2014年1月30日木曜日

勉強会参加メモ:おもしろ自分戦略 -カヤック柳澤さんと考える




日時:2014/01/30 (木) 19:30 - 21:30
場所:株式会社サイバードさん
タイトル:DevLove おもしろ自分戦略 -カヤック柳澤さんと考える-

カヤックの柳澤さんが会社を立ち上げた背景にあった思いや狙い、カヤックの戦略と柳澤さんの戦略のお話。

感想


帰り道、同僚と話が止まらなかった。すべてに心動かされた。自分の価値観を180度変えないといけないのかもしれない。

チャレンジのコト
世の中、チャレンジや挑戦や失敗を恐れるなと言うけれど、本当にそうなのか?でもカヤックさんはひと味違うようだ。
評価の中に失敗を語らせる箇所があるという。失敗していないことはチャレンジしていないということ。それこそが機会損失なんだろう。
武勇伝として好んで失敗したことを持っているという制度は、古い体質の会社には簡単なことではないだろう。でも『古い体質』というだけで思考停止に至っている私はどうしようもない。今日の話の中で、そんなこと言っていたよなあ。自分で自分を制限しているって話。オレアホだ。

人事のコト
講演の中で、特に笑いが大きかったのは、『エイプリル採用で4/1限定で経歴詐欺OK』という企画を人事部門が自ら立ち上げて実施しているという。もう行動力がすごいというか、面白いというか、圧倒的というか。人事もみんなクリエーター上がりというから素敵。

そして、その人事の採用活動として、進学先実績のようなサイトがある。その中で退職者インタビューなど、辞めた人も1つの生態系という考えかたをしてる。これからの流動的な世の中では、このように物事を考えないといけないのだろう。

この人事関連の採用の一貫のなかで、基本方針として、『何をするかより誰とするか』という考え方が浸透している証なんだろう。トップがこの価値観のもと言動していることが、会社の文化に染み渡っているからことでき、それを周りが肉付けをし、好循環で、この方針が増強されているポジティブスパイラルを描いている。
これだけのことをするのは、どれだけ大変だったかと思うと気が遠くなる。しかし、これらのことすらも、もしかしたら楽しんでやっているのかと思うと、もう惨敗。
誰をバスに乗せるかという、『ビジョナリーカンパニー』の考え方がここにもでてくた。
できる経営者は、やはりここに注力しているのか。

面白いことをしているが、財務の部分はしっかり担当しているチームがあるという。経営が傾くほどの失敗がないように、経営部門とは切り離しているということは、ずっしりきた。

ビジョンのこと
ビジョンは評価と制度とリンクさせないといけない。 
やはり、トップみずからが行動し、メンバーにもそれを促すためには、評価や制度がその価値基準に沿っていなくてはいけない。額に飾ったビジョンではなく、実践できるその価値観から、こころから発せられている思いからビジョンが作られていると思った次第。

オープン。隠すことは、失敗することよりも不信感を抱かせるということだろう。これもどっかの本で読んだことと合致している。

誰かのせいではない
とあるプロジェクトにて、市のせいにしようとしてたけど、それって組織のせいにする新入社員と同じロジックだったという発言。ここに気づいて、力技でプロジェクトを実施させた魂はすごいと思う。
会社のルールを変えるくらい訴えろという行動力。自分の枠や制限を設けているのは、他人のだれでもなく自分自身であるということ。心に響いた。私自身、なかなか、ここまでは自分自身にも他人にも言うことができない。
でも、他人に厳しく言えるくらい自分自身に対して後ろ指さされないようなリーダーとしての言動が必要になるのだろう。それも楽しみながら、楽観的に。うーん。ハードルあがる。

組織戦略のコト
最後に学習意欲が湧く言葉として、『組織戦略』という単語。事業戦略だけではなく、このあたりをもっと意識して考えないといけない。学習の幅を広げてみたいと思い、それと同時に実践も大事だと実感した講演だった 

カヤック柳澤さん、会場のサイバードの会場の皆様、 DevLoveの皆様、ありがとうございました。

URL

カヤックさん
http://www.kayac.com

会場のCybirdさん
http://www.cybird.co.jp

講演メモ

タイプした内容をつらつら・ずらずらと。


面白法人
15年やり続けている。

何に投資してきたか、面白法人に投資してきた。

経営方針
 つくる人を増やす
 何をするかより誰とするか

目標がない。
 どんな事業をするかは、ない。

面白法人のビジョンはあった。
 階層、国籍なし、経済合理性なし、地域と連動で価値を高めていく。
 好き勝手に働いていく。それをコピーに込めた。
 これで成長してきた。

目標や夢がない人からするとピンとこない。ないと投資できない。
 リスクとリターンがない。未来が分からないことには投資ができない。
 投資するってことは、未来に対して行うもの。

採用
 外国人を採用した後は、業績も一時は悪化したけど、未来にたいするイメージの思いがあったから投資できた。
 面白法人に魂を込めてきた。
 超頭のいい中国人は3ヶ月で日本語ペラペラになる。
 欧米系も採用したけど、転職する。
 第2外国語が英語の場合、英語力を見れば、日本語習得度が分かる。
 社内公用語は日本語!!
 アニメ好きは多い。日本語はアニメで覚えた。トップ5は4人が中国人。

面白いの3つのステップ
 1.自分たちが面白く働く
 2.クライアントやユーザーから「オリジナリティがある」「面白い」と言わせる
 3.「人生が面白くなった」という人を1人でも増やす

面白さのKPI
 KPIをとり続けている。半期に1回、質問をし続けている。
 このKPIに対して人事が手を打つ。面白くないと言っている人には人事が入る。
 メンバーが面白くないというチームのリーダーは査定が低くなる
 顧客からの依頼に関しては、ソーシャルメディアの結果でジャッジしている。それを測定するツールでお客様や社内の評価としている。

ビジョンは評価と制度とリンクさせないといけない。

「誰とするか」にこだわります。
 事業戦略
 組織戦略
  組織戦略が強い部分
  とくに採用戦略が強い。

面白採用キャンペーン
 社員の90%がCreator
 人事部も全員Creatorあがり。人事部も自らが採用キャンペーンなどを作れる。

 エイプリル採用。経歴詐欺OK 4/1限定

辞めた人も1つの生態系
 辞めることを推奨しよう。
 辞めた人が優秀なんじゃないか。優秀な人をかこってしまう起業はある。吸引力があるけど、出ることが次につながらなくなる。優秀な人がでることがメリットになるように推奨する。
 進学先実績のようなサイト
 退職者インタビュー。

カヤック強くなったなというできごと
 20−30人の組織。なんでもあり。どんなメールでも流してよい。
 6、7割が感謝。1、2割は毒づく。勧誘もあり。
200人になると、月に2、3人の出入りがある。毎日のように退社メールがある。新入社員にも毒づいたメールを見られてします。ちょっとまずいかも。放置する中で強くなる。
 誰もどうようしなくなる状況を作る。優秀な人が辞めた時、動揺の空気があったけど、なくなった。
 隠すことの方が弱くなっていく。とにかく選択をしようというとき、恐怖の思い、不安の思いは要注意。
 だいたい良くなくなるので、オープンにした方が強くなる。これは面白くなるように働くってことに修練されていく。
 隠さずやっていこう。社内制度を作っていくメンバーはそれらを考えている。
 組織戦略5、6人。
 エンジニアは組織にたいしてコミット等はしていない。


質問タイム 



Q. 評価は誰がどうやって評価するのは悩ましい。
A. 職種グループ。ランキング。社長になったつもりでチームメンバーを実力順に並べてください。
報酬はその平均値。思想はみんなの感覚は案外あっている。以外にみんなの納得感がある。自分は誰に納得されると納得感があるか。エンジニアはエンジニアに評価されたい。デザイナはデザイナに評価されたい。リーダーは重みづけがある。全順位は公開しないけど、どのランクかは公開する。プロジェクトの計画の人件費も計算しやすい。
給料をあげる方法。みんなに認められること。どうやったら?
人事は基準を決めたい。 でもそもそも間違っている。主観で良い。社長が主観で並べる。
その主観の集合。価値観の最大公約数が出る。蹴落とす人達は、下がる。助けてあげようと言う人達が多ければ、その価値観、主観で会社の文化みたいなものが分かる。
だから採用には注力している。
3ヶ月でも退職金出してでも辞めてもらう。

Q.電子書式系の会社に努めているが一緒に仕事をしていくにはどうやっていったら良いのか
A.仕事のコラボはWebで受け付けているので相談できる。受託ははまらないと難しい。気軽に声かけてもらえばいい。

Q.新規事業の生み方。
A.研究開発。月1発表で何かが生まれてくる。だれが出しても良い。
新規事業だけのチームもある。3ヶ月にチーム構成を変えながら行っている。
そういう人を採用している。あてられるものを作れる人は20人に1人しかいない。それに乗っかる人も多い。
それに乗っかる人も大事。半分以上そうじゃないか。


Q.働いている人がおもしろがって、儲かると良いけど、儲かるまで苦労したこと
A.売上げは15年あがり続けている。利益は1回赤字を出した。その都度チャレンジして失敗している。
経営者としては、会社をなくすことを避けなくてはいけない。失敗してもなくさないようにしてきた。
維持するためには、数字をしっかり見るチームがいる。その枠の範囲で見ている。プロトタイプを出してどれくらい人をはったり、3ヶ月でKPIを見ながら、やって次々やっている。それが強みでも弱みでもある。
最近はしつこくやっているサービスもあるので、伸ばしたい事業もある。

Q.面白法人という人格でネガティブな出来事、ゆらぐぐらいの出来事は?
A.一貫性をもっていて、年に2回いく。そういうことは必ずやっている。
毒づく退社メールもあれば、信頼からのDisりあうこともあって、すさんじゃうこともある。
面白く働くは自分自身の問題なので、外の評価はあまり関係ない。
会社が潰れたら終わりだけど。

Q.ソフトウェア会社で新しいものツール等の普及は反対される。面白くするために普及させたいけどはどうしたら良いでしょうか?
A.2つある。1つめは、理不尽。市のせいにしようとしてたけど、それって組織のせいにする新入社員と同じロジックだった。
だから、実力で、会社のルールを変えるくらいうったえる。
2つめは実力でどうにもならないことは、その閉塞感を楽しむことしかない。
不安な時は、年に何回かはある。不安を楽しむ感じがある。自分を俯瞰して楽しむ余裕があるときは大丈夫。そういうのを常に意識する。苦しいけど、来年楽しくなるんじゃない?俯瞰して楽しむ。
楽しく働くためには2つしかないんじゃないか。

Q.クリエイティブルーム。特に面白いアイデアを出すクリエータはどんなスペースが好きなのか?
A.オフィスも組織戦略も1つ。いまはどこの会社もかけている。その優位性はなかなかもう出にくくなってきた。
他と比べてガッカリさせるようにはしない。快適さは組織にもよる。オープンでみんなでワイワイ。会社の性質にもよる。3つくらいのルールがあってやっている。共通するなかで良いのは、天井が高い。イスが快適。モニタなど必要な大きさなど惜しまない。社食など。

Q.楽しかったけど大きな失敗は?
A.評価制度は実力を決めるための報酬。
定性評価で失敗を語らせるコーナーがある。
失敗していないことはチャレンジしていない。
このんで失敗したことを武勇伝として持っている。
人とからむことはいっぱいある
事業では、貧乏揺すりユレックスというアプリ。
ブレストで会社のムダをなくそう。貧乏揺するを電気に変えよう。
蓄電まではできない。LEDが光るくらい。貧乏ゆすりカウントするYUREX。明和電気
3000個制作で、100個売れた。980円に下げたら1週間で完売。
おもちゃ屋さんから、おもちゃは安くしても売れないものは売れない。安くしたら売れるってことは見込みあり!!でも断った!!
カヤックのブランドを上げるための予算はとっているので、それとは異なるプロダクトだった。

Q.面白く働く、個人レベルでアホなことや面白いことやっている人いると思うが、面白いことをやっている人のケースなどありますか?
A.面白い働き方をしている人の例
10年くらい働いている45歳くらいの人。芸大出。10年風邪で休んだことないけど、週休3日で働いている。9時5時でぴったり完璧に働いている。メールも仕事もそれ以外はしない。そのかわりものすごく自分に厳しい。見積もりも厳しい。マシンと呼ばれる人がいる。
ギネス円周率の記憶の記録を持っている。全社員の誕生日などを覚えている人などもいる。

面白いものを作っている人はいるけど、価値観が異なるので色々ある。

Q.従業員満足度を上げるため、生産性を上げるため、コミュニケーションを上げるための活動している。保守的な会社で、仕事以外のことをしていると何をしているのかと言われてしまう。カウンターのために柳澤さんなら何をするか?
A.カヤックは境目がない。一生懸命なんか作っていた。ロボットコンテストに応募しようとしていた。それはNG。仕事か仕事じゃないかは難しい。自主的な開発をOKにしている。
構造上、何をというのはなく、休みの時も含めて仕事に繋がるような人や業種を選んでいる。社内のルールでどうこうしようとはしていない。後から事業をのせていくようにしている。
福利厚生という概念はない。社員満足度の概念もない。満足するということは終わり。どうやったらヤル気がでるかとかを考える。
福利厚生を増やして、社員の満足を上げるのではなく、仕事で満足するように心がけている。

Q.面白いの中には、自分が伸びていくや変わっていくも含まれると思う。こういうのが良いよねってありますか?
A.全肯定主義。生きているだけで素晴らしい。面白くあろうとする。欠落している人が集まっても、世の中の一部を埋められるのではないか。カヤックでダメでも他で大丈夫だろう。元気になる。自由になる。自身になる。そういうことを勇気づけている。カヤックを話題性上キャリアアップになるようにしっかりやっていこうとコミットしている。人が変わたり、自身になるときが面白いと思っている。できないと思っているのは、自分だけ。周りは出来ると思っているだけじゃんと、周りは思っている。強い意志があれば出来る。会社のせいにしているのは、その人の固定概念。それを除いてあげるようにしてあげている。出ることが変化だし、次の所で活躍するためのには、結構厳しい組織である。5、6年したら、自分自身も他にいかないといけないと思っている。


Q.業績が悪くなった時期。業績が悪くなったときどういったことを考えたか、指した1手?
A.致命的な失敗や状況はどういった時かというと、倒産した社長へのインタビューでは、あと半年のお金があればなんとかなった。
財務にしっかりした人がいて、バッファと対策を考えられる人が冷静に見ている人が必要。俯瞰的に見れる人材が経営陣とは分けた体制でもった方がよい。
カネになることならないことやっていると思われているけど、その財務の部分をしっかり先を見越して考えるチームがある。


告知

最後に2つだけ
1. 3/15・16に鎌倉建長寺で『禅ハッカソン』。宿泊費と食費がかかる。2、3人のチームでアイデアかものづくりコンテスト。ハッカソンとは別の仕組みあり。なんと21時に寝て3時に起きる。精進料理を食べて、ハッカソン。建長寺のお坊さんが審査員。チーム制を考えている。是非どうぞ。

2. 今期は体制を立て直して、攻めようとしているので熱烈人材募集中。


 柳澤さんの書籍の紹介


  • 面白法人カヤック会社案内
  • アイデアは考えるな
  • この「社則」、効果あり。  

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