感想
エンジニアの本だと思って衝動買いしたんだけど、原著のタイトルを見てびっくり。マーケティングの本だった。しかし、読んでみると、ベンチャーがビジネスを成長させるためのマインドの本である。
Dropbox,Groupon,Evernote,Hotmail,Airbnb,クックパッド,Paypalなど、これらの会社が行った成長させるための離れ業を紹介してくれている。
従来のモノを造ったあとに膨大な費用をかけたマーケティング方法ではなく、お金がないベンチャーが製品を成長させるための活動、事業を常に成長させていくためのあらゆることを考え、最善な方法を試し、実行し続けることがマーケティングなんだと言っている。
口コミやバズ効果によってユーザーがユーザーを連鎖反応で生む成長マシンの自己増強型スパイラルを構築していくための方法論をトライしながら実践していくために何でもやる人達のことをグロースハッカーとしている。
ホルスティー・マニフェストが口コミでの拡散の成功例としてあげられている。書籍の中の図の脚注見るとアジャイルで超有名な平鍋さん。すごい。ここでも活躍されているんだ。
http://blog.holstee.com/post/44219872401/almost-two-years-ago-two-members-of-the-holstee
書籍で紹介されている黒板ポスターがあるんだ。
https://twitter.com/hiranabe/status/223612444113780737
引用からの感想
「製品開発とマーケティングを完全に別のプロセスとして行う方法はもう古い。」
「グロースハックとは、製品自体を数百万人の顧客にリーチする自己永続マーケティングマシンにすることだ」
「インターネットとソーシャルメディアのツールを使えば追跡とテストを繰り返せるし、マーケティングを改善できる。そうすれば、従来のギャンブルが必要なくなるだけでなく、そうしたギャンブルがとんでもなく非生産的であることがわかる。」
「マーケターの仕事は、手にした製品をそのまま扱うのではなく、製品に取り組み、改良することなのだ。マーケティングのあり方は完全に変わる。記者やユーザーに対し、共感を呼ばない製品をひたすら宣伝するだけという時代は終わった。」
はじめの方の章で、旧来のマーケティングのムダとスタートアップのマーケティングの効果の差ややる意義などを紹介している。このあたりはマーケティングのことが強く書かれている。人々に認知され、ユーザーへと変えていくための方法であるとすれば、それをマーケティングと呼ぶべきだと言っている。
口コミを期待するのであれば、以下の3つがまず存在するかのタフクエッションをしないといけない。
- 顧客がこの製品を話題にする理由はあるだろうか?
- この製品には顧客が人に勧めたくなるような工夫がしてあるだろうか?
- そもそもこの製品には話題にするだけの価値があるだろうか?
「PMFへの到達はマーケターの仕事だ。...企業はPMF達成のためにできることをすべて実行する必要がある。人を変え、サービスを修正し、異なる市場に参入し、やりたくないことは顧客にノーと言い、...とになく必要なことはすべてだ。」リーンスタートアップの書籍などにでてくるproduct market fitの成長施策がマーケティングであり、グロースハッカーの業務であるということだ。このようなマーケター&エンジニアが世の中では必要とされている。
「圧倒的な成功事例をいきなり引き当てることは難しい。大事なのは、数字を測定する基盤を作り、仮説を立て、検証可能な施策のアイデアをたくさん出し、どんどん実施して検証していくことにある。」改善するための基盤を作り出そうとするところがハッカーなのだろう。グロース&ハッカー。名前の由来が分かる気がする。
「エンジニアがグロースハッカーとして活躍する機会が飛躍的に増えてくるだろう。「ハッカー」という言葉がそもそもエンジニアであることを前提としているように、サービスの企画から開発まで一手に引き受けることができるエンジニアが、今後はどんどんグロースハッカーとして台頭してくるだろう。」旧来型の役割が決まっている縦割りの仕事よりも、なんでも出来るエンジニアや、マーケティングにも何でも興味のある人材が、今後のグローバル社会では絶対に役に立つと思っていたし、そういった思考で行動してきた。こんな風に言ってもらえると、勇気がわいてくるね。
「予算のない新興企業が編み出した奥の手から注目のマーケティング手法へと位置づけが急激に変わってきています。」既存の業種を壊すのは、常に新しい人種であり、資金がないからゆえに、工夫に工夫を組み合わせてトライしていくマインドが世の中を前進させるのである。
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