2014年1月25日土曜日

質問力とは沿う力



斉藤さんの本は2冊目。文章が上手で引き込まれる。著者本人が教育者と自負しているように、否定のしようがないほど上手い。

質問力を『沿う技』と『ずらす技』の豊富な例や対談などのシーンを引用して、丁寧に説明してくれている。ただし、これを自分自身ができるようになるには、訓練が必要になる。意識して1つずつ練習するしかないだろう。テレビでの著者のコメント等を聞き流していたけど、意識しながら聞いてみようと思った。生きた教科書がある。



「できる人」とは、下記3つをもっており、社会で生き抜いていくために必要な力である。

  • 教えられなくても自分でポイントを盗んで技をマスターする「まねる(盗む)力」
  • これと連結する『段取り力』
  • その上でようやくしたり質問できる『コメント力』

「質問できるコメント力」とは、簡単ではなく、日々の中で頻発することでしかスキルアップできないだろう。最近は、エンジニアとしてマシンを相手にしていた時間よりも、人と話している時間が圧倒的に多くなった。なので今の自分には、必達しなければいけない能力である。


講演等で質の良い質問をするには、ノートをとるついでに質問もメモする。5個くらい講演中に質問を書き留めておいて、ベストな1つだけを聞くようにすると、質の悪い質問をさけることができる。と書かれている。
これは、実践していた。確かに終わった後に質問を考えるよりかは、確実に質問をすることができる。ただし、質が高いかどうかは、今のところ自信がない。ただ、自分の中ででてきた、超くだらない質問は確かにカットできている。自分の中で出てきた質問が全て下らない可能性が高いかもしれないが....


『質問力』は状況や文脈を常に把握する力が試されていると言える。質問を聞けば、その人間が場の状況やそれまでの文脈をどれだけ理解していたかが即座に分かってしまう。非常に怖い指標である。

いやぁー本当だよ。でも、これを怖がっていたら、せっかくの質問タイムがもったいない。くだらない質問で時間をムダにすることももったいないが。

他人が苦痛になってしまうことは避けなければ行けない

と、書かれているので、この点を注意しながら、数をこなしながら質問力を鍛えるしかないのだろう。



文脈を外さず、キッチリと織物を織っていくように対話ができる能力は、練習すればほとんど誰でもできるようになる。磨けばのびる能力なのだ。だがこれができる人は、全体のなかでそれほど多くない。相手の経験世界と自分の経験世界を絡み合わせることなく、自分の経験だけを滔々と語る人が少なくないのだ。

人間誰しも、自分のこと、自分の主張だけを語るのが好きな動物なんだということを、どっかで読んだなぁ。他人が思うほど、相手は自分の話を聞いていないんだよってなこと。だから『沿う技』によって、相手を気持ち良くさせながら、相手の経験世界と自分の世界を川見合わせていくとお互いが気持ちよく、得るものがでてくるのだろう。


『あなたが今までの人生でインパクトを受けた○○を10個あげてくだい』
文脈により○○のヴァリエーションを変えることで、その人の傾向がはっきり分かるという。でなければ、勉強不足であるし、アンテナの幅の広さや答えから奥行きをさしはかることができるという。これは確かにうなずいてしまう。審美眼が分かる訳だ。




クリエイティブな対話や新しい意味を生み出すためには、やはり右上の質問ゾーンを常に意識することが大切なのだ。
これを意識しながら質問を考えていこう。日々、毎日が練習となりそうだ。





「質問とは相手の状況、相手の興味、関心を推しはかり、自分の興味や関心とすりあわせてするものである」。と書かれているが、いやー事実。




引用


「引っぱってくる」技相手が少し舞えに言った言葉をもう一度、今の文脈に持ち出すという技

オウム返しの技一見、新しい意味を生み出さないようでも、次に新しいものを生み出す基盤作りが、こうした同調にはある。

相手と自分がいったいどこでつながっているのか強く意識しながら対話をすることが、いい質問を生み、コミュニケーション全体をいきいきとしたものにするのだ。

その人間がいちばん力を入れている部分をしっかり認めることがコミュニケーションには必要である。

自分の個人的な経験の話はできるが、他の人の経験に絡んでいけない。抽象化する力が少し足りないのである。もう少し物事を抽象的にとらえられれば、自分の経験と他人の経験のつながりを発見できるのだが、そこをつなぐ操作ができない。

比較対象をだすことによって、答えはより具体的になる。... 人によっては「時と場合によりますよ」と答えるかもしれない。「場合によるます」とか「微妙」と答えられると、次の質問をする気力がなくなっただろう。




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