を上げる技術について、そして第3章で「コトバエネルギー」で人の感情を動かすということを述べている。
コトバはもともと相手に届けるために作られたもの。どれだけ正しくても、届かなければ役割を果たしません。古き良き言葉を守る、ということを続けることはカンタンではありません...でも言葉というのは、変化しつづけるものです。言葉は...これからも変化しつづけるでしょう。
「ノー」を「イエス」に変える技術の答えは、相手の中にあります。... 「お願い」は、あなたのコトバではなく、あなたと相手の共作なのです。あなたのハッピーと相手のハッピーをいっしょにつくりあげることなのです。... この技術は、決して楽勝で人生を過ごす技術ではありません。そう思った瞬間、うまくいかなくなります。これは相手のことを想像する技術、言い換えれば、相手への愛情を表現する技術です。
人は規則では動きません。人を動かすのは「感動」です。
伝えるということは、1人ではできないのだ。相手がいるから伝えるという行為が発生する。つまり、答えは自分の中にはないんだなぁ。相手の中にある。どれだけ相手のことを思いやれるかが重要なんだろう。そうなのだ!相手の中なのだ!自己中心的であっても言葉は届いていかない。
「相手の好きなこと」、「選択の自由」、「チームワーク化」、「サプライズ法」、「ギャップ法」、「赤裸裸法」を使ってみよう。
2014年2月12日水曜日
紺野 登さん監修の書籍に感動「脱でぶスモーカーの仕事術」にやられる
なぜ、正しいとわかっていても、実行できないのか?
この第1章のタイトルで、もう、やられる。
課題解決する際に『分析』や『洞察』ではなく、『強い決意』しか意味がないと述べている。ここにこの書籍の本質がある。
そして、読み進めると、下記のセンテンスが出てくる
あなたにとって最高のダイエットとは、あなたが続けられるダイエットだ。
あきらかなことと、簡単は別。分かっていても、実行できない
報酬などの喜びは後からやってくる、不快や試練がまず最初にある。
このダイエットの例えが最高に分かりやすい。続けられないものは意味がなく時間の浪費だ。危機感があると人はスイッチが入る。そうなる前に自分でスイッチを入れる方法として、習慣と可視化が重要であると説明している。覚悟・決意なんだろう。
これは「7つの習慣」に似ているかなぁ。
また継続する仕組みとしてゲームにするということも上がっている。つまり自らルールをつくりそれを楽しむということだ。
書籍のタイトルからは、まったく予測できなかったが、こんなにも刺激を受けて、共感しまくったことはない。私のベスト3確定だ。
戦略とは「何をしないか」を判断すること「戦い」を「省略」することというのが最近ネットで話題に上がっていたが、
「戦わずして勝つ。孫氏の兵法」にも通じるのだと思う。
「品質、コスト、多様性、スピード」の4つを同時に追求するビジネスは、みな失敗する運命にある。これって、アジャイルサムライの荒ぶる四天王( 品質、予算、スコープ、時間)と同じ考えだよね。
誰よりもマネジャーが、人々のなかに本物のエネルギーや情熱や意欲を生み出すスキルを持っていなかればならない。
自分はこういった行動を心がけているが、周囲から見たら出来ていることと、まったく出来ていないことが多々あるのだろうなぁ。情熱や意欲などの人の感情や精神の部分は論理的ではないが、世の中の成功者を見てみると、必ずと言っていいほど、これらの能力を持ち合わせているという、青臭い話だけでは、全く意味がないが、最後の一押しをする手段としては絶対必須の能力なんだ。
挑戦し、失敗する人がいる。しかし一度も挑戦しない人はそれよりはるかに多く、彼らは決して勝つことができない。
ビジネスマンとして昨年とは、いろんなことをやっているつもりだが、それを挑戦と呼んで良いのだろうか?まだまだだろうなぁ。どこに焦点を絞るか。面白い。
キーパーソンが確実に同じ考えを持つようにするキャズム理論のイノベーターとアーリーアダプターの16%に浸透しないと、その後のマジョリティには波及しないということと同じなんだと思う。キーパーソンの割合がどんどん増えていくことで、戦略の実行が現実味となっていく。
また、組織を団結させるものとして以下が掲げられている。
- 目的/ミッション
- ビジョン/方向性
- 価値観/原則
- 文化/行動規範
一夜限りの付き合い(取引)と恋愛(関係)この例えを使って、取引と関係のアプローチの違いを詳しく説明している。サービス提供者側としては「取引」で短期的には成功することを望むだろうが、クライアント側としては、「関係」で、長期的視野に立った関係を望むだろう。「彼ら」と表現するか、「われわれ」と表現するか、関係であれば... 。形式や契約に焦点をあてるか、人の心というところに焦点をあてるか。そして、次のような展開がある。
『きみは優秀なトレーナーだ。だが優秀な従業員ではない』チームプレーができるかどうかだ。これは自分が生きてきたエンジニアリングの世界にも通じるすごく分かりやすい表現だ。単なる寄せ集めのグループで働くか、方向性を共有できたチームとして働くか、その成果は大きく変わってくる。マネジメントする人にっとって、プライオリティの高い役割だ。
それから、重要なこと。ラスト2章は必読だ。
著名人の引用
成功とは情熱を失わずに次々と失敗を重ねて行く能力のことだ
ウィストン・チャーチル
子貢:『村人の全員が好むような人は、よい人と言えるでしょうか。』
先生:『まだよいとは言えない。』
子貢:『では、村人の全員から憎まれる人は、よい人と言えるでしょうか』
先生:『まだよいとは言えない。村の善人から好まれて、悪人から憎まれるような人がよいね』
論語より
2014年2月4日火曜日
プロフェッショナル論の本。起業家のように企業で働く
感想
プロフェッショナル論である。企業の中でも自分自身に芯を持ち、ビジョンを持ち、それに従って行動することで、起業することと同じように働くことができ、自分自身の価値、それも市場価値を高めることができるということが書かれている。今まで自分自身が考えていたことを文章にしてくれたと思う。まぁ、実践できているかどうかは別として。ワークライフバランスなども、もちろん出てくる。その話の展開はひと味違っていて面白い。
この書籍の中で触れられていた、アップルのKnowledge Navigatorの動画を探してみた
当時(90年代前半)のビジョンで、すでに、今の生活を明確に映像化している。
Apple's Future Computer: The Knowledge Navigator
https://www.youtube.com/watch?v=9bjve67p33E#t=0
そしてそして話が変わるが、ギャップアプローチとポジティブアプローチがあるということが書かれている。これは、ソリューション・フォーカスと同じ考え方。プロブレムトークではなく、ソリューショントークをしようというもの。
ギャップ・アプローチ(問題解決・アプローチ)
1.問題を特定する
2.原因を分析する
3.解決方法を検討する
4.アクションプランを作成する
ポジティブ・アプローチ(ビジョン・アプローチ)
1.強み・価値を発見する
2.どうありたいか、最大の可能性を描く
3.現実的達成状態を共有化する
4.新しい取り組みを始める
それから、この本は31節あり、その最後に、著名人の明言が書かれている。これがその節の内容にマッチしていて、結構面白い。ここだけ読んでもいいかもね。
引用
キャリア・ビジョンを持つと、日々の仕事のやり方がそのビジョンを実現することに繋がっていく。
日本では、人のまねをして上手く立ち回る人間が評価され、イノベーターは損をする。なぜなら、彼らは失敗する、しかも立て続けに。そんなイノベーターを守るのが社長の役割。
彼女は何かおおきなものに突き動かされている、まさに使命を背負っていると感じられた。そのように、世の中で成し遂げたいもの、貢献したいものを強烈にもって、それを周囲に伝え、行動していると支援者が現れ、ともに実現してくれるように動いていくのだ。
できるかできないかを考えるとたいていのことはできないと思えてしまう。そうではなくて、やるかやらないかでしょう。
我々の間にはチームプレーなどという都合のよい言い訳は存在せん。あるとすれば、スタンドプレーから生じるチームワークだけだ。互いに頼ろうとしてパフォーマンスを落とすな。突破口は、それぞれの自分の個人の力なんだ。
どんなに体調が悪くても、プライベートに心配事があっても、必ず講演や研修で高い評価を得なければならない。評価が低ければ二度と呼ばれることはない。他に代わってくれる人はいないし、言い訳も一切通用しない。だから、準備を怠らないし、体調も管理する。プロだから同然のことだ。プロとは『必ず成果を上げること』、そして『相手の期待を上回ること』だと思っている。
指示されたこと、自分の役割を行っているうちはリーダーシップは発揮されない。役割を越えて組織のために役に立つと思うこと、あるいは自身がやりたいと思ったことに一歩足を踏み出した時、初めてリーダーシップが発揮されるのだ。
単に自分のやりたいことを主張するのではなく、会社としてこれが必要だということを提案するからなんだ。そして、それを自分はこのように準備しているので、やらせて欲しいと主張する。つまり、会社のビジョンと個人のビジョンを重ね合わせているんだ。だから説得力がある。
自律の真の意味とは『仕事を自ら作り出して、結果まで含めて全ての責任を負っていると考えることだ。自分のキャリアや働き方は、会社や上司にコントロールされているのではなく、実は自分でそれを決めているのだと気づく。そうすると、周囲がどうであれ、自分が自律意識をもち、自分が変わることによって、周りの人や環境をも変えられるという真理に至のだ。
ひとつ確実にいえることは、リスクをとって難易度の高い仕事をやらない限りは、飛躍的な成長はないということだけだ。
失業保険給付期間が切れても職探しに奔走している人達に共通する3つの特徴
- 学習しない
- 受け身で業務をこなしてきた
- 組織に同化、同質化している
仕事でクリエイティブに活躍する人は、プライベートでもクリエイティブに生活しているんだ。なぜなら、プライベートで様々な挑戦をし、結果的に新しいネットワークを作っている人は、そこで仕事へのアイデアを得ているからなんだ。
著名人の引用
七転八倒、のた打ち回った揚げ句の成功体験で、人は成長する。それが、私自身が感じたこと。人の成長が組織の成長なんだよ。
南場智子(ディー・エヌ・エー創業者)
優れた経営者、組織のリーダーというのは、道なきところに道をつくる人だと思うのです。目の前に壁が立ちふさがっていたら、それこそ、地下に坑道を堀り、空を飛び、海を泳げばいい。目標に到達すれば、どんな手段だっていいわけです。
冨山和彦(経営共創基盤代表取締役CEO)
人生において、万巻の書を読むより、優れた人物に1人でも多く会うほうがどれだけ勉強になることか。
小泉信三(元慶応義塾長・経済学者)
新しいステージに立つと、自然と新たな目標が見えてくる。その繰り返しです。
長友佑都(サッカー日本代表)
英語でいうコンフォートゾーン、居心地のいいところにいては、ダメなんです。そこには学びがありませんから。常に自分にチャレンジして、常に違和感がある環境にいて、常に学び続ける。
伊藤穣一(MITメディアラボ所長)
他人の意見ではなく、自分の中の声に耳を澄ませなさい。そして、最も大切なのは、自分の心と直感に従う勇気を持つことです。
スティーブ・ジョブズ(アップル創業者)
2014年2月3日月曜日
強いチームはオフィスを捨てる。そんなチームになりたい。
感想
37シグナルズが考える理念や行動規範は、最高に刺激的だ。前作の「小さなチーム、大きな仕事」は4冊も買って、メンバーに配ったことを思い出した。
今月、メンバーの1人が在宅勤務を開始しようとしていたので、このタイミングで出会えてよかった。自分自身、古い考え方に凝り固まっていたようだ。
リモートワークに関して、まったく新しい視点が得られた。
リモートワークとは、
- 時間と場所に縛られない働き方。
- 社員の生活の質を向上させるもの。
- 成果が今以上に見えるようになる。
- 実力のない人間たちがあぶり出される。
- アイデアを生むための遊びを推奨する。
- 働かないのではなく、働きすぎることを心配したほうがいい。
そして、これを実行するには、やはり同じ価値観を持つ人達をバスに乗せる必要があり、仕組みとして、それぞれのメンバーとのコミュニケーションが相互にできるようにしなければならない。そのように工夫し続けなくてはいけない点も重要なことである。
ビジョナリーカンパニーに出てくる「バスに乗せる」という考え方は、またまた出てきた。経営って、文化を維持することや、時には壊すこと、変化を恐れず進展させていくことに、相当力を入れていかんといけないんだ。
通勤時間の話題が出てくる。私の場合、片道1時間15分。1日2時間30分。1週間で12時間30分。年間約50週で600時間オーバー。1年間に600時間も通勤に費やしているのか。アホらしい。でも読書できるからいっか。いや良くない。ふぅー。
著者のTEDでの動画
ジェイソン・フリード:なぜ職場で仕事ができないのか
http://www.ted.com/talks/lang/ja/jason_fried_why_work_doesn_t_happen_at_work.html
引用
リモートワークに必要な技術は、けっして難しいものじゃない。必要なツールの使い方を学ぶのに、時間はほとんどかからない。必要なのは、やってやろうという意志だ。古いやり方を捨てて、前に進もうという決意だ。
リモートワークは、社員の生活の質を向上させるためのものだ。
世の中の大企業は、驚くほど古くて非効率なやり方のまま、何年も生き残っている。... 昔ながらの大企業のやり方を見ていても、生産性については何も学べないということだ。
大企業はたいてい、足並みをそろえることが大好きだ。だから業界の中で抜きん出るには、ほかと違うことをやればいい。
そもそも大事なのは、全員を決まった席に決まった時間だけ縛り付けておくことだろうか。それとも、全員がうまく成果をだせるようにすることだろうか。もしも後者が大事なら、好きなやり方で働いてもらったほうがいいに決まっている場所と時間で評価するのではなく、仕事の内容でその人を評価すればいい。
リモートとは単に遠隔地という意味ではなく、時間と場所に縛られない働き方のことだからだ。
ミーティングとマネジメントのせいで、オフィスでは仕事が進まないのだ。ミーティングがなく、うるさい上司もいないほうが、確実に仕事がはかどる。だからこそ僕らは、こんなに熱心にリモートワークをすすめているわけだ。
リモートワークに慣れていないマネジャーは、部下が働かないのではないかと心配する。でも本当は、働きすぎることを心配したほうがいい。部下の様子が見えないので、気づいたときには完全に燃え尽きていたということにもなりかねないからだ。
いい仕事に必要なのは、朝から晩まで仕事のことしか考えないロボット集団ではない。技術だけを追求するのは浅はかだ。スマートな問題解決や最新のデザインは、技術と人生経験の交わるところに生まれる。
リモートワークになれば、使えない人材はすぐに明らかになる。経営はまず人選ありき。不適切なメンバーをすみやかにバスから降ろし、適切なメンバーをバスに乗せよう。
みんなが自分の判断で行動できるようにする。承認なしでは行動できないほど信頼のない社員ばかりなら、あなたの会社は不適切な人間を採用しているということだ。
リモートワークの本当の危険は、働かないことではない。働きすぎてしまうことだ。
リモートワークは、すぐ目の前にある。後戻りのできない変化が起ころうとしている。あとは、いつそこに飛び込んでいくかだ。アーリーアダプターとして時代を先取りするか、その後のブームに乗っていくか、出遅れて後からついていくか、それとも完全に乗り遅れるか。時代を切り開くイノベーターたちを乗せた船は、すでに港をでてしまった。でもアーリーアダプターのための船は、まだ席に余裕がる。今こそ、乗り込むチャンスだ。
はじめは無視され、次に笑われ、それから争いになる。そして最後に、君は勝つ
モハトマ・ガンジー
2014年2月1日土曜日
自分の中に軸を持つことの大切さ。「カイジ『勝つべくして勝つ! 』働き方の話」読了。
「カイジ『勝つべくして勝つ! 』働き方の話」読了。
感想
- 問題の先送りはしない。
- 今を生きる。明日はこない。
- 本気で覚悟して腹をくるって仕事をする
- 仕事を楽しむべき、でも楽な仕事をすることとは違う
- 自分の価値を高める努力を怠ってはいけない
- 自分の軸を持つこと
- 行動できないことは分かったことにはならない
- 絶対に勝つ方法などない。考え抜いてやって負けてもしようがないと諦める
- 個人にもビジョンが必要で、やりたいことをやる。
- お金のために生きない。
- 目先の意味のないヒットを打ってもショウガない。意味ある課題解決に繋がる凡打の方が価値がある
引用
『明日にしよう』というたびに、人生を無駄にしている
現代には、夢みることもせず、行動することも、チャレンジすることもなく、夢の中で生活しているように『なんとなく』過ごしてしまっている人が多すぎると感じています。
決断をしなければ、失敗が明らかになりません。一方で、決断をして失敗すれば、それが明らかになってしまう。そのため、決断することを避けて、『無難』に過ごそうとしています。
その目標や夢をリアルに感じられるところまで自分が行かなければいけません。
ビジネス書を読んで内容を理解しても、それは単なる『わかったつもり』です。ビジネス書を読んでもそれだけでは仕事のできる人にはなれません。それは行動に移していないからです。頭で理屈を知っても、実際にやってみると随分違います。わかっていることと、実際にやってみることの間には大きな開きがあるからです。
本当に学びになるのは、真剣に自分のお金や時間を張ってみて、ヒリヒリするような感覚の中、決断していく時です。
他人と同じでは、”それなり”の評価しか得られません。みんなと同じことをやっていれば安心です。しかしそれでは”それなり”にしかなりません。... 『独自路線の積み上げ』か『圧倒的な積み上げ』か。どちらかを選ばなければ、高い評価をしてもらえないのです。
最初からその仕事を『得意』と感じている人なんていません。最初は不安で不安でたまりません。強いストレスも感じるはずです。しかし、それを乗り越えた結果、不安がなくなり、ストレスが減っていくのです。そしてやがては”安心領域”になっていくのです。その人が『得意なことだけをやって生活できている』のは、そうやって安心領域を作ってきたからです。
勝つ事は大事。でも確実にかつものなんてありません。うまくいく前提の時でしか勝負できず、確実に勝てるものしか手をだせないとしたら、何もできません。なんにも始められないのです。ここでポイントなるのは、... 『勝った時に得られるメリット x 勝つ確率』の期待値です。
世界中の野球選手が10割打てないことを悩まないのと同じように、ビジネスの世界でも10割を狙うことがそもそも論外なのです。
『勝つために必要なのは、相手を選ぶことだ』と言われることがあります。... それもひとつの考え方ではありますが、この戦略を取れるのは、別の場所で自分を鍛え、常に自分を高めていっていることが前提になります。
意志を持ち続けられる人は、使ってしまった意志を意図的に回復させられます。同時に、意志の力をかりずともその行動ができるように整えてから行動に移します。
- 一流は、内なる声に従い、軸を持って正しく、強く行動する
- 二流は、世間の評価を得たいがために、自分と周囲を欺き、浮つく。
- 三流は、世間の評価を得る基準に達しない。
『好きな仕事をしよう』『仕事を楽しむべき』というのは、『楽な仕事をしよう』『楽して金を稼げる仕事を選ぼう』ということではありません。
明日死ぬと思って 生きなさい。永遠に生きると思って 学びなさい モハトマ・ガンジ
2014年1月26日日曜日
問題を分析するな!解決に向かって一直線に進め
サブタイトルが全てを言い表わしている。ソリューション・フォーカスとは、問題からは解決策は見つからないということだ。これは、ピーター・センゲの『学習する組織』の中にでてくるシステム思考にも似ている。問題の周辺にはレバレッジポイントはないということだ。まぁ、問題からの解決方法ではなく、解決に直結することを実施しながら解く方法論をソリューション・フォーカスと呼んでいる。
- プラットフォーム
- フューチャーパーフェクト
- スケーリング
- カウンター
- 肯定
- スモールステップ
![]() |
P.46からの図を引用 |
まぁ簡単に言ってしまえば、「根本原因」、「ゴールイメージ」、「マイルストーン」
「変化の肯定箇所の発見で加速」、「現実的な最初の一歩の提示」であると、理解した。
シンプルでも間違った解決策はいくらでもある。... シンプルな解決策を見つけてそれを使い回しすることではない。... 『うまくいかなければ、それは解決策でない』オッカムの剃刀の「ある事柄を説明するためには、必要以上に多くを仮定するべきでない」(http://ja.wikipedia.org/wiki/オッカムの剃刀)のシンプルであるということが重要だと思ってた感が自分にはあったので、この言葉は心に残った。解決しないものは、どんなものであっても意味がないのである。「脱デブスモーカーの仕事術」と同じことを言っているのである。
ソリューションフォーカス
もし問題が理解できるか、あるいは原因がわかりさえすれば、解決策がみえてくるだろうと考えるなら、議論がプロブレム・トークになるのは自然なことだ。
不思議なことに、語れば語るほど、問題が大きく、難しくなるように見える。
ソリューションフォーカスの実践者は、「この問題の根底にある原因は何だと思いますか?」というような、ごく自然に聞こえる問いかけを我慢する自制心が必要だ。
... どこで、どのように解決がすでに起こり始めているのかを話すべきである
スキーの指導で何がいちばん受講生にとってありがたかったか、本当につかんでいますか?みなさんのしたことで、何が正しかったのか、つかめていますか?何気なくしたことが、結果としてすごく喜んでもらえたということはないでしょうか?それが何だったか知りたくないですか?
また、別途、高速道路での車の渋滞の話もでてくる。
車の自然渋滞が1台の車の車線変更によって起こることまで把握できたのなら、その問題を如何に突き詰めても問題は解決しない。その問題が発生していないときのことを観察することでこの問題は解決する。交通量の少ないときには発生していないことは分かっている。であれば、混雑する時間帯の制限速度を低くすることが解決策となった。この解決策は、問題の原因(急激なハンドル操作)には一切関係がないことになる。
まさしく、われわれは、この問題点にフォーカスするプロブレムトークをするのが大好きである。どうなっていれば良いかを議論することより、現場では何が起こっているかを理解してもらいたいからだ。現場での最初の一歩などを明確に提示することができないと絵に描いた餅になるのだろう。
でも臨場感をもった未来像は必ず必要であると信じている。大きければ大きいほど良い。脳内バリアを破らないと、自分はすぐに堕落したコンフォートゾーンに引き戻されてしまうからだ。
フューチャーパーフェクト
現状がもっと違っていたらいいのにと思っても、ついほかの誰かが行動を起こせばいいと考えてしまうことがある。そういう心持ち自体はおかしくないのだが、せめて活動の一端だけでもみずから担うくらいの気持ちがないようでは、現状が変わるとは思えない。
具体的に、未来に身を置いて考えてみることだ。まず何に気がつくだろうかと問いかけることで具体性が増す。その答えにははっきりと詳細が、それもささやかな事柄がたくさんあがってくる。
目標の先へとあなたを連れて行ってくれる。
「何によってそうなったことがわかるだろう?」
「どういうときに解決がすでに起こっているか?」
直訳すると「完璧な未来」ってことになるのだろうか。現状から積み重ねで想像するのではない。未来を自分の手元に引き寄せるのだ。この解決方法は至る所ででてくる概念である。ただ同時に、そのための最初の一歩も大事なわけで、それが、次のスモールステップである。
スモールステップ
目標がもし達成されつつあるとしたら、一番最初の兆しはどういうものか、を考えた結果、高邁な理想を追う立場から、もっとずっと小さな、より実行可能な行動の詳細へとものの見方を変えたのだった。「最初の兆し」という表現でそれを表している。うまい表現だ。
カウンター
- 何がよくなっているか
- 何をしたら、その変化が起こったのか
- 他の人たちは何をしたのか
- その変化にはどういう効果があったのか
- 誰が気づいたのか
- 次は何がかわると思うか
問題をどう見るかという無駄な論争に、あまりに多くの時間が費やされている。つまりは同じことについて話しているのに、いろいろな人間がいろいろな言い方で表現しては、言い争いになる。それより、どうなってほしいのかという、フューチャーパーフェクトの部分で意見を一致させるほうが、たいていは得策である。
現在起こっている現象や、フューチャーパーフェクトの肯定やカウンターを積み上げることができるという指標だ。
書籍にでてきた賢人の言葉
自分が世の中に起こってほしいと願う変化にみずからなりなさい
モハトマ・ガンジー
私たちは説教なしに説教をすべきです。しゃべるのではなく行動で神の教えを伝えるのです。
マザー・テレサ
『目標管理の教科書』だ
この書籍において、既存の目標管理では、MBO-Sという「S」の部分、つまり、self-controlに関して、あまりにも無視されていると述べられている。self-controlとは、チャレンジ目標の自己統制を実践することであると。
この部分が知識労働時代のマネジメントの方法論として記されていて、私自身、肚落ちした。MBO-Sは内発的動機付けを重視したマネジメントなのだ。
この書籍を読みながらアジャイルの考え方と同じじゃないかと、幾度も思った。PDSや振り返り、自己組織化、チームでの話し合い、振り返りのパーティ等、チームマネジメントでの方法論は、根本では同じなのだろう。
目標のつくり方、そこでリーダーがすべきこと、「計画」、「実行」、「振り返り」を人と仕組みの両方の面から、順序だって説明している。上長と個人の間で決めるものではなく、チームでワイワイガヤガヤやりながら目標を形成していくことが重要とも書かれている。この過程で当事者意識が芽生えていくわけだ。そして最後の評価もチームで実践することも薦めている。
戦略目標と日銭目標のことまで書かれている。どの企業でも「あるある」のことだろう。
また、達成手段が60−70%見えていることがギリギリの背伸びの状態であり、これを目標するべきだと言っている。100%道筋が見えているものは目指すという意味の目標にはあたらないと言うことだ。
そして、数値目標、定性目標の設定の仕方や不確実性の高い分野での目標の立て方も書いてある。因果関係のない数値目標の過ち、クリエイティブ型の定性目標、具体化の方法など、マネジメント職は、一度、読んでおくと良いだろう。
外発的動機付けと内発的動機付けはコーチング理論であり、色々な書籍ででてくることが書かれている。結局、人に焦点をあてる。人に寄り添う。マズローの欲求が出てきたのは面白い。
各章の最後にある「まとめ」は振り返りのために役に立つ。まぁ、目次を見れば分かるんだけどね。
みんなハッピー
個人の軸と会社の軸があうように、下記図のように右上の枠に合うようになれば、個人もハッピーになり、会社の業績もあがるという構図ができあがる。そのためのMBO-Sであるということなんだなぁ。日々のフィードバックなど3つのコミュニケーションが必要だと述べられている
- 問題創造・問題解決のコミュニケーション
- 志のコミュニケーション
- 人間関係円滑化のコミュニケーション
自分自身、1番はちょっと足りないな。もっと率先して実践していかなくてはいけない。
『成長とは有能感の獲得』
『気づき』、『達成感』、『フロー体験』が成長の源であり、日々の小さな成功大変が、有能感を得る出発点となると述べられている。そして、人事評価の難しさの根源的理由は評価の公平性の担保の仕方が人類5000年の叡智をもってしてもいまだ見つからない
なるほど、5000年か! 数年で獲得できるほど甘いスキルではないし、完璧なフレームワークで誰でもが成功するほど簡単なものではないと。日々の小さな成功体験から有能感を得るしかないんだね。
哲学
『黒字浮上!最終指令―出向社長奮斗の記録』がこの著者の背中を押した原点だったと書かれている。欲しいものリストにアップした。今度、読んでみたい。そして、マネジメントには哲学が必要だ。哲学とは『深い思索と経験から導きだされた”信念”」であり、リーダーに哲学がなければ、言動はブレやすく、人々の信頼も得にくくなるだろう。一途な思いと愚直さで、自分を信じてマネジメントしていくしか方法はないのだろう。経験し、実践から学び続けるしかないんだ。
引用
難しく見せる技術に長けた人が人事評価で得をして、本当に困難にチャレンジした人が割を食う。人事評価の信頼性も地に落ちる。もしも、そんな状態が続くなら、働く人の心は荒廃し、確実に会社は衰退に向かうだろう。
仕事を進めるプロセスで、当事者と関係者が話し合いながら、試行錯誤的に仕事の質を極限まで追い求める。それが仕事の面白さを誘発し、自律性も醸成する。結果として、会社の業績が向上する。そういう仕事のやり方がMBO-Sが志向するクリエイティブ型目標の理想的な姿である。
2014年1月25日土曜日
質問力とは沿う力
斉藤さんの本は2冊目。文章が上手で引き込まれる。著者本人が教育者と自負しているように、否定のしようがないほど上手い。
質問力を『沿う技』と『ずらす技』の豊富な例や対談などのシーンを引用して、丁寧に説明してくれている。ただし、これを自分自身ができるようになるには、訓練が必要になる。意識して1つずつ練習するしかないだろう。テレビでの著者のコメント等を聞き流していたけど、意識しながら聞いてみようと思った。生きた教科書がある。
「できる人」とは、下記3つをもっており、社会で生き抜いていくために必要な力である。
- 教えられなくても自分でポイントを盗んで技をマスターする「まねる(盗む)力」
- これと連結する『段取り力』
- その上でようやくしたり質問できる『コメント力』
「質問できるコメント力」とは、簡単ではなく、日々の中で頻発することでしかスキルアップできないだろう。最近は、エンジニアとしてマシンを相手にしていた時間よりも、人と話している時間が圧倒的に多くなった。なので今の自分には、必達しなければいけない能力である。
講演等で質の良い質問をするには、ノートをとるついでに質問もメモする。5個くらい講演中に質問を書き留めておいて、ベストな1つだけを聞くようにすると、質の悪い質問をさけることができる。と書かれている。
これは、実践していた。確かに終わった後に質問を考えるよりかは、確実に質問をすることができる。ただし、質が高いかどうかは、今のところ自信がない。ただ、自分の中ででてきた、超くだらない質問は確かにカットできている。自分の中で出てきた質問が全て下らない可能性が高いかもしれないが....
『質問力』は状況や文脈を常に把握する力が試されていると言える。質問を聞けば、その人間が場の状況やそれまでの文脈をどれだけ理解していたかが即座に分かってしまう。非常に怖い指標である。
いやぁー本当だよ。でも、これを怖がっていたら、せっかくの質問タイムがもったいない。くだらない質問で時間をムダにすることももったいないが。
他人が苦痛になってしまうことは避けなければ行けない
と、書かれているので、この点を注意しながら、数をこなしながら質問力を鍛えるしかないのだろう。
文脈を外さず、キッチリと織物を織っていくように対話ができる能力は、練習すればほとんど誰でもできるようになる。磨けばのびる能力なのだ。だがこれができる人は、全体のなかでそれほど多くない。相手の経験世界と自分の経験世界を絡み合わせることなく、自分の経験だけを滔々と語る人が少なくないのだ。
人間誰しも、自分のこと、自分の主張だけを語るのが好きな動物なんだということを、どっかで読んだなぁ。他人が思うほど、相手は自分の話を聞いていないんだよってなこと。だから『沿う技』によって、相手を気持ち良くさせながら、相手の経験世界と自分の世界を川見合わせていくとお互いが気持ちよく、得るものがでてくるのだろう。
『あなたが今までの人生でインパクトを受けた○○を10個あげてくだい』文脈により○○のヴァリエーションを変えることで、その人の傾向がはっきり分かるという。でなければ、勉強不足であるし、アンテナの幅の広さや答えから奥行きをさしはかることができるという。これは確かにうなずいてしまう。審美眼が分かる訳だ。
クリエイティブな対話や新しい意味を生み出すためには、やはり右上の質問ゾーンを常に意識することが大切なのだ。
これを意識しながら質問を考えていこう。日々、毎日が練習となりそうだ。
「質問とは相手の状況、相手の興味、関心を推しはかり、自分の興味や関心とすりあわせてするものである」。と書かれているが、いやー事実。
引用
「引っぱってくる」技相手が少し舞えに言った言葉をもう一度、今の文脈に持ち出すという技
オウム返しの技一見、新しい意味を生み出さないようでも、次に新しいものを生み出す基盤作りが、こうした同調にはある。
相手と自分がいったいどこでつながっているのか強く意識しながら対話をすることが、いい質問を生み、コミュニケーション全体をいきいきとしたものにするのだ。
その人間がいちばん力を入れている部分をしっかり認めることがコミュニケーションには必要である。
自分の個人的な経験の話はできるが、他の人の経験に絡んでいけない。抽象化する力が少し足りないのである。もう少し物事を抽象的にとらえられれば、自分の経験と他人の経験のつながりを発見できるのだが、そこをつなぐ操作ができない。
比較対象をだすことによって、答えはより具体的になる。... 人によっては「時と場合によりますよ」と答えるかもしれない。「場合によるます」とか「微妙」と答えられると、次の質問をする気力がなくなっただろう。
2014年1月23日木曜日
達人アジャイラーの経験と知恵がここに。アルティメット・アジャイル・ストーリーズ イテレーション3
「アルティメット・アジャイル・ストーリーズ イテレーション3」読了。
アジャイルになることを実践している方々の試行錯誤の生の声があふれている。ヒントの宝庫だ。
それぞれの人が異なった切り口で書いており、どれもこれも、頷いてしまう。
また、アジャイルの原点などを再掲してくれたりするので、「あーそうだよね」って再確認することにも役立つ。
1人の著者によって書かれた書籍とは全く異なる面白さがある。シリーズ3作目だけど、継続ネタの著者もいたりして結構いい。
XP,Scrum,Leanなどアジャイルの形はそれぞれあるけど、それを取り入れただけで上手くいくものではないんだよね。
それを使う人によって、いかようにも変えられる。
野球やテニスなどルールやフィールドはあるけど、良い試合もあれば、最悪の試合もある。
これと同じように、決まり事がシンプルであればあるほど、そこに介入する人によって、柔軟に変えられる。
これは、選手目線(現場)、監督目線(マネジャ)、参加者目線(顧客)、で少しずつ異なるんだろうなぁ。でも最終的な価値を生み出す先に届くように活用していくべきなんだよね。
それぞれの達人が実践している試合、最高に面白い。
そして、ジム・コプリエンさん寄稿のボリュームと内容が圧倒的。
『ム』がここにもある。
日本って結構すごいじゃん。これらが日本人の暗黙の価値観にあるって我々のストロングポイントなんだよね。成果ということよりもこういった特性にもっともっと焦点をあてるには、逆輸入しかないのかなぁ。
各著者の感銘を受けた引用
「ユーザーストーリーマッピングによる期待マネジメント 市谷 聡啓氏」
コストや期間によるスコープ調整に没頭すると、いつの間にか見失っていることがある。なんのためにプロダクトを開発するのか、そのミッションは常に忘れてはいけない。
ユーザーストーリーマップ上で縦と横で表される面積が、プロジェクトでの実現範囲となる。この面積が全体として大きくなりすぎたり、偏りすぎないように、ステークホルダーと一緒になって調整するのが、ユーザーストーリーマッピングを用いた期待マネジメントである。
「関西人スクラムマスターがとあるチームと過ごした日々 中村 洋氏」
割り込みタスクをタスクボードに追加する際に、その優先順位をタスクボード上で表現しました。急ぎであればDoingレーンに近い側に、そうでなければ、遠い側という感じです。優先順位を決めるには、依頼者にそれをやる理由や期待する効果を説明してもらう必要があり、それをスタート地点として...会話が始まります。
...
(一度に変わらなくても)このように一歩一歩工夫して、改善していくことで、より成熟したチームに変わっていくことができます。
「だからリーンソフトウェア開発は難しい 藤原 大氏」
真の問題を解決する
作っているプロダクトに焦点を当てるのではなく、顧客がまさに遭遇している問題に焦点を当てる。
「アジャイルなチームのつくりかた 阿部 智紀さん」
『アジャイルだからこれをやってみよう!』このような言葉はチームの中で一切でてきません。
...目的がアジャイルになるとプラクティスを正しく行うことに注意が向き、結果、ユーザにとってもチームにとっても正しいことを行うことができなくなってしまいます。
「アジャイルの夢を実現する -チケット駆動開発で考慮すべき点 阪井 誠氏」
...マインドはアジャイル開発の重要な要素です。しかし、サーバントリーダーシップや自律的な組織、メンバーの能力を最大限に発揮するという考え方は、従来法での開発となんら矛盾しないものです。また、顧客への価値の提供もビジネスを継続するには、当然必要とされるものです。...アジャイル開発に依存しない、そのようなマインドの実現を目指したものがプロジェクトファシリテーションと言えます。
「チームビルディングで強いアジャイル開発チームへ 関 満徳氏」
チームの中で、メンバーがお互いに刺激し合ったり助け合ったりすることで、メンバーの知識や経験が蓄積され、チームとして強くなり、チームとしての成果つまり相乗効果が発揮できるようになります。
...グループとは特定の目的を達成するために集まった複数の人々、ただそれだけです。...一方チームとはグループの中でも協調を通じて、プラスの相乗効果を生んでいるものを目指します。
チームメンバーの一人ひとりが、チームビルディングを意識し、チームビルディングを続けることが、強いチームを作るためには必要です。
「マネジメントの昇華:数字のマネジメントからの卒業 大野 晋氏」
マネージャから伝えられたのは、『迷ったら変えろ!』という原則だった。マネージャの仕事は変えること!
「マイクロソフトのエバンジェリストがやってきた”アジャイル” 長沢 智治氏」
私は技術で壁を作ってしまうのは開発者にとって機会損失になるという思いをもっている小さな枠にとらわれず開発者のもっているポテンシャルを最大限に発揮してほしいのだ。そこにはきっと『アジャイル』がひとつのテーマになるとも思っている。
著者のリストは下記から見ることができる。
http://ultimateagilestories.web.fc2.com/bookcontents3.html
2014年1月19日日曜日
イーロン・マスク。同時代にこんな天才がいるなんて。
ペイパルの創業者のイーロン・マスク。宇宙ロケット、電気自動車、太陽光発電というどれもが国家規模の事業を1人でやってのける人間がいるなんて。もう言葉がない。
冒険家、救世主。地球を救うんだろうという期待を持ってしまう。
スタンフォードを2日で辞めている時点で、凡人とは全く異なる思考ロジックなのか?いや、当たり前のことを純粋に追いかけているだけなのかもしれない。
持続的イノベーションを打破するのは、新規参入の破壊的イノベーションなのだろう。これがまさしく当てはまる。
以下のTEDの動画で、この人の魅力が良く分かる。情熱はあるけでイヤミ感がまったくない。
TED: イーロン・マスク 「テスラモーターズ、SpaceX、ソーラーシティの夢」
テスラ社のロードスターの加速が良く分かる動画もアップされている。
すんんんんんんごい。
0−400m対決:ポルシェ『911』 VS テスラモーターズEVスポーツカー『ロードスター』
http://www.youtube.com/watch?v=NhABHId42Kw
夢の仕組み
地球の人口が70億突破
⬇
近い将来100億に届くだろう
⬇
二酸化炭素の増加で温暖化
⬇
地球以外の惑星に住まなくてはいけない
⬇
火星への飛行可能なロケットが必要
⬇
ロケットを作るためには時間がかかる
⬇
二酸化炭素による地球環境の悪化を食い止めるための延命が必要
⬇
排気ガスをまき散らすガソリン車より電気自動車
⬇
電気自動車の開発が必要
⬇
それを広めるには充電ステーションが必要
⬇
太陽光パネルでの充電ステーション
⬇
宇宙ロケット、電気自動車、太陽光発電
⬇
人類を火星に移住させる
引用
イノベーションの方法
過去に例のない新しいものを生み出す場合は、原理に立ち返って物事を見つめ直す姿勢が最も重要
挑戦と成果の間には、過酷な試練が待っているものだ。
人生もロケット開発も失敗は避けて通れない。大事なことは失敗から何を学ぶかだ。
失敗をしなければ次のステップには行けない。失敗から短時間で最大限の学びを得るのがシリコンバレー流だ。
人類史にもし、成功の法則があるとすれば、それは、『失敗で挫けないこと』だ。挫折して座り込んでいては、いつまでたっても成功には辿り着けない。
原則に立ち返ること、思考停止に至っては行けないこと、チャレンジには試練がついてくるということ、失敗から高速で学ぶこと、失敗を経験しとことのない者に成功は訪れないのだろう。世の中に敗北者達はたくさんいるのだろうが、勝利した人達は、諦めずに邁進するエネルギーを持ち続けていたのだろう。自分を信じることと執念かな。
リーダー論
『指揮官はまず楽観的であることが重要だ。指揮に自身と情熱と楽観の匂いがなければ、勝利はおぼつかない』ドワイン・アイゼンハワー
夢には1つの習性がある。フォローの風に乗るとドンドン膨らむが、アゲンストの風に遭うとあっさりしぼんでしまうことだ。この習性をよく覚えておかないと、夢は手に入らない。
リーダーの果たすべき役割は、『直ちに必要とされているものと、遠い将来に必要とされるものを調和させていくこと』だ。楽観的に振る舞うと同時に、中身は緻密に計算して、考え抜いているということと、それを実行できるだけの知能を持ち合わせているんだろう。稀代の天才だからなし得る技なのかも。
ピーター・ドラッカー
未来を手にする方法
『今』にしがみついて『未来』をあげつらうか、今を脱却し未来に光を見付けるか。
アイデアはあったのに、なぜ誰も作らなかったのか?『アイデアを実行することは、アイデアを思い付くより難しいからだよ』
『我々はここで未来を作っている』
行動力だね。価値を心底考え抜き、没頭することで未来を切り開く。「我々はここで未来を作っている」カッコいい。
21世紀のビジネス競争では、単品の性能をたかめるだけで勝利をつかむことは難しい。全体を取り込んだ便利で使いやすいシステムを生み出すことが成功の秘訣である。
組織
シンプルな設計は、組織構造のシンプル化という大きな相乗効果も生んでいる。...ロケット設計がシンプルでないと、組織まで肥大してしまう。...設計をシンプルにすることで、組織のオーバーヘッドを極めて軽いものに変えた。
新しい技術を開発しようという時は、縦割り組織では対応できない。技術は極めて高度に複雑化しており、『ここまでが私の組織の領分です』なんて線を引いていたら、『進化のジェットコースター』から振り落とされる。
一度組織を作ると、市場が変化したからといって簡単に変えることは困難だ。本来、市場が『主』であり、組織は『従』であるはずのものが、組織が『主』になってかわらず、市場の変化から取り残されて企業は潰れる
とにかく大きいことを言いたがる人は、現場の小さな仕事にはなかなか目が届かないものだ。逆に、小さなことしか言わない人は、大きな未来は目に入らない。されば、大きいことを言いながら、小さい仕事にまで目配りできる経営者は稀少であり本物だ。コンウェイの法則(『ソフトウェアの構造』は、それを作った『組織』を反映したものになります。」)を表現している。そして、組織構造は市場の変化に合わせて毎日でも変えたいと言っているユニクロの柳井さんの発言と通じるものがある。グローバルでトップを走っている経営者が考えることは一致している。徹底的に考え抜く経営者達の行動特性なんだろうなぁ。
ビジネス
お金は私たちの社会の必要なところへ流れていいく。カネを増やすことに知恵を使うのではなく、カネの使い道に知恵を使っていた。…人類を火星に送る宇宙ロケット開発こそまさしく価値のあるお金の使い方なんだ。たとえ、儲けが見込めなくても。
ここまで言い切ってしまうって、凡人には簡単なことではない。
あと、『フラッシュモブ』というワードをはじめて知った。このスピード感がシリコンバレーの現状を生み出しているんだろう。
2014年1月12日日曜日
ワーク・シフト 2025年の働き方。もっと早くやってくるよ。
リンダ・グラットンの「ワークシフト 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉」読了。
気になっていたところ「2013年ビジネス書大賞」(http://biztai.jp/prize.html)
に選ばれたということで、購入の背中を押してくれた。
「第1にさまざまな専門技能を次々と身に付けることを意識して行動し、第2に、いろいろなタイプの興味深い人達とつながり合うために、善良に、そして精力的に振る舞い、第3に所得と消費に重きを置くのではなく、情熱をいだける有意義な経験をしたいという思いに沿った働き方を選択する必要がある。」
第1のシフト
ゼネラリストから『連続スペシャリスト』
第2のシフト
孤独な競争から『協力して起こすイノベーション』
第3のシフト
大量消費から『情熱を傾けられる経験』へ
要素の一部はIT業界では既に広まりつつある概念だと思うのだが、一般のビジネスの世界では『比較的』新しい考え方なのかもしれない。
第1のシフトの『連続スペシャリスト』は、DevOps、グロースハッカー、フルスタックエンジニアなどコアの思想は似ている。
第2のシフトの『共創』は、wikipediaやオープンソース、ソーシャルコーディングなど、その実績は十分にある。
第3のシフトの『経験』はシリコンバレーのスタートアップの起業の熱量なんかじゃないのだろうか。時間に追われるのではなく、自分たちで自由な意思に基づく覚悟と、その時間を活用する生き方。
しかし、これを自分が実践するということは、まったく出来ていない訳で、その将来像を明確に定義してくれたことがスゴい。
ビジネス大賞に選ばれるということで、この概念がコモンセンスになるし、新しい価値観が世の中の常識になっていくことを期待したい。
企業のあるべき姿
「産業革命と違うのは、変化の影響がただちにグローバルに波及し、変化のスピードがこれまでになく加速していることだ。はっきりいえるのは、いま途方もなく大きな規模創造的・革新的変化のプロセスが本格的に始まろうとしているということ。そして、その大転換の結果、世界中の人々の毎日の生活が根本から変わるということだ。」
産業革命の原動力
石炭と蒸気機関という新しいエネルギーだった
これから起きる変化:5つの要因の複雑な相乗効果
- テクノロジーの進化
- グローバル化の進展
- 人口構成の変化と長寿化
- 社会の変化
- エネルギー・環境問題の深刻化
この変化に対応ことを前提に物事を考えるか、分からないとして思考停止するか、方法は色々ある。予測できるものは、仮説を立て、随時それを見直し、変化を敏感に感じ、方向修正していくことを、年という単位ではなく、もっと短いスパンで考え・行動する必要がありそうだ。
そして、やはり以下のような不確実性のワダイが出てくる。
「不確実がある以上、柔軟な計画を立てて、さまざまな状況に耐えうる強力なアイデアを追求するのが懸命だ。要するに不確実性を前提に戦略を練る必要がある。とはいえ予測の正確性を磨くこともおこたってはならない。」
アジャイルやリーンの概念がやはりここでも表現されている。計画主義より、コンパスを頼りに高速で経験していくということ。ユニクロの柳井さんが、「毎日でも組織構造を変えたい。なぜなら日々世の中が変化しているからだ」ということが脳裏によみがえってきた。アジャイルとかリーンとかの言葉を使うと拒絶反応をする人達がいるので、こういった引用を用いるといいんだろうなぁ。
この変化を管理的手法で考えていたら、人は自主的判断をせず、他人任せにしてしまう。その答えが「遊び」だ。
「創造性を刺激し、新しいアイデアを生み出す上で、遊びがきわめて重要であることは古くからよく知られている。...空想と想像をはたらかせて遊ぶことがイノベーションの核をなしている。...未来の世界で創造性を発揮するうえで最良の方法は間違いなく、仕事と遊びの境界線をあいまいにすることだ。仕事が情熱を燃やせる趣味であるとき、私達はもっとも充実した仕事ができる。」
最高に遊ぶ。熱狂的に遊びながらものを創る。こんなことをしながら世の中のスタートアップのサービスは出来上がっていくのだろう。クリステンセンのイノベーションのジレンマが、もう既にグローバルに起こっている。自分たちの業界だけでしか物事を考えていないと、一気に市場を奪われてしまう。管理的手法で計画的に8時間労働でサービスを作る業種や分野も多く存在するだろう。しかし、Webの世界では、経験的手法で熱量をもったハスラー達が浸食を忘れ、熱狂的にコ・クリエーションしている。そんなサービスと戦うのではなく、共創していくことを強く認識しないといけない。
自分ブランドを築く方法
3つのタイプの人的ネットワーク
- ポッセ(同じ志をもつ仲間)
- ビッグアイデアクラウド(大きなアイデアの源となる大人数のネットワーク)
- 自己再生のコミュニティ(リラックスできる友達)
高い価値をもつ専門技術の3条件
- 価値を生み出せるか?
- 希少性があるか?
- まねされにくいか?
と書かれている。
企業自身も、それぞれの個人も、これらに注力していかないといけない。
なぜなら、
- 多様性が単一文化を凌駕する
- 学習と成長の機会が得られること。刺激をお互いに与えられる人達と仕事をすること。
- 管理よりコーチングを求めている
つまり、以下なのだ。
「新しい未来を切り開くためには、これまでの固定概念、知識、技能、行動パターン、習慣などを根本から『シフト』する必要がある。」
『資本論』のマルクスも、仕事は受動的な生産と消費のプロセスではなく、積極的な自己実現のプロセスであるべきだと、考えていたらしい。そして、この本では、『カリヨンツリー型』のキャリア形成をしていくとこが重要だといっている。カリヨンツリーってなんだと思ってググってみた。
なるほど、線形のキャリア形成ではなく、色々な分岐や多様性を自分自身として磨かなくてはいかないということなのだ。
NHKの大河ドラマの『八重の桜』の八重の人生に似ているなぁ。
- 鉄砲を学び
- 大学を作ることを
- 看護婦としての学ぶ
一生学び続け結果を出している。
そう言えば、この学ぶ仕組みはオーストラリアに存在してた。大学院やTAFEという仕組みが存在しており、費用がほぼかからない状態で生涯学習ができキャリア形成を何歳でも実現できるし、そのキャリアを企業も求めている。
在籍していた大学院にも多くのミドルエイジの人々が学んでいた。結構簡単に学びに来て、簡単に辞めていっちゃうのは、問題だと思っていたけど。
日本がそうなるには、まだまだ時間がかかるだろうが、グローバルでは既に起こっている。日本では、同じ方法ではなく、違う方法で実現しなければいけないのかもしれない。
2014年1月11日土曜日
「大地黄金」そこにいるあなたが大地を黄金にするのです
「心配事の9割は起こらない: 減らす、手放す、忘れる『禅の教え』読了。
枡野 俊明氏の書籍を初めて読んだ。禅の深さ。究極。
きっかけは、Agile Japan 2013
http://www.agilejapan.org/2013/program.html#02
枡野 さんの講演
「柔軟心 (にゅうなんしん) と庭園デザインにおけるユーザーエクスペリエンス」
を聞き深く心を動かされ、ずっと気になっていた方だった。
新聞の広告で出会い、ぶらっと入った本屋で再会。これは購入しろとの神のお告げ。
購入して良かった。
時間を主体的につかうことの大切さ
『汝は12時に使われ、老僧は12時を使い得たり』実際にこれをやってみた。30分早起きする。その30分。新鮮な空気を吸い、小鳥のさえずりを聞き、いつもよりゆっくりしたペースでワンコの散歩をする。出勤までのほんのささやかな時間にお茶を『ゆーーーーーーくり』飲む。それから出勤。贅沢だった。本当に贅沢。これを日々の習慣にしよう。もしかしたら最高にカッコいいのかもしれない。
早起きをして、部屋の空気を入れ替え、季節ごとに変わる戸外の景色を見ながら、大きく深呼吸する。...風が運んでくれる小鳥のさえずりや木々の葉の色の変化に気づいて、完成が刺激され、磨かれることにもなるでしょう。ゆったりと食事のあとのお茶やコーヒーを味わっているうちに、朝の清々しさが身体にも心にも取り込まれます。...なんと『贅沢』な朝だと思いませんか?
大地黄金
たとえそこがどこであれ、いまいるところ、自分が置かれている場所で、精一杯尽くす。すると、その場所が黄金のように輝いてくる。隣の芝生を見てもしょうがない。他人や他社をうらやむのではなく、自分の力でそれを実現する。リアルな映像を描き、それに対してスモールステップを踏んでいく。まだまだ黄金には輝いていないけどね。
光輝く黄金の大地があるのではありません。そこにいるあなたが大地を黄金にするのです。自分には合っていないように感じても、やりたいこととは違っていても、『いま』『そこ』で就いている仕事が『あなたの仕事』なのです。
いま、そこで、本気で取り組まないでいて、いったいいつなら、どこでなら本気になれるのでしょうか?
冷暖自知
実践する中で経験を積み重ねて、体でわかる、つまり、『体感』することで、自分にとって正しい判断ができて、もちろん、行動もついてくるのです。知識だけでは『ものさし』を持つことはできないのです。おー、これは、勉強会で出てきたことと同じだ。@garden_treeさんの言葉に通じるものがある。体験し、それを星として、軸として、絶対的なものとして持つということ。連チャンでこのようなことに触れるということは、今、意識の扉がそこに向いているんだろう。面白い。
「3年前の僕へ」
http://www.slideshare.net/garden_tree/3-28080469/136
引用
余計なことは調べない
どんなにたくさん情報を集めたって、『したいこと』も『生き方』も見つけることはできません。やはり自分の心の中に見つけることしかない。『心の置きどころ』をしっかり定めて、その心に問いかけてみるということでしょう。
八風吹けども動ぜず
そのときどきに、それぞれの風邪が吹いているだけのこと。ですから、どの風も自然に受け止めたらいいのです。自然に受け止める、ということは、真摯にその状況と向き合うことだといっても良いでしょう。真摯に向き合うためには、目を外側の『誰か』に向けるのではなく、内側の『自分の心』に向けることです。
起きて半畳、寝て一畳、天下とっても二合半
人間とは、いってしまえば、それだけの存在なのです。
柔軟心
やわらかい心、しなやかな心で生きなさい。
流れに任せるというのは、ただ流されるままになることとは違います。流れの方向を見定め、速さも読み切って、そのうえで、むやみに流れに逆らわず、みずから、すなわち、『頑固たる自分』として流れとともにゆく。
七走一坐
失敗の原因を素直に認識し、『これは非常にいい体験だった。尊い教訓になった』というところまで心を開く人は、後日、進歩し成長する人だと思います。
本来無一物
人間は本来、なにひとつもたずに生まれてきたのだ、それが人間の本来の姿なのだから、執着するものなどどこにもない
2013年12月23日月曜日
「ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく」読了。共感。
感想
小さな成功とか、今日という一日を猛ダッシュとか、繰り返すとか、マネジメントの本に書かれていること、私の好きなアジャイルの世界での価値観みたいなことが書かれている。成功するために試行錯誤すると、こういう考え方がいたるのだろう。大目標から、日々の一歩へのブレークダウンや元エンジニアから経営者になったからなのだろうか、スゴく共感できる。私自身もその行動特性を見習いたい。
大きな成功を夢見て、そのときの状況を臨場感もって想像し、その時の笑顔や喜びをゾクゾクするように考える。未来を見る。未来から考える。そのために一歩を踏み出す。そんな未来基準で物事を考える著者のマインドに共感しまくる。
引用からの感想
■我慢から楽しくするための方法論
働くことを何かを我慢することだと思っている
⬇
我慢と引き換えに受け取る価値
⬇
それだと人生ネズミ色
⬇
仕事は人生の中で多くの時間を投じるもの
⬇
それを我慢の時間にしてしまうのは間違っている
⬇
お金から自由になる働き方
⬇
多くは自らの労働をお金に換えてはいない
⬇
多くは費やす時間をお金に換える
⬇
時間が無尽蔵に湧き出れば問題ない
⬇
どんな人にも1日は24時間
⬇
プライベートが相殺される お金とはもらうものではなく稼ぐもの
⬇
時間以外に提供可能なリソースを持っていない人は、ほどなく淘汰されていく
⬇
仕事が忙しい、お金がたりないといった悩みは表層的な問題
⬇
人生が豊になっていかない根本原因は「時間」
⬇
儲けるために働くのではなく、お金から自由になるために働こう
⬇
やりがいとは、「見つける」ものではなく、自らの手で「つくる」もの
⬇
仮説をたて、実践し、試行錯誤を繰り返す
⬇
能動的なプロセスの中で与えられた仕事は「つくり出す仕事」に変わる
⬇
やりがいをつくるのも自分なら、見失うのも自分
⬇
どんな仕事も楽しくできるのである
⬇
好きの感情の前に、没頭という忘我がある
⬇
没頭しないまま好きになるなどありえない
⬇
没頭するには、自分の手でルールをつくる
⬇
目標を定める
⬇
そのルールづくりでは、遠くを見ないこと
⬇
ギリギリ達成可能なレベルを猛ダッシュ
昔のボスが評価面接の時に私に言ってくれた言葉と全く同じである。経営に限らず、自分で行動を起こしている人が持つ価値観なのだろう。この歳になって、ようやく分かるようになってきた。あのときから少しは成長したんだろうなぁ。昔の自分が恥ずかしい。
■変わろうとすること
「失敗して失うものなんて、たかが知れてる。なによりも危険なのは、失うことを恐れるあまり、一歩も前に踏み出せなくなることだ。」しがらみにキョドっているのだろうなぁ。スゴく分かりやすい例えが載っている。今、読んでいる「脱デブスモーカー」に通じね。殻を破るということ、脳内バリアを破るということをいつも考えているが、まだまだ足りない。ゼロのままだ。足していかないといけないよ。
「もし、あなたが『変わりたい』と願っているのなら、僕のアドバイスは1つだ。ゼロの自分にイチを足そう。小さな成功体験を積み重ね、自分の殻を打ち破ってきたからだ。」
「なかなか行動に移せない人がいる。...そういう人は、僕が女の子にキョドっていたように、仕事や人生に怖じ気づいているのだ。仕事にキョドり、人生にキョドっているのだ。」
■成功する方法から考える
「突き抜けられる人と、そうでない人の違いは、次の一点に尽きる。意識重要。私はまだまだ、突き抜けていない。自分自身の文脈の中から脱出できていない。浮くんだろうなぁ、さらに。世の中からしたら全然なんだろうけど。
物事を『できない理由』から考えるのか、それとも「できる理由」から考えるのか。それだけだ。突き抜けられるかどうかは能力の差ではなく、意識の差なのである。」
■なんでもやる
「やりたいことは全部やれ。人は「ここでいいや」と満足してしまった瞬間、思考停止に突入してしまうのだ。」これは常々思っていること、何でもやる。グロースハッカーを読んだときと同じ刺激を受ける。今までの社会人人生でも何でもやってきた。でもこれって、みんな拒否するんだよね。1つを極めたいんだろう。それもある意味正解。多様性が重要であることを尊重しよう。色々な価値観と能力がある人が集まった方が強いのだから。
「経営を経験しておくと、その人のビジネススキルは飛躍的に向上する。会社員を何年続けても到底身に付かないような、仕事の本質を見抜く力だ。」
「『チャンスに飛びつく力』のことを、向上心とか目的意識とか、そんな堅苦しい言葉で語りたくはない。もっとシンプルな、人としての「ノリのよさ」だと思っている。フットワークの軽さ、好奇心の強さ、そしてリスクを承知で飛び込んでいける小さな勇気。それらの総称が『ノリのよさ』だ。」
■仲間ということ
「仲間とは、孤独や寂しさを埋め合わせ、傷をなめ合うために存在するのではない。互いの能力を補完し、ひとりでは実現できない夢を、みんなでかなえる。そんな他者のことを、仲間と呼ぶのだ。」そんな多様性をもった仲間が集まった時、大きなパワーを生み出す。これは会社である必要はなく。すべての組織に当てはまる。補完し合う仲間、刺激し合う仲間、自分にできることで貢献する仲間、そんな場所に身を置いていたい。
■一歩ということ
「あらゆる人の一生とは、... 小さな選択の積み重ねによって決まってくるのだ。」
「挑戦・努力・成功
挑戦と成功の間をつなぐ架け橋は、努力しかない。作業に没頭し、はまっていくしかないのである。」
「経験とは、経過した時間ではなく、自ら足を踏み出した歩数によってカウントされていくのである。」
成功するためには、まず最初の一歩を踏み出す勇気、挑戦しようと思わないと何も始まらない。下記の名言が頭をこだまする。
「この道を行けばどうなるものか、危ぶむなかれ。 危ぶめば道はなし。踏み出せばその一足が道となる。 迷わず行けよ。行けばわかる」アントニオ猪木。
■人は事実だけでは動かないということ
「僕はひたすら「ファクト」だけにこだわってきた。言葉で説明するよりも、目に見える結果を残すこと。余計な御託は抜きにして、数値化可能な事実を指し示すこと。あいまいな感情の言葉より、端的な論理の言葉で語ること。それこそが、あるべきコミュニケーションの形だと信じきっていた。しかし理詰めの言葉だけでは納得してもらえないし、あらぬ誤解を生んでしまう。そればかりか、時には誰かを傷つけることだってある。」
これは、最終的に経営が人に焦点をあてなくてはいけないということだろう。人間は感情で動く生き物。同じことを言うにしても理詰めより自己コミットがなければ、短期結果は出せるが、長期的に見れば失敗に終わる。いかに人と共感を得られるか、信頼を得られるかが、全てのフレームワークや仕組みの根本にあると、私は思っている。
■閉塞感の打破ということ
「政治家やリーダーの役割とは、...「空気」を変えていくことはないかと思っている。不況という名の空気。閉塞感という名の空気。そして、根深く蔓延する「できっこない」という空気。... これまで以上にガンガン働くし、情報発信にも努めて行く。シンプルに考え、決断の痛みも正面から引き受けていく。...自分の頭で考えて、自分の一歩を踏み出そう。あなたの一歩が大きなうねりとなって、社会全体を動かしていくのである。」
私自身、「文化」という単語を用いているが、空気という単語の方が共感を得られるのかもしれない。他人を変えることはできない。自分自身が行動し、発言し、結果を残していかないといけない。痛みも伴う。人はこの痛みを受けることを嫌がる。成功も遠ざかる。喜びも遠ざかる。何をもって成功かは、人それぞれ異なるが、成功したければ挑戦するしかないのだ。一歩を踏み出すしかないのだ。
2013年12月22日日曜日
「グロースハッカー」読了。これはマーケティングの本だよ。でも良いよ。
感想
エンジニアの本だと思って衝動買いしたんだけど、原著のタイトルを見てびっくり。マーケティングの本だった。しかし、読んでみると、ベンチャーがビジネスを成長させるためのマインドの本である。
Dropbox,Groupon,Evernote,Hotmail,Airbnb,クックパッド,Paypalなど、これらの会社が行った成長させるための離れ業を紹介してくれている。
従来のモノを造ったあとに膨大な費用をかけたマーケティング方法ではなく、お金がないベンチャーが製品を成長させるための活動、事業を常に成長させていくためのあらゆることを考え、最善な方法を試し、実行し続けることがマーケティングなんだと言っている。
口コミやバズ効果によってユーザーがユーザーを連鎖反応で生む成長マシンの自己増強型スパイラルを構築していくための方法論をトライしながら実践していくために何でもやる人達のことをグロースハッカーとしている。
ホルスティー・マニフェストが口コミでの拡散の成功例としてあげられている。書籍の中の図の脚注見るとアジャイルで超有名な平鍋さん。すごい。ここでも活躍されているんだ。
http://blog.holstee.com/post/44219872401/almost-two-years-ago-two-members-of-the-holstee
書籍で紹介されている黒板ポスターがあるんだ。
https://twitter.com/hiranabe/status/223612444113780737
引用からの感想
「製品開発とマーケティングを完全に別のプロセスとして行う方法はもう古い。」
「グロースハックとは、製品自体を数百万人の顧客にリーチする自己永続マーケティングマシンにすることだ」
「インターネットとソーシャルメディアのツールを使えば追跡とテストを繰り返せるし、マーケティングを改善できる。そうすれば、従来のギャンブルが必要なくなるだけでなく、そうしたギャンブルがとんでもなく非生産的であることがわかる。」
「マーケターの仕事は、手にした製品をそのまま扱うのではなく、製品に取り組み、改良することなのだ。マーケティングのあり方は完全に変わる。記者やユーザーに対し、共感を呼ばない製品をひたすら宣伝するだけという時代は終わった。」
はじめの方の章で、旧来のマーケティングのムダとスタートアップのマーケティングの効果の差ややる意義などを紹介している。このあたりはマーケティングのことが強く書かれている。人々に認知され、ユーザーへと変えていくための方法であるとすれば、それをマーケティングと呼ぶべきだと言っている。
口コミを期待するのであれば、以下の3つがまず存在するかのタフクエッションをしないといけない。
- 顧客がこの製品を話題にする理由はあるだろうか?
- この製品には顧客が人に勧めたくなるような工夫がしてあるだろうか?
- そもそもこの製品には話題にするだけの価値があるだろうか?
「PMFへの到達はマーケターの仕事だ。...企業はPMF達成のためにできることをすべて実行する必要がある。人を変え、サービスを修正し、異なる市場に参入し、やりたくないことは顧客にノーと言い、...とになく必要なことはすべてだ。」リーンスタートアップの書籍などにでてくるproduct market fitの成長施策がマーケティングであり、グロースハッカーの業務であるということだ。このようなマーケター&エンジニアが世の中では必要とされている。
「圧倒的な成功事例をいきなり引き当てることは難しい。大事なのは、数字を測定する基盤を作り、仮説を立て、検証可能な施策のアイデアをたくさん出し、どんどん実施して検証していくことにある。」改善するための基盤を作り出そうとするところがハッカーなのだろう。グロース&ハッカー。名前の由来が分かる気がする。
「エンジニアがグロースハッカーとして活躍する機会が飛躍的に増えてくるだろう。「ハッカー」という言葉がそもそもエンジニアであることを前提としているように、サービスの企画から開発まで一手に引き受けることができるエンジニアが、今後はどんどんグロースハッカーとして台頭してくるだろう。」旧来型の役割が決まっている縦割りの仕事よりも、なんでも出来るエンジニアや、マーケティングにも何でも興味のある人材が、今後のグローバル社会では絶対に役に立つと思っていたし、そういった思考で行動してきた。こんな風に言ってもらえると、勇気がわいてくるね。
「予算のない新興企業が編み出した奥の手から注目のマーケティング手法へと位置づけが急激に変わってきています。」既存の業種を壊すのは、常に新しい人種であり、資金がないからゆえに、工夫に工夫を組み合わせてトライしていくマインドが世の中を前進させるのである。
2013年12月15日日曜日
「社員を大切にする会社」読了。 Employees First, Customers Second.
感想
従業員数93,000名、総売上高63億ドルのグローバルIT企業HCLテクノロジーズの改革の話である。http://www.hcljapan.co.jp/company/index.html
こんなにも大規模な会社で、これらのことが実現できるなんてトップの変革者魂はどれだけ広く深いのか想像すらできない。まさしく自分が目指す像がここにある。
この書籍に書かれているフレームワークに合致しないとか、自分たちには当てはまらないとかを直ぐに考えがち。
だけど、試行錯誤の繰り返しのためのツールとして、結果的にこれらが生まれてきたのであって、これらだけを、単に実践しても上手く行く訳がない。文脈もことなれば、制約条件も異なる訳だから。
根本思想を理解して、仲間と信頼関係を作り、やってみて、改善しようとするチームワークとそれぞれのリーダーシップが重要なんだ。それらのヒントがこの本にはある。
印象に残ったセンテンスに感想
「アクセルを踏み、加速するということは、問題の嘘をばらすことができる手段のことである」その問題が出た時点でそれらの問題を解決すれば良い。振り子を最大限に逆に振ることでメンタルモデルの除去を実際にやっているが、この方法も確かにいいね。
「従業員が目標にできるようなビジョンを打ち出すことだった。過去を振り返った時に目に浮かぶ情景よりも、はるかに心を惹き付けてやまないイメージ。心動かされ、これから何が起こるのか興奮してやまないイメージが」臨場感のあるリアルなイメージが大事なんだよね。過去からの延長ではなく、未来をたぐり寄せるってことだよね。前のブログに書いたなこれ。
「何よりもまず、全組織内で信頼を築く方法を見出さなければならない。私を経営者として信頼するだけではない。ある戦略を信頼するだけでもない。お互いを信頼できることが必要だった。信憑性、信頼性、親密さ、自己志向性」これは、ここ最近気付いたことと同じだ。どんな方法論を試したところで、信頼関係やチームビルディングができていない関係性では、何をやっても空回りに終わる。奇跡的に結果が伴えば、徐徐に変わるだろうが、まず大事なのはお互いの信頼関係なんだよね。これができればどんなプロセスや手段でも、ポジティブスパイラルに自分たちで改善することができるから。
「お客様を軽んじることではありません。当社の優れた人材の能力を引き出すことです。彼らがみなさんの課題に身を投じ、それを実現する者、推進する者となることです。」これは、アジャイルのビジネス価値を最大にするというところに通じる。ポッペンディークのリーン三部作に出てくるサウスウェストやP&Gの事例と同じなんだよね。成功する企業が気付いていること。
「従来の観念をはるかに超えるほど、透明性を推し進めなければ、信頼性は生まれてこない」メンタルモデルを打破するためには、難しい。自律神経がノイズキャンセレーションを発揮してしまう。「はるか」ってのは、自分の想像する以上のことを実施しなければならない。
「SSD(スマートサービスデスク)」バリューゾーンを最大化するためのチケット型の社内課題解決の仕組みだが、それがあるだけで上手く行くわけではない。パターンの発見や、問題の深堀分析をしないと、SSDには意味はない。問題解決とチケットをひたすら処理することは全く異なる。これをキチンと説明しないといくらこなしても意味がない。
「結果を隠すのは悪い結果を開示するよりも好ましくない。」信頼関係のためには、多分そうなんだろう。しかし、最初は悪いことばかりが目に付き、心が折れてしまうのではないかなぁ。360度調査は、改善に繋がる第一歩。汚点としてではなく、成長できる機会と捉えるような文化が必要なんだよね。まぁ。継続してやってみよう。
「ツールそれ自体に、組織へ影響を与えるほどの力など本当にあったのだろうか?そうは思えない。むしろツールが発するメッセージ、その副次的効果のほうがずっと大きかった。」この部分は、なかなか分かってもらえないんだよね。直線的な結果を何よりも気にするから。短期的な結果よりも長期的なそれを築くことができる文化の育成の方がどれだけ難しいことか。ツールはこれらを実現するための触媒でしかないことを。
「私が知りたいのは、彼らが私と私のプロジェクトのために、求められている以上のことをしてくれるかということです。契約にない内容のことでも喜んで知恵を貸してくれるのかどうか、自分の前存在をわれわれの仕事に投入してくれるのかどうかですよ」これが、本当の顧客との関係なんだろう。こんな関係が顧客とできている会社ってどれくらいあるのだろうか。どんな業種でもこんな関係性をみんな求めているのではないだろうか。そのために出来ること。それは、ポチること。うん。あれだ。
「知識経済やサービス経済は複雑を極め、CEO、もしくはCEOの職も含め、企業のいかなる個人や部署もすべての知識を掌握することは不可能である。CEOは実際に知識を持っている従業員が卓越した業務ができるようその支援に励むべきであって、不完全で不正確で、おそらくは古くなった知識に基づいて、自分で意志決定などするべきではない」21世紀のリーダーシップでドラッカーが言っていることと全く同じこと。知識労働者が如何に働きやすい環境を整えるかで生産性は成果物のクオリティーは全く異なってくる。なぜなら、肉体労働者ではないからだ。
これらの命名があるっていうのが面白い、手段に名前を付けることで、みんなが同じイメージを持ちやすいコモンセンスが生まれるんだよね。愛着も湧くし。
- EFCS(Employees First, Customers Second)
- ブループリントミーティング
- 「はい、でも」マネージャー
- U&Iポータル
- アカウンタビリティの逆転
- 360度調査
- バリューゾーン
- ハッピーフィート
- ピラミッドの逆転
- クモからヒトデ
- 踊るCEO
- EPIC調査(employee passion indicative count)
- 変革者(トランスフォーマー)、喪失者(ロストオブソウル)、傍観者(フェンスシッター)
引用
変革の必要性が生まれても、変化したいという意志と実際に変化するという行為との間には、しばしば大きなギャップがる。
バリューゾーンと呼ばれる実際に顧客に価値を創出している現場の人たちを支えていないという点である。知識経済におけるサービス提供会社では、このバリューゾーンはしばしば階層型組織の奥底に埋もれてしまい、最大の価値を創造する人々はその奥底で働いている。
彼らの才能を発揮させる1つの方法は、参加しやすい文化を築くことだろう。従業員をもっと参加させるには、信頼の文化を築かなくてはならず、そのためには、さらなる透明性が必要になる。
2013年12月11日水曜日
祝100冊突破。まだまだ少ない。3倍くらいが望み。
おー。2013年、100冊達成していた。
http://booklog.jp/users/araratakeshi/chart/2013
知識を貯め込むだけでなく、実践して、経験値として、自分の文脈でアウトプットしていかねば。
いつもコミュニティのみんなから有形無形の宝物を貰っている。自分にできることで何かリターンができればいいなぁ。
後半の読書量が減っている。まぁいっか。
沢山の著者の人の経験をまるごと頂いている。感謝感謝感謝。
2013年も、あと3週間、何読もうかなぁ。時間ねぇだろ!!
http://booklog.jp/users/araratakeshi/chart/2013
知識を貯め込むだけでなく、実践して、経験値として、自分の文脈でアウトプットしていかねば。
いつもコミュニティのみんなから有形無形の宝物を貰っている。自分にできることで何かリターンができればいいなぁ。
後半の読書量が減っている。まぁいっか。
沢山の著者の人の経験をまるごと頂いている。感謝感謝感謝。
2013年も、あと3週間、何読もうかなぁ。時間ねぇだろ!!
2013年12月7日土曜日
「まんがでわかる7つの習慣」読了。エッセンスはマンガでも。
意欲、知識、スキルが必要でそれを習慣によって定着させ、真の成功へと変えていくことが大事。
そして、緊急・重要の2軸の考え方がでてきた。この習慣を身に付けることはこの多様でスピーディな世の中では必須の能力なんだろう。
そして、緊急ではないが重要なことが人生の栄養になると書かれている。これは筋トレと同じで、習慣化するしか方法がない。
http://ja.wikipedia.org/wiki/近江商人
主体的
「与えられた環境でどう振る舞うか」組織のメンバーであれば、必ずそこには文脈がある。その文脈の中で、受動的になるか能動的になるかは大きくことなる。文脈のなかで自分自身でリーダーシップを発揮し、その文脈の枠を超えて新たな価値を生み出すことは可能だと思う。難しいけどね。組織は会社員であろうがなかろうが、いきている限り存在する。そこにプラスアルファをどれだけ付加できるか、それも面白いだろう。結局、自分商店の判断は自分でするしかない。
ゴールの意識
「閉塞感や倦怠感たっぷりだけど、それを捨ててまでやりたいことがあるかと考えてみたら、結局自分には何も見つからなかった」多くの人が当てはまるはずだ。自分も多分同じだと思う。ただ、それを他責にしているかぎり、何も進歩しない。まず、他人軸や他人価値観ではなく、本当に自分自身が何をやりたいのか、自分自身と向き合うことしか解決策はないだろう。自分が子供のころ何をするのが好きだったのか、よく考えることがある。無邪気に楽しめること。自分自身にタフクエッションしてみるか。
「マネジメントはリーダーシップがあって初めて意味がある。時間調整やタスク管理などは、目的が明確だからこそ必要になってくる行動だ。まず目的は何かを考える習慣を付けよう。そして目的に向かって自分を導くリーダーシップを常に意識しよう」まさしく、そうだよ。管理だけではダメなんだ。リーダーシップが必要、牽引する論理と熱量が同居していないと。
「コヴィーは中心に置くべきなのは『原則』だという。公正さ、誠実、勇気などの原則は、普遍的で価値を失うことがない」松下幸之助氏、稲盛一夫氏と同じだ。どっちが先か後かは関係なく、このレベルにいる人達が身につけている価値基準なのだろう。私利私欲のために行動している人間には、人を「永続して」リードしていくことが出来ないということなんだろう。
優先順位
「『時間管理』という言葉そのものが間違っているという考え方だ。問題は時間を管理することではなく、自分自身を管理することだからだ」ここは難しい、時間に追われる生活をしていると、こうなってしまう。でもこの考え方を知ったことがまず一歩として重要である。
そして、緊急・重要の2軸の考え方がでてきた。この習慣を身に付けることはこの多様でスピーディな世の中では必須の能力なんだろう。
そして、緊急ではないが重要なことが人生の栄養になると書かれている。これは筋トレと同じで、習慣化するしか方法がない。
win-win
「勝者がいれば敗者がいると考えるのは間違い」「三方良し」これも過去の日本の経営概念だよね。さらに上をいくwin-win-winだけど。自分の箱をでないことには始まらない。
http://ja.wikipedia.org/wiki/近江商人
傾聴力
「人は話すことに快感を感じる生き物なんだ だからみんな自分の快楽を優先してしまう」正論だけでは、人は何も行動に移さない。共感が大事なのである。相手の話に感情移入して相手の目の奥の心を見て、相手の想いを半分こしてみることをトライしてみよう。「半分こ」は尊敬する人の言葉。借用借用。
シナジー
「本当の意味で効果的な人生を生きられる人は、自分のものの見方には限界があることを認められる謙虚さを持ち、心と知性の交流によって得られる豊な資源を大切にする」自分の価値観とは異なる多様性を認めることから始まる。これには謙虚さが必要で、なかなか難しく、排除しようという言動に走ってしまう。1+1を2以上にさせていく、防衛でも妥協でも説得でもなく、相乗効果を出すにはお互いが最高に面白くなる空間を作り出すような、子供の秘密基地感覚をマインドに持つことが、今の時代にはあっているのかもしれない。バンド感覚ということばが、MOVIDAの孫泰三さんやYahoo!の宮坂学さんも言っている。積極的にトライしてみよう。
刃を研ぐ
これが習慣の意味するところか。忙しく日々に謀殺されてしまうと、草刈りばかりしていて、カマの刃が錆びてくる。刈取ることと同時に自分の刃を磨く努力を同時にしないといけない。それには、筋トレ習慣が大事だ。人間はその簡単なことが一番難しいんだよね。当たり前のことを当たり前に継続してできること、それも能力の1つなんだろう。「爆速経営 新生ヤフーの500日」今年1番かもしれない共感
組織の大小に関わらず、変わらなくてはいけないと思っている人は、読んでみるべきだ。
トップみずから、実践していることが何よりも重要だと実感した。
音声と映像が一致している、つまり、言動が一致しているから説得力が増す。
それは経営陣が本心から思い、自ら決めたことを自ら実践しているからこそ、言葉に生命が宿る。
意外なものはあまりなく、ただ、こころを動かすプラスアルファが宿っている。その当たり前のことをあたり前に、徹底的に自分たちの考えていることをオープンにし、熱量をもって実践していくことに、人は共感され、動かされていくのかもしれない。
そして、社内の一体感というものは、文言やスローガンという仕組みで構築できるものではない。リーダーシップの言動の結果が、単に文字として表現されているだけだ。言動から溢れ出るリアルな表現が存在しなければ、言葉を定義したとしても、全く意味のない誰も見ない額縁ができあがるだけである。
ゲームのルールが変わった時、それに追従するには、事業基盤が盤石であればあるほど、対応できない。イノベーションのジレンマのことを実感している現場がそこにある。やっぱり、クリステンセンは、すごいや。社内に伝わっているだろうか。伝わっていないんだろうなぁ。残念だな。方法論を変えないと。
その自律化にはオープンとルールが必要であるという。権限委譲することでスピードある意思決定が現場現場で実践されていく、マイクロマネジメントしていたらスピード感を出すことは難しいということを教わったということだ。
そのリーダーには、意思決定させるチャンスを増加させ失敗をさせる、一国一城の主であるという経験をすることでリーダーシップは磨かれる。今の自分がそうなんだと思う。
動画のことが出てきたが、これは下記のことだとすぐ分かる。
自分もとても大好きな内容だ。改革者はマイノリティーであるということ、フォロワーが重要であり、キャズムが存在する。
メンバー全員が言葉だけでなく、同じ空間を共有してベクトルを合わせることが大切という考えはXPプラクティスにも通じる。
原理原則で動かすということは、松下幸之助氏や稲盛和夫氏の書籍にも出てくる哲学である。
トップみずから、実践していることが何よりも重要だと実感した。
音声と映像が一致している、つまり、言動が一致しているから説得力が増す。
それは経営陣が本心から思い、自ら決めたことを自ら実践しているからこそ、言葉に生命が宿る。
意外なものはあまりなく、ただ、こころを動かすプラスアルファが宿っている。その当たり前のことをあたり前に、徹底的に自分たちの考えていることをオープンにし、熱量をもって実践していくことに、人は共感され、動かされていくのかもしれない。
そして、社内の一体感というものは、文言やスローガンという仕組みで構築できるものではない。リーダーシップの言動の結果が、単に文字として表現されているだけだ。言動から溢れ出るリアルな表現が存在しなければ、言葉を定義したとしても、全く意味のない誰も見ない額縁ができあがるだけである。
「群議長くすべからず」トップが誰にも手を出せないことをスピード感もって、実現、行動すれば、それが文化になる。志が必要で、それが行動指針のルールとなっていく。
イノベーションのジレンマを実践している
業界でトップを取るには、同じことをやっていても資本やユーザー数を確保している企業には勝てない。ゲームのルールを変える必要がある。ゲームのルールが変わった時、それに追従するには、事業基盤が盤石であればあるほど、対応できない。イノベーションのジレンマのことを実感している現場がそこにある。やっぱり、クリステンセンは、すごいや。社内に伝わっているだろうか。伝わっていないんだろうなぁ。残念だな。方法論を変えないと。
リーダーシップ
マイクロマネジメントよりも、能力のある人に任せるということはドラッカーの21世紀型リーダーに通じる。その自律化にはオープンとルールが必要であるという。権限委譲することでスピードある意思決定が現場現場で実践されていく、マイクロマネジメントしていたらスピード感を出すことは難しいということを教わったということだ。
そのリーダーには、意思決定させるチャンスを増加させ失敗をさせる、一国一城の主であるという経験をすることでリーダーシップは磨かれる。今の自分がそうなんだと思う。
動画のことが出てきたが、これは下記のことだとすぐ分かる。
自分もとても大好きな内容だ。改革者はマイノリティーであるということ、フォロワーが重要であり、キャズムが存在する。
デレク・シヴァーズ:「社会運動はどうやって起こすか」
www.ted.com/talks/lang/ja/derek_sivers_how_to_start_a_movement.html
組織論
組織の閉塞感、社内調整、過度なリスク回避、風通しの悪さ、当事者意識の欠如、階層化された構成員、安定志向が、活力をなくす。メンバー全員が言葉だけでなく、同じ空間を共有してベクトルを合わせることが大切という考えはXPプラクティスにも通じる。
原理原則で動かすということは、松下幸之助氏や稲盛和夫氏の書籍にも出てくる哲学である。
チャレンジ
「10倍挑戦して、5倍失敗して、2倍成功させていく」チャレンジとは、大きさだけではない。回数を増やす、スピードを出すのも、意味のあるチャレンジとなる。不確実なんだから意思決定の早さが重要だという、まさしく層である。大きさだけに目がいっていたが、この基準がなかった。
「誰からも嫌われない会社とは、熱烈なファンやユーザーを持たない会社と同義である。経営の八方美人も裏を返せば、特色のない、退屈な会社になりかねない」これは会社に限らず人間に当てはまるのではないだろうか、個性と呼ばれているが。退屈な人間になっているんだなあ。俺は。
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