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2018年12月23日日曜日

世界から心理的安全性が消えたなら


最近、脳内でリンクした概念をツラツラと。

「問題 vs われわれ」


ホワイトボードやアナログでタスク管理をする際に、よく出てくるキーワード。

「問題 vs われわれ」

いま、現場で起こっている問題をチーム全員で倒していくという構図をつくること。
例えて言うならモンハンでモンスターを狩りにいく構図と同じというとわかりやすいだろうか。(ちなみにモンハンやったことない)

決して、「あなた vs わたし」の対立構造で、問題の犯人探しや責任の追求・押しつけ合いをするわけではない。

ホワイトボードでのコミュニケーションの優位性は、アジャイルソフトウェア開発(p.124)のアリスターコバーン氏の「コミュニケーションの効果」の図が有名ではないだろうか。

「ホワイトボードに向かった2人」が、コミュニケーションという「場」において、ほかのスタイルよりも効果が高く温かいと言っている。

多くの人は、この構図の元となるスキルを、言葉を話すことができない乳幼児頃(生後9か月)から手に入れ始めるらしい。
そのスキルのことを「共同注意」というらしい。(脳科学辞典より)

共同注意と三項関係


共同注意とは、対象物に対して、他の人と似たような認識をするスキルと言ってもいいんじゃないだろうか。脳科学辞典の定義は下記の通りだ。

定義:共同注意とは、他者の注意の所在を理解しその対象に対する他者の態度を共有することや、自分の注意の所在を他者に理解させその対象に対する自分の態度を他者に共有してもらう行動を指す。

そして、これらの関係性を「三項関係」という。




二項関係では、乳児は物体を操作している時に近くに人がいてもそちらに注意は向かず(図A)、人と関わりあっている時は近くに物体があってもそちらに注意が向かない(図B)。一方、三項関係では、乳児は物体を意識するだけでなく、同時に大人がその物体に注意を向けていることを意識するようになる(図C)。
(脳科学辞典より)

ある対象への注意を他のメンバーと共有する共同注意は三項関係の一つであるとのことだ。末尾に記載した参考サイトにわかりやすい例が掲載されている。

例:「バナナを見ること」を例にして考えてみます。共同注意が成立しているということは「お母さんがバナナを見ている」そして「お母さんとおなじように私もバナナを見ていると気づいている」という状態のことです。

そして、共同注意を向けさせる方法は2つに区分できると。
「命令的共同注意」と「叙述的共同注意」

1. 命令的共同注意
自分が欲しいものを他者に伝えようとする要求の指差しなどの行動である
(例:手の届かない食べ物を指差す)

2. 叙述的共同注意
自分が他者に見てもらいたいものを他者に伝えようとする叙述の指差しなどの行動である
(例:遠くを飛んでいる飛行機を指差す)
相手の心的状態の推測をより必要とすることから高度な社会的認知能力が関わる
(脳科学辞典より)


朝会やふりかえりなどで付箋紙を使いながら、メンバーの目線を付箋紙に集めるときを思い出してほしい。
どちらかの意図が含まれているのではないだろうか?
ファシリテートする際に、助けを求めるためだったり、課題感を共有するためだったり、共感を促すためだったり、その背景は少しずつことなるだろう。

あ、スーパーマンだ!指をさすとみんながそっちを向くように、付箋紙を指でさし示すということが重要なんだ。
乳幼児期から手に入れているのに、ホワイトボードの前では、できてない現場が多いのではないだろうか。

心理的安全性


しかし、誰かに怒られる、上司に悪い評価をされるという「場」では共同注意を促す行動や表明は難しいだろう。
安心して、指差しをするためには、心理的安全性が重要になってくるわけだ。

心理的安全性をGoogleで検索すると下記のような定義がトップに出てくる。
「心理的安全性」とは、英語のサイコロジカル・セーフティ(psychological safety)を和訳した心理学用語で、チームのメンバー一人ひとりがそのチームに対して、気兼ねなく発言できる、本来の自分を安心してさらけ出せる、と感じられるような場の状態や雰囲気をいう言葉です。

Googleのre:Workが有名であり、またアジャイル界隈ではJoshua Kerievsky氏のモダンアジャイルの「安全を必須条件にする」にも同じ概念が通じる。
こういったことが文化として根付いていることがソフトウェア業界だけでなく、創造性高く、モチベーション高く仕事をしていく上では欠かせないだろう。

創造的なパフォーマンス志向の組織


それを後押しするように、書籍LeanとDevOpsの科学(P.40)には、協力体制と情報伝達と責任に関して、このような特徴が記載されている。



不健全 or 官僚的 or 創造的

あなたは、どんな組織文化で働きたいだろうか?


  1. 不健全な権力志向の組織
  2. 官僚的なルール志向の組織
  3. 創造的なパフォーマンス志向の組織


私は間違いなく、3番目。図の中の一番右だ。
協力体制が確立し、情報伝達に熟達し、リスクを共有する組織文化。
この状態になるためには、共同注意や心理的安全性が重要な要素になっていくだろう。

しかし、組織文化は1日では変わらない。地道にいろんなプラクティスや共感やスキルUPに時間をかけて投資していくしかない。理論と実践とを繰り返しながら。自分たちで発見していく旅。
組織内で理想をかたり、ビジョンをかたり、価値観を表明しあいながら。


最後に


共同注意は生後1年弱から身につけはじめていくスキル。その他にも、こどもの頃に身につけることや親から教えられることが多くある。
  • 何かをもらったらお礼を言うこと
  • 悪いことをしたら謝ること
  • 外から帰ってきたら手を洗うこと
  • 自分は害がない人間であると表明するために握手や言葉で自ら挨拶をすること

単純だからこそ大人になっても忘れてはいけないことなんだと思う。

しかし、私自身は、それを他人に押し付けるつもりはなく、ただ、ただ、堅苦しくなく、相手にもそれを感じさせることがないように自然にできるような人になっていたい。

イキイキと人間らしく創造的に社会に貢献するために、これからも組織文化を考えて行きたい。

創造的なパフォーマンス志向の組織を、心理的安全性のもと、共同注意を。

まずはアナログのホワイトボードや付箋紙を使いながら朝会やふりかえりのプラクティスと一緒に。

アジャイルやスクラムはその入り口を与えてくれる。
先人たちやコミュニティーの仲間から教わったり、それを次の世代に伝えたり。

ひとりでも共感している人が世界にいることを信じて。もう少し、あと少し。一歩ずつ。

数年後、世界から心理的安全性という概念が消えるくらい当たり前に。
「昭和や平成の時代には、そんな不健全で官僚的な組織が普通だったんだね。歴史の授業で習ったよ」と次の世代が安全である恩恵を受けられるように...ポエム。


このエントリーは『DevLOVE Advent Calendar 2018 』の23日目(2018年12月23日)の記事でした。

参考

このブログ記事を書くにあたり下記から引用させていただいた。



2014年3月1日土曜日

勉強会参加メモ:DevLOVE「Lean UX の現場 Designing Culture〜文化をデザインする」


日時:2014/02/28 (金) 19:30 - 21:30
URL:http://devlove.doorkeeper.jp/events/8856
場所:マンサード代官山 1F Theatre CYBIRD
講師:坂田 一倫氏
概要:Lean UX の現場。アジャイルはUXの夢を見るか?
LeanUXで扱うのは、デザイナーと開発者が上手くチームとして働けるための原則やマインドセットです。それは、アジャイル開発とUXデザインが組み合うための最初の一歩と言えるでしょう。果して、LeanUXが現場にもたらすものは何か。皆さんで考えてみましょう。




場所は、超奇麗なシアター。CYBIRDさんにお邪魔しました。






講演スライドもいち早く公開されています。早い!!

Designing Culture with Lean UX
-ルールではなく文化をつくる-



感想

Lean UXの書籍を早速買って読みたくなってしまった。UXのことだと思っていたが、それだけではなく、文化の醸成のことが書かれているという。ルールではなく、文化を育てるのだと。自分の周りを振り返ってみると、顧客に真の価値を提供するよりも、単なる成果物を生成するということに価値観が置かれている。なのでスゴく耳が痛い。頭では分かるのだが、周りの価値観に流され、自分もその中の1人となってしまっている。実際に行動に移せていないのは、分かっていないのと同じこと。アイデアを発想することに意味はなく実現することに価値があるという、本日の講演に出てきた話題と同じだ。

ドラッカーのMBO(目的管理)の話が出てきた。先月読んだ「目標管理の教科書」にもでてきたことに通じるものがある。ただ、MBOの後ろにself-controlが付き、自己統制が必要である。つまりアジャイルで言うところの自己組織化で、内発的動機付けを重視するということだ。組織・チームで成果を出すためには、変化の激しい世の中の中では、トップダウンによる官僚的なプロセス管理では追いつくことができない。そのために、市場の状況に合わせて、フィードバックループを回し、学習から成果を出していく仕組みと、それと同時に、顧客に一番近い現場で意思決定を行えるようにする必要がある。これは、ドラッカーの言う21世紀のプロフェッショナルの働き方だろう。今週読んだ、「アグリゲーター」にも同じことが書かれていた。

「目標管理の教科書」に関しては過去にこんなの書きました。
http://araratakeshi.blogspot.jp/2014/01/blog-post_3703.html






また、文化の醸成のために、可視化を至る所で行い、透明性を維持するというのは、まさしくそう思った。
ホワイトボードや廊下でも構わないので、各KPIや数値目標などを表示しておくことで、何か安心感や応援したくなる気持ちを醸成させる。これが組織の壁を打破するため、越境の第一歩だと思う。

講演の中での下記は、スゴく響いた。
「無駄をなくすことが目的ではない。目指すはリーンボディ。無駄のない筋肉質。結果として無駄が省ける。目的は無駄を省くことではない。」
日本人は得てしてプロセスを磨くことに注力してしまう。零戦の甲板の裏がピッカピカに磨かれていて、スピードなどの性能が格段に優れていることに、かつ、日本人のエンジニア力の高さに、米国のエンジニアは驚愕したという。それと同時に、このような部分最適化では、絶対に戦争に勝てるはずもないと思ったという。
我々は盲目的に部分最適を目指してしまうDNAを持っているのかもしれない。しかし目指すのは、無駄のない筋肉体質の肉体である。この言葉と、ダイエットの例えは分かりやすかった。無理なダイエットでは、確かに長続きはしない。リーンの全体最適化を常に考え、そもそもユーザーの抱えている問題を解決することに重点を置くようにしたい。

私自身、日々、社内で文化の育成に力を入れている。周りからはKPIや数値で計測することがカンタンではないので、そこを求められる。しかし、気にしてばかりいると一向に進まない。できることを一歩ずつ、前進することを心がけ、多方面にご迷惑や協力を依頼し、色々な企画やイベントを社内で開催していくしかない。活性化している気がするが、それは自分が過去と比較した結果であって、他のメンバーはそれほど感じていないのかもしれない。ここのギャップは、計測しようがないなぁ。それでも、自分の信じる方法で前進するしかないのだろう。
そんな勇気を貰った講演でした。本当にありがとうございました。



文字お越しをつらつらと


19:40 - 20:20 「Designing Culture〜文化をデザインする」坂田 一倫氏


ハッシュタグは、書籍等に関わらず、日本のLeanUXに関係することは、#LeanUXja

ルールではなく文化をつくる
組織文化をつくる

そこに左右されない文化を作ろう

お客さんに優れた製品を提供したい。UXの視点から双方に関連した考え方

2014.1.22 O'Reillyから発売された

こめた思い

日々、ニュースが来る。

IT業界の変化は恐ろしいほど速い。
2013年を振り返るった絵にまとめている。PS4、XBOX

企業価値が2倍や半分。すごく特徴的な年だったのでは。
流れが速いからこそ、流行にまどわされず、本質を。
サービスを提供している会社はどうあるべきか。
これを込めた。

実現している企業はあるのか?ある。
米国 Yahoo!メリッサ・メイヤー。驚きの変革を見せる

物理的に場を一緒にいることが良い。
ヒンシュクをかったけど、在宅勤務を止めた。
ノマドワークがはやっているさなかで打ち出した。

三人よれば文殊の知恵。協力的になることで素晴らしいアイデアが生まれる。
アイデアを組み合わせることで、より良いものになる。

文化のデザイン。ノマドから協業によって、創造性より協業性をとった。
株価74%あがった。
離職率も減った。

LeanUXと親和性がある。
企業の本質は、そもそも文化である。

マインドセットとは、文化のデザインにもなる。

ドラッカーにも通じるものがある
ドラッカー:MBO(目的管理)で人々の生産性を上げる

この本の中で提示されている手法は、企業の課題、気づいていない課題を表面か。それを答えに導いてくれる本である。本来のものづくりに焦点をあてられる。

LeanUX Thinking
代表的なものを4つ
1.どのようにつくるか、ではなく、どのようなものをつくるか?
2.問題解決。そもそもユーザーの抱えている問題を解決することに意味がある。
3.「足の引っ張り合い」から「助け合い」文化の醸成へ
4.中間生成物主体の文化からの脱却。


1.どのようにつくるか、ではなく、どのようなものをつくるか?
文化をつくるのと一緒。ルールを作るかではなくね。夢を実現するためにどのような文化にしなくてはいけないかってことにフォーカスしている。

どうやってUXするのか
HCD:10年以上も前に提唱された。
Human Centered Design: Research->Concept->design->develop
評価を繰り替えして回していく
これは、ISOでも定義されて型にはまっている。普及されている。でも沿おうとするとリサーチしないといけないって、そしてプロセスに従おうというプレッシャがかかる。本末転倒。

アイデア:市場でリサーチして、コンセプトをつくって。。。ゼロベースのアイデア発想ではない。

着実に実現されないと、アイデアには価値がない。実現されて価値がある。どうやって実現するかに意味がある。

HCD IN LEAN UX
Concept->Research->design->develop
リサーチとコンセプトが逆になった。
スタートがアイデア。それを実現するためにどうすればいいか。なのでアイデアの実現性が高まる。
自由な発想から創発的なことが可能になる。

2.問題解決。そもそもユーザーの抱えている問題を解決することに意味がある。
「問題解決よりも、問題の発見と定義」に重きを置く。
問題解決を優先してしまうと、問題とその定義の質が間違っていたら無駄になる。

定義された問題、発見された問題の質が高かった。成功する要素。

歴史を振り返る。
人間中心設計はハードウェア業界から始まった。
Why:Business ここでLean Startup
What:Development アジャイル開発。親和性の高い領域でものづくりを
How:Usabilityユーザビリティの根底にはったHCDを取り入れた。ユーザビリティを改善するために取り入れられた。

問題解決というのは、開発やデザイナと一緒にやっていたけど、そもそも解決したいのはなんだっけ?なぜ作るのか?

3.「足の引っ張り合い」から「助け合い」文化の醸成へ
デザイナとエンジニアで仕様書と違う等のイザコザがあり、その状況に遭遇していた。協調性を維持すること。透明性を維持する。
打ち明かす。これを一目でわかるようにする。

メンバーの1人一人、自分の領域の殻にこもって生産性をあげるように作業することが多い。一番の贅沢はチームが一体のなって作ること。
組織の断片化、分節化が原因なのでは。橋渡しとしてのドキュメント。お互いが孤立してコミュニケーションしている。メールとドキュメントでね。
目標が課されるので、サービスの目標を達成するより、部署目標を優先させてしまっている。

アジャイル要素
ペアリングやアイデアの幅を広げ、質を上げる努力が必要。中抜きでチーム間のフィードバックが速くなる。質を上げることを可能にする

4.中間生成物主体の文化からの脱却。
ドキュメント等の文化を止めよう。

Dave McClure
Customer don't care about your solution,  they care about their problems. 
「顧客はどんなサービスを提供しようと関係ない、顧客自身の課題しかみていない。」
何のために作るのか、という観点を持とう。ドキュメントではなく、お客様のソリューションに関連するものを作っていく。
結果として無駄がなくなっていく。

Lean
無駄をなくすことが目的ではない。
目指すはリーンボディ。無駄のない筋肉質。
結果として無駄が省ける。目的は無駄を省くことではない。

中間生成物のドキュメントを省く。
ドキュメントなどの位置づけが変わる
ガイダンスのためではなく、記録するための資料として位置づける。
脱却は、なくすではなく、位置づけを返るってこと。

ユーザーからしたらどんな文化があろうが、製品があろうが関係ない
サービスというのはインターフェース。コミュニケーションをデザインすること。
顧客とチームの人のコミュニケーション手段である。
何を作るのではなく

最終的なメッセージ
LeanUXマインドで部署間の壁を壊し、新たな文化を築いていきましょう。
マインドセットって何で必要なの?
企業は運用改善や効率をあげようとする。部署間の連携やコミュニケーションが少なくなっていく。
部署間の壁を4つのマインドセットで改善していく。

LeanStartup成長のエンジン
LeanUX学びのエンジン
 ユーザからの学び
 チームからの学び

学びの軸を設定する。どういう観点で学ぶ。

CPS Hypothesis
Customer: Who has the Problem?
顧客は存在するのか?

Problem: what is the pain point?
お客さんが抱えている課題は実在するか?
きづいているか

Solution:what is your solution?
対象のサービスやプロダクトは問題を解決できるか

これを学ぶことによって、改善し、共通の目的に向かっていく。
共通言語ができコミュニケーションができる。

方法論
Solution:LeanCanvas
Customer:ペルソナ ニーズや不満点
Problem:ストーリーボード 6up sketches シーンの一コマ
どうやってお客様の課題を解決しているのか?
想像と違うのであれば、検証すればよい。実験を促すためのエンジン。サービスとしての確度があがっていく。1回で終わるものではない。項目の前提を洗い出して、成長させる。
これはあくまでもスタート。それぞれテンプレートがある。部署が関係なくビジネスの特徴で、これらのS、C、Pで書いてもらう。前提を聞いてみると、確かめたいという衝動に掻かれる。
ユーザーの声が会社を動かす。ドキュメントではない。

Lean UX in Practice
作ることを目的ではなく、
何をつくるんでしたっけ?
学びが重要。
リリースは実験するもの。
学びを促すための仮説を構築する。
ビルドを先にするものではない。無駄をなくすことを目的にしていないのと一緒。

職種や歳、国籍は関係ない。
ピッチにて、こういう経験をした、この課題がある。これをみんなで考えていく。
2日でできるのに、企業で3ヶ月かかるのがばかばかしくなる。プロトタイプはこの感覚でつくる。
最終的な問い。週末やハッカソンでやっている。本来のものづくりってこうだよね。
コミュニティで本来のものづくりを追求していく。
マインドセットやツールを手に取って、前提の洗い出しをやってみて、文化を築いていければいいのではないでしょうか?


20:20 - 21:00 オープンディスカッション


質問 納期が短く決まっていた。いつまで仮説検証を繰り返すのかが難しかった。向いている、向いていないProjectがあるか?
ユーザーと接点がなくても学べる。つくることと出すことの期日が決まっているのであれば、そもそも、誰が作るのかが決まっていれば。検証を効率的に行うために、3つの指標をキッチリ設計する。
学びをビルドした後に持っていくということをオススメする。

質問 Leanで進めていく。KPIのどこに引っかかる。説得が難しいという気がする。感想や考えを教えて?
KPIが定められていて、定めていても、別の方法でってこと?このKPIを上げることが決まっていて。Leanで担保できるか?
部分的になると思う。上げていきたい対象が何個かあると思う。
そのキッカケがあると思う。どのコマがそれにあたるのか、そのシーンにあたるのか、そのために3つの軸をもって検証する。
サービスの理解とそこのニーズにフィットしていることの確認が必要。KPIは事業視点の言葉。ユーザー視点の言葉に変えていくと必然的にLeanのようになる。

質問 新規サービスをローンチした。ブレストが大好きだったけど、みんなの意見の無難なところ集めになってしまっている。8人くらいでした。
ファシリテーションが大事。バランスチームという発想。3人で一チーム。関係者はいっぱいいる。アイデアを3つであらわす。
 ビジネス
 デザイン
 開発
この3つでバランスチーム。この3人でブレスト。自由度があったとしても、2時間はやってられない。時間制御でアイデアの質があがる。10個書いて、2つに分ける。いるといらないに。隣の人が破る。アイデアが生み出しやすくなる。納期や市場などもあるので、3人が一番思うものを意思決定する。トップダウンで意思決定もあるだろう。使う人やユーザーの誰に響くのか、その仮説を確かめていく。違うアイデアになるかもしれない。そのためにピボット。アイデアのピボット。短時間で実施する。

質問 捨てたアイデアの行き先は?
その時点では捨ててしまう。愛着があると改善はできない。たたみ方を仕方をしらないと成功しない。捨てるって、腹を括ると次のアイデアが生まれやすくなる。

質問 どんな時にLean思考にであったのか?
LeanStartupに出会ってから。起業法だと思っていた。無関係だなぁ。エリックが日本に来た時に、親近感を持った。HCDやUXの人が一緒に登壇していた。
スタートアップは時間や資金が限られている。彼らは限られているこそ、価値をユーザーに理解してもらうためにユーザーエクスペリエンスデザインが重要なんだ。
リーン思考を学んでいこうと思った。


質問 ドキュメントをリアルタイムではなく、記録のため。実際の現場で、どのタイミングで記録に残しているのか?
ドキュメントは一番最後。リリースする直前。QAの期間。一番最後の行程。

質問 ドキュメントの記録の期間は確保しているのか?
開発やデザイナはやる暇がないので、マネジャ達がやっていた。いなければリリースした後。ベストは直前。


質問 LeanでMVP。適したビジュアルのデザインのコツは?
デザインの方法になるが、デベロッパーと一緒に作ってしまう。ツールによって変わると思う。口頭でフィードバックしながら設計。二人三脚でやっていく。
全体的なデザインのトーンを揃えるにはCPSを検証する際、3つの軸、仮説が揃った時点、ターゲット、利用シーンが共有できたときに、
ムードボード:デザインの方針を作成したり、ブランド方針を決めたりして、それをMVPに入れて、印象調査をする。

質問 Lean UX 開発者には有用。逆にデザイナやユーザーリサーチャーには、時間も取れない。ドキュメントも書かれない。発揮できることが少ない。脅威を感じている。うまくやっていくには、どうしたらよいか?
デザイナからすると、日本と海外でスキルセットが違う。日本はビジュアルデザイン。米国はインタラクションまで含まれる。
米国では、デザイン以外のスキルセットがあるので活躍する場が増えている。
日本では、そのマインドセットが一番大事で、一度、デベロッパーと席を近くにしてコミュニケーション大事。途中成果物を見せて、一緒に考えるなどの働きかけが重要。
3つの仮説を検証するときにユーザーリサーチャーは活躍できる。課題の聞き方は価値を発揮するだろう。誘導尋問にならないテクニックはつかって、直面する課題を発見できるだろう。
ドキュメントは伝えるためにある。評価してきた段階でチームでリサーチしたインサイトを伝えるようなことをすれば、ドキュメントがなくても、やって成果を伝えられると思う。

質問 文化を根付かせる時の障壁と、施策を教えて?
2つの方法。アプローチ。
政治と実践プラクティス
1.政治:役職や社長。意思決定社を動かす情報を与える。
上は時間がない。接点は持っていると思うので、ユーザーとの設定をビデオで流す。忙しいので、お客様が利用しているシーンを見たことがない。声や表情を見る機会がない。
組織を動かす原動力はユーザーの声。
プロジェクトルームに、記録や写真を壁中に貼る。人が歩くと気になる。1個1個見て、気にしてもらう。PostITで書いてもらう。他の部署の人も意見をくれる。
2.実践プラクティス:小さなチームでやり始める。ものづくりは他部署との連携が絶対必要になる。同じ共感を持ってもらう。たとえどの部署でも同じ課題意識で動けるような文化を作っていく。

質問 間違えてもいいんだよって言っても、最初に間違えるというハードルが高い。こんなことをやっていていいのかの雰囲気の打開方法?
間違いを許容する文化を作るには、他の方のものを提示して、恊働的にやっているということ。自分1人ではなく。
みんなを巻き込んでやるのが大事。思い込み」が良い言葉で、正しい、間違いは関係ない。これを書くことで、改めて確かめてみる。そして確認して新しい発見をする。
共通認識を持てる。1回でもできれば成功だと思う。学んだことを反映しているかは、個人によるが、やったことを見てみて、定期的に見たりする。働きかけをしてみる。
思い込みを排除してみんなでやっていくことを醸し出す。
実験:構築
仮説:要件
学び:検証
言葉を変えるだけでハードルが下がる。空気を作りやすい。

質問 リーンで進めるなかで、世に出すために、検証ばかり繰り返してばかりいる。最小限で世に出してしまう。どっちも課題がでてくる。どっちが良いか?
出して、検証することが良いと思っている。直面するMVPの設定がカギを握る。ミニマムだすのは良くないと思っている。ランディングページを出しても原因が分からない。
MVPをペラ1ではなく、商品を見れるようにして、買うという仮ボタンをつくった。
そこまでをMVPにした、仮説を作った。その答えば出してみて直ぐ分かった。仮説の精度と答えを導きだす道や、そのためのMVPなのかという設計をきちんとする。
バイアブル:実用可能性。ユーザーが作っていけるという判断ができるもの。
動画は強い。使うイメージがある。次に何をしたらいいか、次のアクションをさせて上げる。見た後に何をするかを提示してあげる。
使ってみたい、課題が楽になるのかなぁ。次のステップが明示されていないと使われない。
興味の先を提示して上げる。サインアップをしてより、ソーシャルで接点を作る。
ダミー購入ボタンでコミュニケーションするのも大事。


もし、公開NGのことなどありましたら連絡ください。修正します。誰となく。






















2014年2月25日火曜日

会社を辞める必要なんてない。「1万円起業」さっくり読める起業の本。




「1万円起業 -片手間で始めてじゅうぶんな収入を稼ぐ方法-」読了。

感想

もよりのAYUMI BOOKSで、第2位だったので、ついつい買ってしまった。後悔はないなぁ。

大きなビジネスではなく、マイクロビジネスを企業する方法と成功事例を紹介した書籍である。
・会社を辞める必要もない。
・情熱を傾けられるものから始める。
・心の迷いや不安が大敵なだけである。
・考えすぎて足踏みをしないように。
・もし、成功すれば続ければ良いと。
ただ、それには、ある程度、方法論があって、それがこの書籍に書かれている。例えば、計画で未来を埋めすぎないために、A4用紙1枚にビジネスプランをまとめる方法だとかだ。
スタートアップの書籍に書かれているような方法論や、顧客との関係性や、ビジネスになりうるかどうかなども、柔らかい文章と実際の成功者の言葉で補いながら、読みやすく書かれている。目次がそれを表している。
 1.気がつけば、起業家
 2.さあ街で売ろう
 3.利益を増やす次の一手


マイクロビジネスがうまくいく「たった3つのルール」として、最初の1つが「共通部分を探す」ということだ。自分の得意分野と市場のニーズの共通部分が大きければ大きいほどビジネスとして成り立つというわけだ。

以下の成功者の言葉は、心に響いた。

「結果がどうあれ、このビジネスを始めたのは正解でした。ビジネスを軌道に乗せるために費やした労力、努力、そして犠牲は十分報われましたから」

「ええ、毎日。いちばんいいのは、朝起きたときよりももっとワクワクしながら眠りにつけることです。来る日も来る日も、私は自分が夢中になれて、私だけでなく他の大勢の情熱もかきたてる仕事をつくることに専念しているんです」



引用


行動計画は働かずに済む方法を教えるのではなく、よりよい仕事をするためにある。目指すのは他人が喜んであなたにお金を払いたくなる価値あるものをつくり上げることだ。

めずらしいのは、その4つのささやかな能力が1人の人間に集まったことだ。価値ってものは、そうやって生まれるんじゃないかな

宇宙飛行士は、ずば抜けた能力あって、どこかに欠点があるよりにも、どんな分野でも平均的である方が採用されるというのを思い出した。
山崎直子さんだったかなぁ。この能力がずば抜けてたと。スーパー平均人間って。でも宇宙飛行士になるくらいなので、もともとの平均が高いんだろうけどね。
Tokyo FMのAvantiだったかなぁ?



価値

価値とは「人々の役に立つこと」だ。マイクロビジネスを立ち上げたいと考え、誰かの役に立とうと努力しはじめるなら、あなたが進んでいる方向は正しい。

大切なのは「価値」は消費者が感じる「感情的な必要性」に結びついているということだ。売り手はよく、「私たちの商品の特徴は...」と語るが、客が受けるベネフィットについて語る方がはるかに説得力がある。


(情熱+スキル)x (問題+市場)=ビジネスの機会

情熱やスキルだけではなく、課題や市場ニーズやなどをしっかり考える必要があるということも書かれている。はじめは趣味でも良いのかもしれないが、成長させる方法や、KPIを持つことやそのタイミング等もしっかり書かれていた。



勘違い


「人に魚をとってやれば、その人は一日生きられる。魚の捕り方を教えれば、その人は一生生きられる」というものがあるが、これがすべての元凶だろう。
腹をすかせた漁師が相手なら、このことわざは正解だ。しかしビジネスにおいては、これではうまくいかない。ほとんどの顧客は、魚の捕り方を習いたいとは思っていない。1週間休みなく働いた後でレストランにいくのは、何もかもやってもらいたいからだ。

どこでも仕事ができるという誘惑に目がくらんで、野心あふれる起業家の多くは、「仕事」よりも「どこでも」という部分に注目しすぎている。「どこでもできる仕事はなんだろう」と考えて、ビジネスを始めようとする。これは順序が逆だ。

旧式のマーケティングは「説得」に基づいているが、新しいマーケティングの基本は「誘うこと」だ。

魚の例えは、良かったなぁ。これを勘違いしていては、ビジネスとして成り立たないのだろう。

著名人の引用文

情熱が君を動かすなら、理性に手綱を握らせておけ
ベンジャミン・フランクリン





2014年2月24日月曜日

あ、「伝え方が9割」なのか!


自己中心的ではいけない、伝えるには共感が必要である。

「伝え方が9割」読了。

最寄りのAYUMI書店で第3位だったために衝動買いしてしまった本だ。
世の中にある心に残るコピーを、独自の視点で分析した方法がかかれている。表紙を開いたページにある超縮小版は、思い出すためにはスゴく良い。

以下の3章構成になっている。

  • 第1章 伝え方にも技術があった!
  • 第2章 「ノー」を「イエス」に変える技術
  • 第3章 「強いコトバ」をつくる技術

第1章で、伝え方には、誰も教えてくれなかったけど方法論があるということを説明し、第2章で、一日に平均22回のお願いをしているらしいので、それをイエスと言ってもらう確率を上げる技術について、そして第3章で「コトバエネルギー」で人の感情を動かすということを述べている。


コトバはもともと相手に届けるために作られたもの。どれだけ正しくても、届かなければ役割を果たしません。古き良き言葉を守る、ということを続けることはカンタンではありません...でも言葉というのは、変化しつづけるものです。言葉は...これからも変化しつづけるでしょう。


「ノー」を「イエス」に変える技術の答えは、相手の中にあります。... 「お願い」は、あなたのコトバではなく、あなたと相手の共作なのです。あなたのハッピーと相手のハッピーをいっしょにつくりあげることなのです。... この技術は、決して楽勝で人生を過ごす技術ではありません。そう思った瞬間、うまくいかなくなります。これは相手のことを想像する技術、言い換えれば、相手への愛情を表現する技術です。

人は規則では動きません。人を動かすのは「感動」です。

伝えるということは、1人ではできないのだ。相手がいるから伝えるという行為が発生する。つまり、答えは自分の中にはないんだなぁ。相手の中にある。どれだけ相手のことを思いやれるかが重要なんだろう。そうなのだ!相手の中なのだ!自己中心的であっても言葉は届いていかない。



「相手の好きなこと」、「選択の自由」、「チームワーク化」、「サプライズ法」、「ギャップ法」、「赤裸裸法」を使ってみよう。






2014年2月12日水曜日

紺野 登さん監修の書籍に感動「脱でぶスモーカーの仕事術」にやられる


なぜ、正しいとわかっていても、実行できないのか?

この第1章のタイトルで、もう、やられる。
課題解決する際に『分析』や『洞察』ではなく、『強い決意』しか意味がないと述べている。ここにこの書籍の本質がある。
そして、読み進めると、下記のセンテンスが出てくる

あなたにとって最高のダイエットとは、あなたが続けられるダイエットだ。

あきらかなことと、簡単は別。分かっていても、実行できない
報酬などの喜びは後からやってくる、不快や試練がまず最初にある。
このダイエットの例えが最高に分かりやすい。続けられないものは意味がなく時間の浪費だ。危機感があると人はスイッチが入る。そうなる前に自分でスイッチを入れる方法として、習慣と可視化が重要であると説明している。覚悟・決意なんだろう。
これは「7つの習慣」に似ているかなぁ。
また継続する仕組みとしてゲームにするということも上がっている。つまり自らルールをつくりそれを楽しむということだ。

書籍のタイトルからは、まったく予測できなかったが、こんなにも刺激を受けて、共感しまくったことはない。私のベスト3確定だ。


戦略とは「何をしないか」を判断すること
「戦い」を「省略」することというのが最近ネットで話題に上がっていたが、
「戦わずして勝つ。孫氏の兵法」にも通じるのだと思う。

「品質、コスト、多様性、スピード」の4つを同時に追求するビジネスは、みな失敗する運命にある。
これって、アジャイルサムライの荒ぶる四天王( 品質、予算、スコープ、時間)と同じ考えだよね。


 誰よりもマネジャーが、人々のなかに本物のエネルギーや情熱や意欲を生み出すスキルを持っていなかればならない。

自分はこういった行動を心がけているが、周囲から見たら出来ていることと、まったく出来ていないことが多々あるのだろうなぁ。情熱や意欲などの人の感情や精神の部分は論理的ではないが、世の中の成功者を見てみると、必ずと言っていいほど、これらの能力を持ち合わせているという、青臭い話だけでは、全く意味がないが、最後の一押しをする手段としては絶対必須の能力なんだ。



 挑戦し、失敗する人がいる。しかし一度も挑戦しない人はそれよりはるかに多く、彼らは決して勝つことができない。

ビジネスマンとして昨年とは、いろんなことをやっているつもりだが、それを挑戦と呼んで良いのだろうか?まだまだだろうなぁ。どこに焦点を絞るか。面白い。


 キーパーソンが確実に同じ考えを持つようにする
キャズム理論のイノベーターとアーリーアダプターの16%に浸透しないと、その後のマジョリティには波及しないということと同じなんだと思う。キーパーソンの割合がどんどん増えていくことで、戦略の実行が現実味となっていく。
また、組織を団結させるものとして以下が掲げられている。

  • 目的/ミッション
  • ビジョン/方向性
  • 価値観/原則
  • 文化/行動規範



一夜限りの付き合い(取引)と恋愛(関係)
この例えを使って、取引と関係のアプローチの違いを詳しく説明している。サービス提供者側としては「取引」で短期的には成功することを望むだろうが、クライアント側としては、「関係」で、長期的視野に立った関係を望むだろう。「彼ら」と表現するか、「われわれ」と表現するか、関係であれば...  。形式や契約に焦点をあてるか、人の心というところに焦点をあてるか。そして、次のような展開がある。


『きみは優秀なトレーナーだ。だが優秀な従業員ではない』
チームプレーができるかどうかだ。これは自分が生きてきたエンジニアリングの世界にも通じるすごく分かりやすい表現だ。単なる寄せ集めのグループで働くか、方向性を共有できたチームとして働くか、その成果は大きく変わってくる。マネジメントする人にっとって、プライオリティの高い役割だ。

それから、重要なこと。ラスト2章は必読だ。


著名人の引用



成功とは情熱を失わずに次々と失敗を重ねて行く能力のことだ
ウィストン・チャーチル


子貢:『村人の全員が好むような人は、よい人と言えるでしょうか。』
先生:『まだよいとは言えない。』
子貢:『では、村人の全員から憎まれる人は、よい人と言えるでしょうか』
先生:『まだよいとは言えない。村の善人から好まれて、悪人から憎まれるような人がよいね』
論語より


2014年2月4日火曜日

プロフェッショナル論の本。起業家のように企業で働く


感想

プロフェッショナル論である。企業の中でも自分自身に芯を持ち、ビジョンを持ち、それに従って行動することで、起業することと同じように働くことができ、自分自身の価値、それも市場価値を高めることができるということが書かれている。今まで自分自身が考えていたことを文章にしてくれたと思う。まぁ、実践できているかどうかは別として。
ワークライフバランスなども、もちろん出てくる。その話の展開はひと味違っていて面白い。

この書籍の中で触れられていた、アップルのKnowledge Navigatorの動画を探してみた
当時(90年代前半)のビジョンで、すでに、今の生活を明確に映像化している。

Apple's Future Computer: The Knowledge Navigator
https://www.youtube.com/watch?v=9bjve67p33E#t=0

 


そしてそして話が変わるが、ギャップアプローチとポジティブアプローチがあるということが書かれている。これは、ソリューション・フォーカスと同じ考え方。プロブレムトークではなく、ソリューショントークをしようというもの。

ギャップ・アプローチ(問題解決・アプローチ)
1.問題を特定する
2.原因を分析する
3.解決方法を検討する
4.アクションプランを作成する

ポジティブ・アプローチ(ビジョン・アプローチ)
1.強み・価値を発見する
2.どうありたいか、最大の可能性を描く
3.現実的達成状態を共有化する
4.新しい取り組みを始める

それから、この本は31節あり、その最後に、著名人の明言が書かれている。これがその節の内容にマッチしていて、結構面白い。ここだけ読んでもいいかもね。


引用


キャリア・ビジョンを持つと、日々の仕事のやり方がそのビジョンを実現することに繋がっていく。

日本では、人のまねをして上手く立ち回る人間が評価され、イノベーターは損をする。なぜなら、彼らは失敗する、しかも立て続けに。そんなイノベーターを守るのが社長の役割。

彼女は何かおおきなものに突き動かされている、まさに使命を背負っていると感じられた。そのように、世の中で成し遂げたいもの、貢献したいものを強烈にもって、それを周囲に伝え、行動していると支援者が現れ、ともに実現してくれるように動いていくのだ。

できるかできないかを考えるとたいていのことはできないと思えてしまう。そうではなくて、やるかやらないかでしょう。




我々の間にはチームプレーなどという都合のよい言い訳は存在せん。あるとすれば、スタンドプレーから生じるチームワークだけだ。互いに頼ろうとしてパフォーマンスを落とすな。突破口は、それぞれの自分の個人の力なんだ。

どんなに体調が悪くても、プライベートに心配事があっても、必ず講演や研修で高い評価を得なければならない。評価が低ければ二度と呼ばれることはない。他に代わってくれる人はいないし、言い訳も一切通用しない。だから、準備を怠らないし、体調も管理する。プロだから同然のことだ。プロとは『必ず成果を上げること』、そして『相手の期待を上回ること』だと思っている。

指示されたこと、自分の役割を行っているうちはリーダーシップは発揮されない。役割を越えて組織のために役に立つと思うこと、あるいは自身がやりたいと思ったことに一歩足を踏み出した時、初めてリーダーシップが発揮されるのだ。


単に自分のやりたいことを主張するのではなく、会社としてこれが必要だということを提案するからなんだ。そして、それを自分はこのように準備しているので、やらせて欲しいと主張する。つまり、会社のビジョンと個人のビジョンを重ね合わせているんだ。だから説得力がある。

自律の真の意味とは『仕事を自ら作り出して、結果まで含めて全ての責任を負っていると考えることだ。自分のキャリアや働き方は、会社や上司にコントロールされているのではなく、実は自分でそれを決めているのだと気づく。そうすると、周囲がどうであれ、自分が自律意識をもち、自分が変わることによって、周りの人や環境をも変えられるという真理に至のだ。

ひとつ確実にいえることは、リスクをとって難易度の高い仕事をやらない限りは、飛躍的な成長はないということだけだ。

失業保険給付期間が切れても職探しに奔走している人達に共通する3つの特徴
  1. 学習しない
  2. 受け身で業務をこなしてきた
  3. 組織に同化、同質化している


仕事でクリエイティブに活躍する人は、プライベートでもクリエイティブに生活しているんだ。なぜなら、プライベートで様々な挑戦をし、結果的に新しいネットワークを作っている人は、そこで仕事へのアイデアを得ているからなんだ。

著名人の引用


七転八倒、のた打ち回った揚げ句の成功体験で、人は成長する。それが、私自身が感じたこと。人の成長が組織の成長なんだよ。
南場智子(ディー・エヌ・エー創業者)

優れた経営者、組織のリーダーというのは、道なきところに道をつくる人だと思うのです。目の前に壁が立ちふさがっていたら、それこそ、地下に坑道を堀り、空を飛び、海を泳げばいい。目標に到達すれば、どんな手段だっていいわけです。
冨山和彦(経営共創基盤代表取締役CEO)

人生において、万巻の書を読むより、優れた人物に1人でも多く会うほうがどれだけ勉強になることか。
小泉信三(元慶応義塾長・経済学者)

新しいステージに立つと、自然と新たな目標が見えてくる。その繰り返しです。
長友佑都(サッカー日本代表)

英語でいうコンフォートゾーン、居心地のいいところにいては、ダメなんです。そこには学びがありませんから。常に自分にチャレンジして、常に違和感がある環境にいて、常に学び続ける。
伊藤穣一(MITメディアラボ所長)


他人の意見ではなく、自分の中の声に耳を澄ませなさい。そして、最も大切なのは、自分の心と直感に従う勇気を持つことです。
スティーブ・ジョブズ(アップル創業者)



2014年2月3日月曜日

強いチームはオフィスを捨てる。そんなチームになりたい。


感想


37シグナルズが考える理念や行動規範は、最高に刺激的だ。前作の「小さなチーム、大きな仕事」は4冊も買って、メンバーに配ったことを思い出した。

今月、メンバーの1人が在宅勤務を開始しようとしていたので、このタイミングで出会えてよかった。自分自身、古い考え方に凝り固まっていたようだ。

リモートワークに関して、まったく新しい視点が得られた。

リモートワークとは、
  • 時間と場所に縛られない働き方。
  • 社員の生活の質を向上させるもの。
  • 成果が今以上に見えるようになる。
  • 実力のない人間たちがあぶり出される。
  • アイデアを生むための遊びを推奨する。
  • 働かないのではなく、働きすぎることを心配したほうがいい。

そして、これを実行するには、やはり同じ価値観を持つ人達をバスに乗せる必要があり、仕組みとして、それぞれのメンバーとのコミュニケーションが相互にできるようにしなければならない。そのように工夫し続けなくてはいけない点も重要なことである。
ビジョナリーカンパニーに出てくる「バスに乗せる」という考え方は、またまた出てきた。経営って、文化を維持することや、時には壊すこと、変化を恐れず進展させていくことに、相当力を入れていかんといけないんだ。

通勤時間の話題が出てくる。私の場合、片道1時間15分。1日2時間30分。1週間で12時間30分。年間約50週で600時間オーバー。1年間に600時間も通勤に費やしているのか。アホらしい。でも読書できるからいっか。いや良くない。ふぅー。

著者のTEDでの動画
ジェイソン・フリード:なぜ職場で仕事ができないのか
http://www.ted.com/talks/lang/ja/jason_fried_why_work_doesn_t_happen_at_work.html



引用

リモートワークに必要な技術は、けっして難しいものじゃない。必要なツールの使い方を学ぶのに、時間はほとんどかからない。必要なのは、やってやろうという意志だ。古いやり方を捨てて、前に進もうという決意だ。

リモートワークは、社員の生活の質を向上させるためのものだ。

世の中の大企業は、驚くほど古くて非効率なやり方のまま、何年も生き残っている。... 昔ながらの大企業のやり方を見ていても、生産性については何も学べないということだ。
大企業はたいてい、足並みをそろえることが大好きだ。だから業界の中で抜きん出るには、ほかと違うことをやればいい。

そもそも大事なのは、全員を決まった席に決まった時間だけ縛り付けておくことだろうか。それとも、全員がうまく成果をだせるようにすることだろうか。もしも後者が大事なら、好きなやり方で働いてもらったほうがいいに決まっている場所と時間で評価するのではなく、仕事の内容でその人を評価すればいい。

リモートとは単に遠隔地という意味ではなく、時間と場所に縛られない働き方のことだからだ。

ミーティングとマネジメントのせいで、オフィスでは仕事が進まないのだ。ミーティングがなく、うるさい上司もいないほうが、確実に仕事がはかどる。だからこそ僕らは、こんなに熱心にリモートワークをすすめているわけだ。

リモートワークに慣れていないマネジャーは、部下が働かないのではないかと心配する。でも本当は、働きすぎることを心配したほうがいい。部下の様子が見えないので、気づいたときには完全に燃え尽きていたということにもなりかねないからだ。

いい仕事に必要なのは、朝から晩まで仕事のことしか考えないロボット集団ではない。技術だけを追求するのは浅はかだ。スマートな問題解決や最新のデザインは、技術と人生経験の交わるところに生まれる。


リモートワークになれば、使えない人材はすぐに明らかになる。経営はまず人選ありき。不適切なメンバーをすみやかにバスから降ろし、適切なメンバーをバスに乗せよう。

みんなが自分の判断で行動できるようにする。承認なしでは行動できないほど信頼のない社員ばかりなら、あなたの会社は不適切な人間を採用しているということだ。


リモートワークの本当の危険は、働かないことではない。働きすぎてしまうことだ。



リモートワークは、すぐ目の前にある。後戻りのできない変化が起ころうとしている。あとは、いつそこに飛び込んでいくかだ。アーリーアダプターとして時代を先取りするか、その後のブームに乗っていくか、出遅れて後からついていくか、それとも完全に乗り遅れるか。時代を切り開くイノベーターたちを乗せた船は、すでに港をでてしまった。でもアーリーアダプターのための船は、まだ席に余裕がる。今こそ、乗り込むチャンスだ。



はじめは無視され、次に笑われ、それから争いになる。そして最後に、君は勝つ
モハトマ・ガンジー


2014年2月1日土曜日

自分の中に軸を持つことの大切さ。「カイジ『勝つべくして勝つ! 』働き方の話」読了。



「カイジ『勝つべくして勝つ! 』働き方の話」読了。

感想


  • 問題の先送りはしない。
  • 今を生きる。明日はこない。
  • 本気で覚悟して腹をくるって仕事をする
  • 仕事を楽しむべき、でも楽な仕事をすることとは違う
  • 自分の価値を高める努力を怠ってはいけない
  • 自分の軸を持つこと
  • 行動できないことは分かったことにはならない
  • 絶対に勝つ方法などない。考え抜いてやって負けてもしようがないと諦める
  • 個人にもビジョンが必要で、やりたいことをやる。
  • お金のために生きない。
  • 目先の意味のないヒットを打ってもショウガない。意味ある課題解決に繋がる凡打の方が価値がある



引用


『明日にしよう』というたびに、人生を無駄にしている

現代には、夢みることもせず、行動することも、チャレンジすることもなく、夢の中で生活しているように『なんとなく』過ごしてしまっている人が多すぎると感じています。

決断をしなければ、失敗が明らかになりません。一方で、決断をして失敗すれば、それが明らかになってしまう。そのため、決断することを避けて、『無難』に過ごそうとしています。


その目標や夢をリアルに感じられるところまで自分が行かなければいけません。


ビジネス書を読んで内容を理解しても、それは単なる『わかったつもり』です。ビジネス書を読んでもそれだけでは仕事のできる人にはなれません。それは行動に移していないからです。頭で理屈を知っても、実際にやってみると随分違います。わかっていることと、実際にやってみることの間には大きな開きがあるからです。

本当に学びになるのは、真剣に自分のお金や時間を張ってみて、ヒリヒリするような感覚の中、決断していく時です。

他人と同じでは、”それなり”の評価しか得られません。みんなと同じことをやっていれば安心です。しかしそれでは”それなり”にしかなりません。... 『独自路線の積み上げ』か『圧倒的な積み上げ』か。どちらかを選ばなければ、高い評価をしてもらえないのです。

最初からその仕事を『得意』と感じている人なんていません。最初は不安で不安でたまりません。強いストレスも感じるはずです。しかし、それを乗り越えた結果、不安がなくなり、ストレスが減っていくのです。そしてやがては”安心領域”になっていくのです。その人が『得意なことだけをやって生活できている』のは、そうやって安心領域を作ってきたからです。

勝つ事は大事。でも確実にかつものなんてありません。うまくいく前提の時でしか勝負できず、確実に勝てるものしか手をだせないとしたら、何もできません。なんにも始められないのです。ここでポイントなるのは、... 『勝った時に得られるメリット x 勝つ確率』の期待値です。

世界中の野球選手が10割打てないことを悩まないのと同じように、ビジネスの世界でも10割を狙うことがそもそも論外なのです。


『勝つために必要なのは、相手を選ぶことだ』と言われることがあります。... それもひとつの考え方ではありますが、この戦略を取れるのは、別の場所で自分を鍛え、常に自分を高めていっていることが前提になります。

意志を持ち続けられる人は、使ってしまった意志を意図的に回復させられます。同時に、意志の力をかりずともその行動ができるように整えてから行動に移します。

  • 一流は、内なる声に従い、軸を持って正しく、強く行動する
  • 二流は、世間の評価を得たいがために、自分と周囲を欺き、浮つく。
  • 三流は、世間の評価を得る基準に達しない。

『好きな仕事をしよう』『仕事を楽しむべき』というのは、『楽な仕事をしよう』『楽して金を稼げる仕事を選ぼう』ということではありません。

明日死ぬと思って 生きなさい。永遠に生きると思って 学びなさい モハトマ・ガンジ



2014年1月30日木曜日

勉強会参加メモ:おもしろ自分戦略 -カヤック柳澤さんと考える




日時:2014/01/30 (木) 19:30 - 21:30
場所:株式会社サイバードさん
タイトル:DevLove おもしろ自分戦略 -カヤック柳澤さんと考える-

カヤックの柳澤さんが会社を立ち上げた背景にあった思いや狙い、カヤックの戦略と柳澤さんの戦略のお話。

感想


帰り道、同僚と話が止まらなかった。すべてに心動かされた。自分の価値観を180度変えないといけないのかもしれない。

チャレンジのコト
世の中、チャレンジや挑戦や失敗を恐れるなと言うけれど、本当にそうなのか?でもカヤックさんはひと味違うようだ。
評価の中に失敗を語らせる箇所があるという。失敗していないことはチャレンジしていないということ。それこそが機会損失なんだろう。
武勇伝として好んで失敗したことを持っているという制度は、古い体質の会社には簡単なことではないだろう。でも『古い体質』というだけで思考停止に至っている私はどうしようもない。今日の話の中で、そんなこと言っていたよなあ。自分で自分を制限しているって話。オレアホだ。

人事のコト
講演の中で、特に笑いが大きかったのは、『エイプリル採用で4/1限定で経歴詐欺OK』という企画を人事部門が自ら立ち上げて実施しているという。もう行動力がすごいというか、面白いというか、圧倒的というか。人事もみんなクリエーター上がりというから素敵。

そして、その人事の採用活動として、進学先実績のようなサイトがある。その中で退職者インタビューなど、辞めた人も1つの生態系という考えかたをしてる。これからの流動的な世の中では、このように物事を考えないといけないのだろう。

この人事関連の採用の一貫のなかで、基本方針として、『何をするかより誰とするか』という考え方が浸透している証なんだろう。トップがこの価値観のもと言動していることが、会社の文化に染み渡っているからことでき、それを周りが肉付けをし、好循環で、この方針が増強されているポジティブスパイラルを描いている。
これだけのことをするのは、どれだけ大変だったかと思うと気が遠くなる。しかし、これらのことすらも、もしかしたら楽しんでやっているのかと思うと、もう惨敗。
誰をバスに乗せるかという、『ビジョナリーカンパニー』の考え方がここにもでてくた。
できる経営者は、やはりここに注力しているのか。

面白いことをしているが、財務の部分はしっかり担当しているチームがあるという。経営が傾くほどの失敗がないように、経営部門とは切り離しているということは、ずっしりきた。

ビジョンのこと
ビジョンは評価と制度とリンクさせないといけない。 
やはり、トップみずからが行動し、メンバーにもそれを促すためには、評価や制度がその価値基準に沿っていなくてはいけない。額に飾ったビジョンではなく、実践できるその価値観から、こころから発せられている思いからビジョンが作られていると思った次第。

オープン。隠すことは、失敗することよりも不信感を抱かせるということだろう。これもどっかの本で読んだことと合致している。

誰かのせいではない
とあるプロジェクトにて、市のせいにしようとしてたけど、それって組織のせいにする新入社員と同じロジックだったという発言。ここに気づいて、力技でプロジェクトを実施させた魂はすごいと思う。
会社のルールを変えるくらい訴えろという行動力。自分の枠や制限を設けているのは、他人のだれでもなく自分自身であるということ。心に響いた。私自身、なかなか、ここまでは自分自身にも他人にも言うことができない。
でも、他人に厳しく言えるくらい自分自身に対して後ろ指さされないようなリーダーとしての言動が必要になるのだろう。それも楽しみながら、楽観的に。うーん。ハードルあがる。

組織戦略のコト
最後に学習意欲が湧く言葉として、『組織戦略』という単語。事業戦略だけではなく、このあたりをもっと意識して考えないといけない。学習の幅を広げてみたいと思い、それと同時に実践も大事だと実感した講演だった 

カヤック柳澤さん、会場のサイバードの会場の皆様、 DevLoveの皆様、ありがとうございました。

URL

カヤックさん
http://www.kayac.com

会場のCybirdさん
http://www.cybird.co.jp

講演メモ

タイプした内容をつらつら・ずらずらと。


面白法人
15年やり続けている。

何に投資してきたか、面白法人に投資してきた。

経営方針
 つくる人を増やす
 何をするかより誰とするか

目標がない。
 どんな事業をするかは、ない。

面白法人のビジョンはあった。
 階層、国籍なし、経済合理性なし、地域と連動で価値を高めていく。
 好き勝手に働いていく。それをコピーに込めた。
 これで成長してきた。

目標や夢がない人からするとピンとこない。ないと投資できない。
 リスクとリターンがない。未来が分からないことには投資ができない。
 投資するってことは、未来に対して行うもの。

採用
 外国人を採用した後は、業績も一時は悪化したけど、未来にたいするイメージの思いがあったから投資できた。
 面白法人に魂を込めてきた。
 超頭のいい中国人は3ヶ月で日本語ペラペラになる。
 欧米系も採用したけど、転職する。
 第2外国語が英語の場合、英語力を見れば、日本語習得度が分かる。
 社内公用語は日本語!!
 アニメ好きは多い。日本語はアニメで覚えた。トップ5は4人が中国人。

面白いの3つのステップ
 1.自分たちが面白く働く
 2.クライアントやユーザーから「オリジナリティがある」「面白い」と言わせる
 3.「人生が面白くなった」という人を1人でも増やす

面白さのKPI
 KPIをとり続けている。半期に1回、質問をし続けている。
 このKPIに対して人事が手を打つ。面白くないと言っている人には人事が入る。
 メンバーが面白くないというチームのリーダーは査定が低くなる
 顧客からの依頼に関しては、ソーシャルメディアの結果でジャッジしている。それを測定するツールでお客様や社内の評価としている。

ビジョンは評価と制度とリンクさせないといけない。

「誰とするか」にこだわります。
 事業戦略
 組織戦略
  組織戦略が強い部分
  とくに採用戦略が強い。

面白採用キャンペーン
 社員の90%がCreator
 人事部も全員Creatorあがり。人事部も自らが採用キャンペーンなどを作れる。

 エイプリル採用。経歴詐欺OK 4/1限定

辞めた人も1つの生態系
 辞めることを推奨しよう。
 辞めた人が優秀なんじゃないか。優秀な人をかこってしまう起業はある。吸引力があるけど、出ることが次につながらなくなる。優秀な人がでることがメリットになるように推奨する。
 進学先実績のようなサイト
 退職者インタビュー。

カヤック強くなったなというできごと
 20−30人の組織。なんでもあり。どんなメールでも流してよい。
 6、7割が感謝。1、2割は毒づく。勧誘もあり。
200人になると、月に2、3人の出入りがある。毎日のように退社メールがある。新入社員にも毒づいたメールを見られてします。ちょっとまずいかも。放置する中で強くなる。
 誰もどうようしなくなる状況を作る。優秀な人が辞めた時、動揺の空気があったけど、なくなった。
 隠すことの方が弱くなっていく。とにかく選択をしようというとき、恐怖の思い、不安の思いは要注意。
 だいたい良くなくなるので、オープンにした方が強くなる。これは面白くなるように働くってことに修練されていく。
 隠さずやっていこう。社内制度を作っていくメンバーはそれらを考えている。
 組織戦略5、6人。
 エンジニアは組織にたいしてコミット等はしていない。


質問タイム 



Q. 評価は誰がどうやって評価するのは悩ましい。
A. 職種グループ。ランキング。社長になったつもりでチームメンバーを実力順に並べてください。
報酬はその平均値。思想はみんなの感覚は案外あっている。以外にみんなの納得感がある。自分は誰に納得されると納得感があるか。エンジニアはエンジニアに評価されたい。デザイナはデザイナに評価されたい。リーダーは重みづけがある。全順位は公開しないけど、どのランクかは公開する。プロジェクトの計画の人件費も計算しやすい。
給料をあげる方法。みんなに認められること。どうやったら?
人事は基準を決めたい。 でもそもそも間違っている。主観で良い。社長が主観で並べる。
その主観の集合。価値観の最大公約数が出る。蹴落とす人達は、下がる。助けてあげようと言う人達が多ければ、その価値観、主観で会社の文化みたいなものが分かる。
だから採用には注力している。
3ヶ月でも退職金出してでも辞めてもらう。

Q.電子書式系の会社に努めているが一緒に仕事をしていくにはどうやっていったら良いのか
A.仕事のコラボはWebで受け付けているので相談できる。受託ははまらないと難しい。気軽に声かけてもらえばいい。

Q.新規事業の生み方。
A.研究開発。月1発表で何かが生まれてくる。だれが出しても良い。
新規事業だけのチームもある。3ヶ月にチーム構成を変えながら行っている。
そういう人を採用している。あてられるものを作れる人は20人に1人しかいない。それに乗っかる人も多い。
それに乗っかる人も大事。半分以上そうじゃないか。


Q.働いている人がおもしろがって、儲かると良いけど、儲かるまで苦労したこと
A.売上げは15年あがり続けている。利益は1回赤字を出した。その都度チャレンジして失敗している。
経営者としては、会社をなくすことを避けなくてはいけない。失敗してもなくさないようにしてきた。
維持するためには、数字をしっかり見るチームがいる。その枠の範囲で見ている。プロトタイプを出してどれくらい人をはったり、3ヶ月でKPIを見ながら、やって次々やっている。それが強みでも弱みでもある。
最近はしつこくやっているサービスもあるので、伸ばしたい事業もある。

Q.面白法人という人格でネガティブな出来事、ゆらぐぐらいの出来事は?
A.一貫性をもっていて、年に2回いく。そういうことは必ずやっている。
毒づく退社メールもあれば、信頼からのDisりあうこともあって、すさんじゃうこともある。
面白く働くは自分自身の問題なので、外の評価はあまり関係ない。
会社が潰れたら終わりだけど。

Q.ソフトウェア会社で新しいものツール等の普及は反対される。面白くするために普及させたいけどはどうしたら良いでしょうか?
A.2つある。1つめは、理不尽。市のせいにしようとしてたけど、それって組織のせいにする新入社員と同じロジックだった。
だから、実力で、会社のルールを変えるくらいうったえる。
2つめは実力でどうにもならないことは、その閉塞感を楽しむことしかない。
不安な時は、年に何回かはある。不安を楽しむ感じがある。自分を俯瞰して楽しむ余裕があるときは大丈夫。そういうのを常に意識する。苦しいけど、来年楽しくなるんじゃない?俯瞰して楽しむ。
楽しく働くためには2つしかないんじゃないか。

Q.クリエイティブルーム。特に面白いアイデアを出すクリエータはどんなスペースが好きなのか?
A.オフィスも組織戦略も1つ。いまはどこの会社もかけている。その優位性はなかなかもう出にくくなってきた。
他と比べてガッカリさせるようにはしない。快適さは組織にもよる。オープンでみんなでワイワイ。会社の性質にもよる。3つくらいのルールがあってやっている。共通するなかで良いのは、天井が高い。イスが快適。モニタなど必要な大きさなど惜しまない。社食など。

Q.楽しかったけど大きな失敗は?
A.評価制度は実力を決めるための報酬。
定性評価で失敗を語らせるコーナーがある。
失敗していないことはチャレンジしていない。
このんで失敗したことを武勇伝として持っている。
人とからむことはいっぱいある
事業では、貧乏揺すりユレックスというアプリ。
ブレストで会社のムダをなくそう。貧乏揺するを電気に変えよう。
蓄電まではできない。LEDが光るくらい。貧乏ゆすりカウントするYUREX。明和電気
3000個制作で、100個売れた。980円に下げたら1週間で完売。
おもちゃ屋さんから、おもちゃは安くしても売れないものは売れない。安くしたら売れるってことは見込みあり!!でも断った!!
カヤックのブランドを上げるための予算はとっているので、それとは異なるプロダクトだった。

Q.面白く働く、個人レベルでアホなことや面白いことやっている人いると思うが、面白いことをやっている人のケースなどありますか?
A.面白い働き方をしている人の例
10年くらい働いている45歳くらいの人。芸大出。10年風邪で休んだことないけど、週休3日で働いている。9時5時でぴったり完璧に働いている。メールも仕事もそれ以外はしない。そのかわりものすごく自分に厳しい。見積もりも厳しい。マシンと呼ばれる人がいる。
ギネス円周率の記憶の記録を持っている。全社員の誕生日などを覚えている人などもいる。

面白いものを作っている人はいるけど、価値観が異なるので色々ある。

Q.従業員満足度を上げるため、生産性を上げるため、コミュニケーションを上げるための活動している。保守的な会社で、仕事以外のことをしていると何をしているのかと言われてしまう。カウンターのために柳澤さんなら何をするか?
A.カヤックは境目がない。一生懸命なんか作っていた。ロボットコンテストに応募しようとしていた。それはNG。仕事か仕事じゃないかは難しい。自主的な開発をOKにしている。
構造上、何をというのはなく、休みの時も含めて仕事に繋がるような人や業種を選んでいる。社内のルールでどうこうしようとはしていない。後から事業をのせていくようにしている。
福利厚生という概念はない。社員満足度の概念もない。満足するということは終わり。どうやったらヤル気がでるかとかを考える。
福利厚生を増やして、社員の満足を上げるのではなく、仕事で満足するように心がけている。

Q.面白いの中には、自分が伸びていくや変わっていくも含まれると思う。こういうのが良いよねってありますか?
A.全肯定主義。生きているだけで素晴らしい。面白くあろうとする。欠落している人が集まっても、世の中の一部を埋められるのではないか。カヤックでダメでも他で大丈夫だろう。元気になる。自由になる。自身になる。そういうことを勇気づけている。カヤックを話題性上キャリアアップになるようにしっかりやっていこうとコミットしている。人が変わたり、自身になるときが面白いと思っている。できないと思っているのは、自分だけ。周りは出来ると思っているだけじゃんと、周りは思っている。強い意志があれば出来る。会社のせいにしているのは、その人の固定概念。それを除いてあげるようにしてあげている。出ることが変化だし、次の所で活躍するためのには、結構厳しい組織である。5、6年したら、自分自身も他にいかないといけないと思っている。


Q.業績が悪くなった時期。業績が悪くなったときどういったことを考えたか、指した1手?
A.致命的な失敗や状況はどういった時かというと、倒産した社長へのインタビューでは、あと半年のお金があればなんとかなった。
財務にしっかりした人がいて、バッファと対策を考えられる人が冷静に見ている人が必要。俯瞰的に見れる人材が経営陣とは分けた体制でもった方がよい。
カネになることならないことやっていると思われているけど、その財務の部分をしっかり先を見越して考えるチームがある。


告知

最後に2つだけ
1. 3/15・16に鎌倉建長寺で『禅ハッカソン』。宿泊費と食費がかかる。2、3人のチームでアイデアかものづくりコンテスト。ハッカソンとは別の仕組みあり。なんと21時に寝て3時に起きる。精進料理を食べて、ハッカソン。建長寺のお坊さんが審査員。チーム制を考えている。是非どうぞ。

2. 今期は体制を立て直して、攻めようとしているので熱烈人材募集中。


 柳澤さんの書籍の紹介


  • 面白法人カヤック会社案内
  • アイデアは考えるな
  • この「社則」、効果あり。  

2014年1月29日水曜日

『Toyota Kata』 について動画やスライドなど まとめ

『Toyota Kata』なるものが存在するとか。ちょっとまとめてみた。



2014/01/28(火)開催のリーンカンファレンス2014
~ヒット商品を作るための仮説検証プロセス - 日本でリーンを進化させる - ~
http://esminc.doorkeeper.jp/events/7693

行くことができなかった。12月の時点で、この日は業務が決まっていたので申し込みすら、できなかった。ソーシャル上ではスゴクよかったという感想がいっぱい。...行きたかったなぁ。


で、まず

書籍

Toyota Kata: Managing People for Improvement, Adaptiveness and Superior Results
  • Kindle版   ¥ 1,685
  • ハードカバー ¥ 2,566


動画


著者Mike Rother氏

Lean Summit 2012 - Mike Rother - Toyota Kata
http://www.youtube.com/watch?v=fYoppX3VHIY




アニメもあった。

Improvement Kata
http://vimeo.com/73047026


Improvement Kata from Darren Dolcemascolo on Vimeo.



スライド

Toyota Kata by Mike Rother
http://www.slideshare.net/mike734/toyota-kata-3101182




おっと著者が32個のスライドをアップしている

SlideShare: Mike Rother
http://www.slideshare.net/mike734/presentations




Wikipedia


Toyota Kata is a management book by Mike Rother. The book explains the Improvement Kata, which is a means for making creative work teachable.

本家

ここが本家サイトか

The Toyota Kata Website
http://www-personal.umich.edu/~mrother/Homepage.html


このサイトにFree Handbookなるものがある

The Improvement Kata Handbook
http://www-personal.umich.edu/~mrother/Materials_to_Download.html


本家サイトは情報の宝庫

動画は、こんなにいっぱいあるのか!!!

http://vimeo.com/channels/improvementkata/73047026


Book Summaryもある。
http://www-personal.umich.edu/~mrother/KATA_Files/TK_Synopsis.pdf

流石!本家のサイトは違う!!


もちろん、全然読んでおらん。

2014年1月26日日曜日

問題を分析するな!解決に向かって一直線に進め



サブタイトルが全てを言い表わしている。ソリューション・フォーカスとは、問題からは解決策は見つからないということだ。これは、ピーター・センゲの『学習する組織』の中にでてくるシステム思考にも似ている。問題の周辺にはレバレッジポイントはないということだ。まぁ、問題からの解決方法ではなく、解決に直結することを実施しながら解く方法論をソリューション・フォーカスと呼んでいる。



  • プラットフォーム
  • フューチャーパーフェクト
  • スケーリング
  • カウンター
  • 肯定
  • スモールステップ

P.46からの図を引用

この図の6つのステップが循環することで、解決策に導いていく手法だ。
まぁ簡単に言ってしまえば、「根本原因」、「ゴールイメージ」、「マイルストーン」
「変化の肯定箇所の発見で加速」、「現実的な最初の一歩の提示」であると、理解した。



シンプルでも間違った解決策はいくらでもある。... シンプルな解決策を見つけてそれを使い回しすることではない。... 『うまくいかなければ、それは解決策でない』
オッカムの剃刀の「ある事柄を説明するためには、必要以上に多くを仮定するべきでない」(http://ja.wikipedia.org/wiki/オッカムの剃刀)のシンプルであるということが重要だと思ってた感が自分にはあったので、この言葉は心に残った。解決しないものは、どんなものであっても意味がないのである。「脱デブスモーカーの仕事術」と同じことを言っているのである。



ソリューションフォーカス
もし問題が理解できるか、あるいは原因がわかりさえすれば、解決策がみえてくるだろうと考えるなら、議論がプロブレム・トークになるのは自然なことだ。
不思議なことに、語れば語るほど、問題が大きく、難しくなるように見える。
ソリューションフォーカスの実践者は、「この問題の根底にある原因は何だと思いますか?」というような、ごく自然に聞こえる問いかけを我慢する自制心が必要だ。
... どこで、どのように解決がすでに起こり始めているのかを話すべきである


スキーの指導で何がいちばん受講生にとってありがたかったか、本当につかんでいますか?みなさんのしたことで、何が正しかったのか、つかめていますか?何気なくしたことが、結果としてすごく喜んでもらえたということはないでしょうか?それが何だったか知りたくないですか?

また、別途、高速道路での車の渋滞の話もでてくる。
車の自然渋滞が1台の車の車線変更によって起こることまで把握できたのなら、その問題を如何に突き詰めても問題は解決しない。その問題が発生していないときのことを観察することでこの問題は解決する。交通量の少ないときには発生していないことは分かっている。であれば、混雑する時間帯の制限速度を低くすることが解決策となった。この解決策は、問題の原因(急激なハンドル操作)には一切関係がないことになる。

まさしく、われわれは、この問題点にフォーカスするプロブレムトークをするのが大好きである。どうなっていれば良いかを議論することより、現場では何が起こっているかを理解してもらいたいからだ。現場での最初の一歩などを明確に提示することができないと絵に描いた餅になるのだろう。
でも臨場感をもった未来像は必ず必要であると信じている。大きければ大きいほど良い。脳内バリアを破らないと、自分はすぐに堕落したコンフォートゾーンに引き戻されてしまうからだ。


フューチャーパーフェクト

現状がもっと違っていたらいいのにと思っても、ついほかの誰かが行動を起こせばいいと考えてしまうことがある。そういう心持ち自体はおかしくないのだが、せめて活動の一端だけでもみずから担うくらいの気持ちがないようでは、現状が変わるとは思えない。

具体的に、未来に身を置いて考えてみることだ。まず何に気がつくだろうかと問いかけることで具体性が増す。その答えにははっきりと詳細が、それもささやかな事柄がたくさんあがってくる。
目標の先へとあなたを連れて行ってくれる。
「何によってそうなったことがわかるだろう?」
「どういうときに解決がすでに起こっているか?」

直訳すると「完璧な未来」ってことになるのだろうか。現状から積み重ねで想像するのではない。未来を自分の手元に引き寄せるのだ。この解決方法は至る所ででてくる概念である。ただ同時に、そのための最初の一歩も大事なわけで、それが、次のスモールステップである。


スモールステップ
目標がもし達成されつつあるとしたら、一番最初の兆しはどういうものか、を考えた結果、高邁な理想を追う立場から、もっとずっと小さな、より実行可能な行動の詳細へとものの見方を変えたのだった。
「最初の兆し」という表現でそれを表している。うまい表現だ。


カウンター

  • 何がよくなっているか
  • 何をしたら、その変化が起こったのか
  • 他の人たちは何をしたのか
  • その変化にはどういう効果があったのか
  • 誰が気づいたのか
  • 次は何がかわると思うか


問題をどう見るかという無駄な論争に、あまりに多くの時間が費やされている。つまりは同じことについて話しているのに、いろいろな人間がいろいろな言い方で表現しては、言い争いになる。それより、どうなってほしいのかという、フューチャーパーフェクトの部分で意見を一致させるほうが、たいていは得策である。

現在起こっている現象や、フューチャーパーフェクトの肯定やカウンターを積み上げることができるという指標だ。

書籍にでてきた賢人の言葉

自分が世の中に起こってほしいと願う変化にみずからなりなさい
 モハトマ・ガンジー

私たちは説教なしに説教をすべきです。しゃべるのではなく行動で神の教えを伝えるのです。
 マザー・テレサ



『目標管理の教科書』だ



この書籍において、既存の目標管理では、MBO-Sという「S」の部分、つまり、self-controlに関して、あまりにも無視されていると述べられている。self-controlとは、チャレンジ目標の自己統制を実践することであると。
この部分が知識労働時代のマネジメントの方法論として記されていて、私自身、肚落ちした。MBO-Sは内発的動機付けを重視したマネジメントなのだ。
この書籍を読みながらアジャイルの考え方と同じじゃないかと、幾度も思った。PDSや振り返り、自己組織化、チームでの話し合い、振り返りのパーティ等、チームマネジメントでの方法論は、根本では同じなのだろう。

目標のつくり方、そこでリーダーがすべきこと、「計画」、「実行」、「振り返り」を人と仕組みの両方の面から、順序だって説明している。上長と個人の間で決めるものではなく、チームでワイワイガヤガヤやりながら目標を形成していくことが重要とも書かれている。この過程で当事者意識が芽生えていくわけだ。そして最後の評価もチームで実践することも薦めている。

戦略目標と日銭目標のことまで書かれている。どの企業でも「あるある」のことだろう。
また、達成手段が60−70%見えていることがギリギリの背伸びの状態であり、これを目標するべきだと言っている。100%道筋が見えているものは目指すという意味の目標にはあたらないと言うことだ。

そして、数値目標、定性目標の設定の仕方や不確実性の高い分野での目標の立て方も書いてある。因果関係のない数値目標の過ち、クリエイティブ型の定性目標、具体化の方法など、マネジメント職は、一度、読んでおくと良いだろう。

外発的動機付けと内発的動機付けはコーチング理論であり、色々な書籍ででてくることが書かれている。結局、人に焦点をあてる。人に寄り添う。マズローの欲求が出てきたのは面白い。

各章の最後にある「まとめ」は振り返りのために役に立つ。まぁ、目次を見れば分かるんだけどね。

みんなハッピー

個人の軸と会社の軸があうように、下記図のように右上の枠に合うようになれば、個人もハッピーになり、会社の業績もあがるという構図ができあがる。そのためのMBO-Sであるということなんだなぁ。




日々のフィードバックなど3つのコミュニケーションが必要だと述べられている

  1. 問題創造・問題解決のコミュニケーション
  2. 志のコミュニケーション
  3. 人間関係円滑化のコミュニケーション

自分自身、1番はちょっと足りないな。もっと率先して実践していかなくてはいけない。



『成長とは有能感の獲得』

『気づき』、『達成感』、『フロー体験』が成長の源であり、日々の小さな成功大変が、有能感を得る出発点となると述べられている。そして、

人事評価の難しさの根源的理由は評価の公平性の担保の仕方が人類5000年の叡智をもってしてもいまだ見つからない

なるほど、5000年か! 数年で獲得できるほど甘いスキルではないし、完璧なフレームワークで誰でもが成功するほど簡単なものではないと。日々の小さな成功体験から有能感を得るしかないんだね。


哲学

『黒字浮上!最終指令―出向社長奮斗の記録』がこの著者の背中を押した原点だったと書かれている。欲しいものリストにアップした。今度、読んでみたい。そして、

マネジメントには哲学が必要だ。哲学とは『深い思索と経験から導きだされた”信念”」であり、リーダーに哲学がなければ、言動はブレやすく、人々の信頼も得にくくなるだろう。
一途な思いと愚直さで、自分を信じてマネジメントしていくしか方法はないのだろう。経験し、実践から学び続けるしかないんだ。


引用


難しく見せる技術に長けた人が人事評価で得をして、本当に困難にチャレンジした人が割を食う。人事評価の信頼性も地に落ちる。もしも、そんな状態が続くなら、働く人の心は荒廃し、確実に会社は衰退に向かうだろう。

仕事を進めるプロセスで、当事者と関係者が話し合いながら、試行錯誤的に仕事の質を極限まで追い求める。それが仕事の面白さを誘発し、自律性も醸成する。結果として、会社の業績が向上する。そういう仕事のやり方がMBO-Sが志向するクリエイティブ型目標の理想的な姿である。




2014年1月25日土曜日

質問力とは沿う力



斉藤さんの本は2冊目。文章が上手で引き込まれる。著者本人が教育者と自負しているように、否定のしようがないほど上手い。

質問力を『沿う技』と『ずらす技』の豊富な例や対談などのシーンを引用して、丁寧に説明してくれている。ただし、これを自分自身ができるようになるには、訓練が必要になる。意識して1つずつ練習するしかないだろう。テレビでの著者のコメント等を聞き流していたけど、意識しながら聞いてみようと思った。生きた教科書がある。



「できる人」とは、下記3つをもっており、社会で生き抜いていくために必要な力である。

  • 教えられなくても自分でポイントを盗んで技をマスターする「まねる(盗む)力」
  • これと連結する『段取り力』
  • その上でようやくしたり質問できる『コメント力』

「質問できるコメント力」とは、簡単ではなく、日々の中で頻発することでしかスキルアップできないだろう。最近は、エンジニアとしてマシンを相手にしていた時間よりも、人と話している時間が圧倒的に多くなった。なので今の自分には、必達しなければいけない能力である。


講演等で質の良い質問をするには、ノートをとるついでに質問もメモする。5個くらい講演中に質問を書き留めておいて、ベストな1つだけを聞くようにすると、質の悪い質問をさけることができる。と書かれている。
これは、実践していた。確かに終わった後に質問を考えるよりかは、確実に質問をすることができる。ただし、質が高いかどうかは、今のところ自信がない。ただ、自分の中ででてきた、超くだらない質問は確かにカットできている。自分の中で出てきた質問が全て下らない可能性が高いかもしれないが....


『質問力』は状況や文脈を常に把握する力が試されていると言える。質問を聞けば、その人間が場の状況やそれまでの文脈をどれだけ理解していたかが即座に分かってしまう。非常に怖い指標である。

いやぁー本当だよ。でも、これを怖がっていたら、せっかくの質問タイムがもったいない。くだらない質問で時間をムダにすることももったいないが。

他人が苦痛になってしまうことは避けなければ行けない

と、書かれているので、この点を注意しながら、数をこなしながら質問力を鍛えるしかないのだろう。



文脈を外さず、キッチリと織物を織っていくように対話ができる能力は、練習すればほとんど誰でもできるようになる。磨けばのびる能力なのだ。だがこれができる人は、全体のなかでそれほど多くない。相手の経験世界と自分の経験世界を絡み合わせることなく、自分の経験だけを滔々と語る人が少なくないのだ。

人間誰しも、自分のこと、自分の主張だけを語るのが好きな動物なんだということを、どっかで読んだなぁ。他人が思うほど、相手は自分の話を聞いていないんだよってなこと。だから『沿う技』によって、相手を気持ち良くさせながら、相手の経験世界と自分の世界を川見合わせていくとお互いが気持ちよく、得るものがでてくるのだろう。


『あなたが今までの人生でインパクトを受けた○○を10個あげてくだい』
文脈により○○のヴァリエーションを変えることで、その人の傾向がはっきり分かるという。でなければ、勉強不足であるし、アンテナの幅の広さや答えから奥行きをさしはかることができるという。これは確かにうなずいてしまう。審美眼が分かる訳だ。




クリエイティブな対話や新しい意味を生み出すためには、やはり右上の質問ゾーンを常に意識することが大切なのだ。
これを意識しながら質問を考えていこう。日々、毎日が練習となりそうだ。





「質問とは相手の状況、相手の興味、関心を推しはかり、自分の興味や関心とすりあわせてするものである」。と書かれているが、いやー事実。




引用


「引っぱってくる」技相手が少し舞えに言った言葉をもう一度、今の文脈に持ち出すという技

オウム返しの技一見、新しい意味を生み出さないようでも、次に新しいものを生み出す基盤作りが、こうした同調にはある。

相手と自分がいったいどこでつながっているのか強く意識しながら対話をすることが、いい質問を生み、コミュニケーション全体をいきいきとしたものにするのだ。

その人間がいちばん力を入れている部分をしっかり認めることがコミュニケーションには必要である。

自分の個人的な経験の話はできるが、他の人の経験に絡んでいけない。抽象化する力が少し足りないのである。もう少し物事を抽象的にとらえられれば、自分の経験と他人の経験のつながりを発見できるのだが、そこをつなぐ操作ができない。

比較対象をだすことによって、答えはより具体的になる。... 人によっては「時と場合によりますよ」と答えるかもしれない。「場合によるます」とか「微妙」と答えられると、次の質問をする気力がなくなっただろう。




2014年1月23日木曜日

達人アジャイラーの経験と知恵がここに。アルティメット・アジャイル・ストーリーズ イテレーション3





「アルティメット・アジャイル・ストーリーズ イテレーション3」読了。

アジャイルになることを実践している方々の試行錯誤の生の声があふれている。ヒントの宝庫だ。
それぞれの人が異なった切り口で書いており、どれもこれも、頷いてしまう。
また、アジャイルの原点などを再掲してくれたりするので、「あーそうだよね」って再確認することにも役立つ。
1人の著者によって書かれた書籍とは全く異なる面白さがある。シリーズ3作目だけど、継続ネタの著者もいたりして結構いい。

XP,Scrum,Leanなどアジャイルの形はそれぞれあるけど、それを取り入れただけで上手くいくものではないんだよね。
それを使う人によって、いかようにも変えられる。
野球やテニスなどルールやフィールドはあるけど、良い試合もあれば、最悪の試合もある。
これと同じように、決まり事がシンプルであればあるほど、そこに介入する人によって、柔軟に変えられる。
これは、選手目線(現場)、監督目線(マネジャ)、参加者目線(顧客)、で少しずつ異なるんだろうなぁ。でも最終的な価値を生み出す先に届くように活用していくべきなんだよね。

それぞれの達人が実践している試合、最高に面白い。

そして、ジム・コプリエンさん寄稿のボリュームと内容が圧倒的。
』がここにもある。
日本って結構すごいじゃん。これらが日本人の暗黙の価値観にあるって我々のストロングポイントなんだよね。成果ということよりもこういった特性にもっともっと焦点をあてるには、逆輸入しかないのかなぁ。






各著者の感銘を受けた引用


「ユーザーストーリーマッピングによる期待マネジメント 市谷 聡啓氏」
コストや期間によるスコープ調整に没頭すると、いつの間にか見失っていることがある。なんのためにプロダクトを開発するのか、そのミッションは常に忘れてはいけない。
ユーザーストーリーマップ上で縦と横で表される面積が、プロジェクトでの実現範囲となる。この面積が全体として大きくなりすぎたり、偏りすぎないように、ステークホルダーと一緒になって調整するのが、ユーザーストーリーマッピングを用いた期待マネジメントである。


「関西人スクラムマスターがとあるチームと過ごした日々 中村 洋氏」
割り込みタスクをタスクボードに追加する際に、その優先順位をタスクボード上で表現しました。急ぎであればDoingレーンに近い側に、そうでなければ、遠い側という感じです。優先順位を決めるには、依頼者にそれをやる理由や期待する効果を説明してもらう必要があり、それをスタート地点として...会話が始まります。
...
(一度に変わらなくても)このように一歩一歩工夫して、改善していくことで、より成熟したチームに変わっていくことができます。


「だからリーンソフトウェア開発は難しい 藤原 大氏」
真の問題を解決する
作っているプロダクトに焦点を当てるのではなく、顧客がまさに遭遇している問題に焦点を当てる。

「アジャイルなチームのつくりかた 阿部 智紀さん」
『アジャイルだからこれをやってみよう!』このような言葉はチームの中で一切でてきません。
...目的がアジャイルになるとプラクティスを正しく行うことに注意が向き、結果、ユーザにとってもチームにとっても正しいことを行うことができなくなってしまいます。


「アジャイルの夢を実現する -チケット駆動開発で考慮すべき点 阪井 誠氏」
...マインドはアジャイル開発の重要な要素です。しかし、サーバントリーダーシップや自律的な組織、メンバーの能力を最大限に発揮するという考え方は、従来法での開発となんら矛盾しないものです。また、顧客への価値の提供もビジネスを継続するには、当然必要とされるものです。...アジャイル開発に依存しない、そのようなマインドの実現を目指したものがプロジェクトファシリテーションと言えます。

「チームビルディングで強いアジャイル開発チームへ 関 満徳氏」
チームの中で、メンバーがお互いに刺激し合ったり助け合ったりすることで、メンバーの知識や経験が蓄積され、チームとして強くなり、チームとしての成果つまり相乗効果が発揮できるようになります。
...グループとは特定の目的を達成するために集まった複数の人々、ただそれだけです。...一方チームとはグループの中でも協調を通じて、プラスの相乗効果を生んでいるものを目指します。
チームメンバーの一人ひとりが、チームビルディングを意識し、チームビルディングを続けることが、強いチームを作るためには必要です。

「マネジメントの昇華:数字のマネジメントからの卒業 大野 晋氏」
マネージャから伝えられたのは、『迷ったら変えろ!』という原則だった。マネージャの仕事は変えること!

「マイクロソフトのエバンジェリストがやってきた”アジャイル” 長沢 智治氏」
私は技術で壁を作ってしまうのは開発者にとって機会損失になるという思いをもっている小さな枠にとらわれず開発者のもっているポテンシャルを最大限に発揮してほしいのだ。そこにはきっと『アジャイル』がひとつのテーマになるとも思っている。


著者のリストは下記から見ることができる。
http://ultimateagilestories.web.fc2.com/bookcontents3.html




2014年1月19日日曜日

イーロン・マスク。同時代にこんな天才がいるなんて。





ペイパルの創業者のイーロン・マスク。宇宙ロケット、電気自動車、太陽光発電というどれもが国家規模の事業を1人でやってのける人間がいるなんて。もう言葉がない。
冒険家、救世主。地球を救うんだろうという期待を持ってしまう。
スタンフォードを2日で辞めている時点で、凡人とは全く異なる思考ロジックなのか?いや、当たり前のことを純粋に追いかけているだけなのかもしれない。
持続的イノベーションを打破するのは、新規参入の破壊的イノベーションなのだろう。これがまさしく当てはまる。

以下のTEDの動画で、この人の魅力が良く分かる。情熱はあるけでイヤミ感がまったくない。

TED: イーロン・マスク 「テスラモーターズ、SpaceX、ソーラーシティの夢」




テスラ社のロードスターの加速が良く分かる動画もアップされている。
すんんんんんんごい。


0−400m対決:ポルシェ『911』 VS テスラモーターズEVスポーツカー『ロードスター』
http://www.youtube.com/watch?v=NhABHId42Kw


夢の仕組み


地球の人口が70億突破
  ⬇
近い将来100億に届くだろう
  ⬇
二酸化炭素の増加で温暖化
  ⬇
地球以外の惑星に住まなくてはいけない
  ⬇
火星への飛行可能なロケットが必要
  ⬇
ロケットを作るためには時間がかかる
  ⬇
二酸化炭素による地球環境の悪化を食い止めるための延命が必要
  ⬇
排気ガスをまき散らすガソリン車より電気自動車
  ⬇
電気自動車の開発が必要
  ⬇
それを広めるには充電ステーションが必要
  ⬇
太陽光パネルでの充電ステーション
  ⬇
宇宙ロケット、電気自動車、太陽光発電
  ⬇
人類を火星に移住させる


引用


イノベーションの方法
過去に例のない新しいものを生み出す場合は、原理に立ち返って物事を見つめ直す姿勢が最も重要

挑戦と成果の間には、過酷な試練が待っているものだ。

人生もロケット開発も失敗は避けて通れない。大事なことは失敗から何を学ぶかだ。
失敗をしなければ次のステップには行けない。失敗から短時間で最大限の学びを得るのがシリコンバレー流だ。

人類史にもし、成功の法則があるとすれば、それは、『失敗で挫けないこと』だ。挫折して座り込んでいては、いつまでたっても成功には辿り着けない。

原則に立ち返ること、思考停止に至っては行けないこと、チャレンジには試練がついてくるということ、失敗から高速で学ぶこと、失敗を経験しとことのない者に成功は訪れないのだろう。世の中に敗北者達はたくさんいるのだろうが、勝利した人達は、諦めずに邁進するエネルギーを持ち続けていたのだろう。自分を信じることと執念かな。


リーダー論
『指揮官はまず楽観的であることが重要だ。指揮に自身と情熱と楽観の匂いがなければ、勝利はおぼつかない』ドワイン・アイゼンハワー

夢には1つの習性がある。フォローの風に乗るとドンドン膨らむが、アゲンストの風に遭うとあっさりしぼんでしまうことだ。この習性をよく覚えておかないと、夢は手に入らない。

リーダーの果たすべき役割は、『直ちに必要とされているものと、遠い将来に必要とされるものを調和させていくこと』だ。
ピーター・ドラッカー
楽観的に振る舞うと同時に、中身は緻密に計算して、考え抜いているということと、それを実行できるだけの知能を持ち合わせているんだろう。稀代の天才だからなし得る技なのかも。



未来を手にする方法

『今』にしがみついて『未来』をあげつらうか、今を脱却し未来に光を見付けるか。

アイデアはあったのに、なぜ誰も作らなかったのか?『アイデアを実行することは、アイデアを思い付くより難しいからだよ』

『我々はここで未来を作っている』


21世紀のビジネス競争では、単品の性能をたかめるだけで勝利をつかむことは難しい。全体を取り込んだ便利で使いやすいシステムを生み出すことが成功の秘訣である。 
行動力だね。価値を心底考え抜き、没頭することで未来を切り開く。「我々はここで未来を作っている」カッコいい。


組織
シンプルな設計は、組織構造のシンプル化という大きな相乗効果も生んでいる。...ロケット設計がシンプルでないと、組織まで肥大してしまう。...設計をシンプルにすることで、組織のオーバーヘッドを極めて軽いものに変えた。

新しい技術を開発しようという時は、縦割り組織では対応できない。技術は極めて高度に複雑化しており、『ここまでが私の組織の領分です』なんて線を引いていたら、『進化のジェットコースター』から振り落とされる。

一度組織を作ると、市場が変化したからといって簡単に変えることは困難だ。本来、市場が『主』であり、組織は『従』であるはずのものが、組織が『主』になってかわらず、市場の変化から取り残されて企業は潰れる

とにかく大きいことを言いたがる人は、現場の小さな仕事にはなかなか目が届かないものだ。逆に、小さなことしか言わない人は、大きな未来は目に入らない。されば、大きいことを言いながら、小さい仕事にまで目配りできる経営者は稀少であり本物だ。
コンウェイの法則(『ソフトウェアの構造』は、それを作った『組織』を反映したものになります。」)を表現している。そして、組織構造は市場の変化に合わせて毎日でも変えたいと言っているユニクロの柳井さんの発言と通じるものがある。グローバルでトップを走っている経営者が考えることは一致している。徹底的に考え抜く経営者達の行動特性なんだろうなぁ。


ビジネス
お金は私たちの社会の必要なところへ流れていいく。カネを増やすことに知恵を使うのではなく、カネの使い道に知恵を使っていた。…人類を火星に送る宇宙ロケット開発こそまさしく価値のあるお金の使い方なんだ。たとえ、儲けが見込めなくても。

ここまで言い切ってしまうって、凡人には簡単なことではない。
あと、『フラッシュモブ』というワードをはじめて知った。このスピード感がシリコンバレーの現状を生み出しているんだろう。