日時:2014/02/19 (水) 19:30 - 22:00
URL:http://devlove.doorkeeper.jp/events/8631
場所:DRECOMセミナースペース「しぇあスペ」
概要:「スタートアップ開発とサービスを支える技術」。 開発組織を育てるための取り組み、サービスを広く届けるための仕掛け、そしてサービスを支えるフロントエンド技術にフォーカスをあてたお話。
感想
大雪の可能性があったので、運営の人達は、開催まで気を揉んだことは容易に想像できる。開催してくださったことに感謝。大変勉強になった。
会場は、DRECOMさんの「しゃあスペ」のオシャレ感最高。超カッコいい。こんな奇麗なスペース。スゴい。
そしてそして、受付でリブセンスさんのステッカーを貰った。色味がすごく好きだ。
今回の3名の登壇者の話の中で、私の好きな書籍もたくさん登場していた。かなり私独自の感想かもしれないが、私の勝手な解釈で下記書籍の内容を実際に先行して実施しているという貴重なお話だった。
「
イノベーションのジレンマ」+
「
リーンスタートアップ」+
「
リーン開発の現場」+
「
アジャイルサムライ」+
「
グロースハッカー」+
「
ザ・アドテクノロジー」
= 「
笑顔」
つまり、成果報酬型という破壊的イノベーションでスタートアップし、スモールスタートでフィードバックループを回し、組織の枠を越え、越境して価値を世の中に提供していき、そして、アジャイルプラクティスを使いエンジニア・デザイナが恊働し、アドテクノロジーを活用し、プロダクトの中にチャネルやマーケティングを入れ、エンジニアのスコープとして位置づけ、グロースするために、マーケティングをプロダクトと一緒に考えていく。(あはっ1文が長い)
組織のこと、開発のこと、スタートアップのこと、グロースのこと、フロントエンドエンジニアのこと、アドテクノロジーのこと、マーケティングのこと、リブセンスさんの魅力が至る所に詰まっていた気がする。こういった企業風土・文化の会社が日本をイキイキとさせていくのだろう。笑顔で仕事をするって最高だ。
紹介されていた資料など色々
ビジョン
リブセンスの「未来のあたりまえ」のムービー
これは本当にあたりまえなのか?
「あたりまえ」に疑問をもつ。
世界にはまだまだ新しい当たり前が必要だ。
新しい幸せは、新しいあたりまえの中に眠っている。
Starbucks Customer Experience Map
Gartner Digital Marketing Transit Map
Display Advertising Technology Landscape(JP/2013)
Confluence
HipChat
引用
広告は平凡な製品やサービスをつくってしまったことに対して、あなたが支払う代償である by Jeff Bezos
マーケティングは販売に注力するのではなく、むしろ販売が不要なほど魅力的な製品の開発に注力すべきだ by Philip Kotler
後日追記 当日のスライド
19:40 - 20:10 「エンジニアから強いスタートアップ企業をつくるには」CTO 平山宗介氏
CTOに就任してからの2年間、スタートアップ企業をエンジニアから強くするべく行った取り組みを、 “システム基盤構築” と “エンジニアドリブン文化の形成” という観点からお話しさせて頂きます。
強いスタートアップ企業だよ!
数年間、がんばってきた。その過程を話したい。
社内の意識のずれを、改善すべく、この動画をつくり、一丸となってがんばろう。CIを新しくした。あたりまえを発明しよう。
リアルな課題を解決し、多くの人が長く、あたりまえのように使うサービスをものづくり力を軸に展開する次世代ベンチャー
成果報酬
ジョブセンス
ジョブセンスリンク
ジョブセンス派遣
不動産
door 賃貸
転職会議
エンジニアってどういう感じなの?
三浦海岸で合宿。雪で帰れなくなってしまった。
リブセンスパーカー作った。
ものづくりの会社。
正社員: 97名
エンジニア・デザイナ38名。40%
多様な会社から集っている。
エンジニアから強いスタートアップエンジニア企業に
LIVESENSE made
デザイン、テクノロジー、マーケティングを駆使しながら価値のあるものづくりをしていこう
エンジニアチームのフォーメーションの変遷
2年間で4つのフォーメーションの変遷があった
1.受託
2.開発部枠強化
3.マトリクス
4.開発部解放
1.受託
事業部毎の縦割り。横串もあったけど基本事業部
ビジョンミッションが不明確、チーム間に大きな溝、チームとして動けていない
2.開発部枠強化
エンジニア部門の横軸強化
目的
1.情報共有基盤の導入と文化の醸成 Confluence/HipChatの導入
みんな積極的に発信するようになった
2.各レイヤーでのビジョンの明示化
全体戦略とプロジェクト戦略等を見える化した。資料等もアップして総括等を徹底
今の状況を見える化して次にどう行動しようかを考える材料
3.タイムサイクルとメンバー役割の明確化
月次、週次、日次でなにをやるかを明確化していった
4.自律的な改善文化の構築
タスクフォース。
もやっとしているところは誰かが直してくれるのを待つのではなく、みんなで協力し合って直していく。
クオーター頭に現状の課題点の洗い出し。クオーターいっぱいつかい、協力しあって改善活動
メディア開発実践
インフラ業務改善
コードレビュー整備
デザイナ協業改善
セキュリティ強化
グロースできる力を育成していく。
エンジニア自らが勉強していく。スピーディに回していく。文化の醸成ができた。
この4つが結構良く回った。シャンパンあけたり、ポスターつくったり、リリースしたあと、がんばったら喜ぶ。
顕在化していた課題の解決
Good意識向上、リズム確率、ツール整備、基盤整備、サーバー増強、採用強化
Bad「俺らエンジニアだから」のセクショナリズムもあった。内向きもあった。
エンジニア文化の種まき完了したフェーズ
3.マトリクス
横串を強くしたことによってセクショナリズムの弊害があった。事業の成長にがんばろうを強化。
マトリクスによりレポートラインが複雑化していった。
階層化が発生して、事業ユニットとエンジニアがミスマッチしてしまった。事業構成も流動的に変わっていった。
4.開発部解放
2014/1から。
エンジニアを事業部に配置した。横断担保としてCTO室。CTO室でエンジニアの文化やR&Dなどを担保
エンジニア文化維持、高度技術提供、採用、インフラ基盤
今のところ良い感じ。
シナジーを生み出す組織になっていきたい。
エンジニアから強いスタートアップ企業を作るには?
絶対的な方法論やあるべき組織体制 というものは存在しない気がする
現状に向き合って解決していくことが大切ではないだろうか
ドライブするのが開発。事業フロントではなく交差したイチにいることが多い。
背景を理解してプロとしてやるべきことをやるのが強いチームだろう。
TECH AND DESIGN
20:10 - 20:50 「少数精鋭でもプロダクトを多くのユーザーに届けられるデジタルマーケティング」 取締役 桂大介氏
「いいものをつくればユーザーに使ってもらえる!」
そんなふうに考えていた時期が私たちにもありました。創業期から現在に至るまでを振り返り、リブセンスの成長を支えたデジタルマーケティングの全容をお話します。
エンジニアでマーケティングやっている人って少ない
宣伝活動
広告費用
営業訪問
広報活動
広告は平凡な製品やサービスをつくってしまったことに対して、あなたが支払う代償である
Jeff Bezos
マーケティングは販売に注力するのではなく、むしろ販売が不要なほど魅力的な製品の開発に注力すべきだ
Philip Kotler
きちんとした製品をつくれば、広告は必要ない
広告費に費やしたお金を製品開発に使った方がいいだろう。
広告って本当にいらないものなのか?Appleも差別化しているけど、広告をうっている。どういうものか_
優れた広告は優れたプロダクトを加速させる。ブースターになれば広告にも価値はある。
良くないプロダクトは広告費を費やしてもうれないけど。
マーケティングは「優れたプロダクト」「優れた広告」を明らかにする技術。
ジョブセンスのお話
つかってもらわないとわからない良さ。
お祝い金制度。貰っている人のリピート率高い。差別化できている。自動的に広まっていくか?そんなことはない。
ゲームの話してもアルバイトサイトの話題は人に教えたりしない。 プロダクトによってバイラルが馴染むかどうかはある。
マーケティング活動には力をかけてやっている。
マーケティングの結果
人に受け入れられる。人のニーズを掘り起こせる。
デジタル化と一体化
伝えたいこと1 マーケティングはデジタルで透明化される
カスタマージャーニー
Starbucks Customer Experience Map
エゴサーチ
アプリレビュー
ユーザーのタッチポイントやインサイトを図にした。行動の指標化と改善していく仕組み。
タッチポイントのインサイトは見えなかった。ユーザーの気持ちをしることが昔は出来なかった。
オンライン上でやる場合には、結構透明化できるようになってきた。増えてきた。
ユーザービリティテスト
トランザクションユーザーログ
紙の時代には、ユーザーの属性や採用結果は分からなかった。
莫大なコストのユーザー調査やレビューが、簡単に取れるようになった。
伝えたいこと2 宣伝活動はプロダクトに一体化された
web2.0まではあまり大きな転換はなかった。一部の特権が民主化した。
しかし、Web上でものを発信しない人がいない。バイラルでコンテンツが出回る。
チャネルやマーケティングがプロダクトの外にあったのが、プロダクトの中にはいってきた。
バイラルの中でグロースハック。これが代理店ではなく、プロダクトの中に入れ籠む。エンジニアのスコープ。マーケティングをプロダクトと一緒に考えていく。
プロダクトのスコープに入れちゃう。エンジニアがマーケティングに加担する。
The Lean Startup
フィードバックループ。
The Lean Markething
マーケティングも同じ。プロダクト制作とマーケティングも一緒。代理店に丸投げではなく、リターゲティング。
とはいえ、デジタルマーケティングのことを考えると複雑。デジタルマーケティングマップ。
ものすごい複雑。もっと言ってしまえば、広告だけを取り出すとカオスマップになる。
Display Advertising Technology Landscape(JP/2013)
アトリビューション分析
1人のユーザーがサイトにきてコンバージョンした。1回でっていう人はいない。入って、出て、検索で入って、平均で何日間か検討して、最終的にコンバージョンする。出たり入ったりを何回か繰り返す。
どの広告がどれくらい貢献したかが、アトリビューション分析。 Google Analiticsでは限界で自社開発。Redshiftなどのビッグデータ基盤を利用中。
ムズしい?ややこしい。アドテク業界は慣れ親しんだ言葉が少ない。
リスティング広告の在庫連動
ページ到達によるクリエイティブの出し分け
クロスデバイスの統一ユーザーとラッキング
なので、
だからこそ、エンジニアからマーケティングを見直そう。
それは、きっと、優れたプロダクトを加速させる。
最終的には実装はエンジニアがやることだし、カバーできない場合は 自社の分析ツール作るし、できるできないの判断はエンジニアじゃないと難しいでしょ。
ユーザーの一人ひとりの体験を良くしたいというエンジニアは多い。しかしそれの上、多くの人に使ってもらいたいと思うようにフォーカスしていきたい。
21:00 - 21:30 「アジャイル開発のためのマークアップ」デザイン部 フロントエンドエンジニア 植村建太氏
新規サービス立ち上げ時に直面したフロントエンドの課題に対する取り組みで得た経験を通じ、スタートアップにおいて必要な“フロントエンド開発の原則”をお伝えしたいと思います。
フロントエンド・エンジニア
わたしとアジャイル開発
アジャイル開発とマークアップ
プロダクトデザイン
フロントエンド・エンジニア
ワイヤーフレーム
CSSの設計
javacscript
cacuuをつかって作成
なんとなくLEGOのパーツづくりに似ている
エンジニアのサポートが充実。
わたしとアジャイル開発
ほんの少し前は、静的ページでコーディングしたものをエンジニアに渡していた。アジャイル本を傍観していた。
マークアップエンジニアは画面を提供するだけで仕事している感があった。
社内でもアジャイル開発が本格化、イテレーション会議。エンジニアの使っている単語が分からなかった。
エンジニアの読む本を読むようになった。
デザインをアジャイルに組み込むイメージがつかなかった。
潜在的な問題をかかえたままプロジェクトを回していくのは辛い。いざやるときのコストはかかりまくる。
アジャイル開発とマークアップ
必要最低限の機能。イテレーションで小さく回していくとエンジニアは考える。
デザインでは?構成が変わると全体の手直しが必要となる。
デザインの文脈によって、全体的にテンプレートに変更を加えても良いのか?
イテレーションで終わるのであればOK.
長期的な視点が必要な場合、細かく機能を分割して各イテレーションでやる
ひとりウォーターフォール感、半端ない気持ちになってしまう。
意識していること
1.後回しにしてしまいがちだが、会議前の準備はしっかり
2.PJTを横断することで作業効率が下がりやすいことを自覚
3.MTGに参加する意義がある
4.今やらなければいけないことに優先順位
5.健康
アジャイル開発におけるデザインとマークアップ
デザイン込みのベロシティを測るのがメチャクチャ難しい
デザインはストーリーをタスクに分解しにくい
ストーリーへの着手のタイミングがずれる
開発だけできてるけど、デザイン未着手みたいなのがバックログに溜まりだす
議論は3倍くらいが丁度良い。
プロダクトデザイン
アジャイル開発は1つの方法であって、デザイナーがどう関わっていくのかというのは、難しく考えてしまう。
LeanUXの思想がそのままアジャイル開発に落とし込めれば良いが、1つのチームで動くのは問題がある。
プロダクトデザインを大事にしていければいいなぁ。
PDCとか静的なデザインとか、コーディング規約とかじゃなくて、本番サイトを製品として見よう。
デザイン、フロントエンド領域、バックエンド領域に分けてきたけど、領域を横断しよう。
HTMLやCSSの勉強会を開き、簡単なコーディングならメンバー誰でも出来るような環境を目指す。
まとめ
スタートアップってリソースが限られる。デザインが外注になる。専属のデザイナーがついて、フロントエンドエンジニアがついて、っていう文脈になってきている。サイトの改善スピードって全然かわっていくよねっていう話を良くしている。
21:30 - 21:50 リブセンスにイロイロ聴いてみたい
質問 サービスを長くしようとして、始めるためのハードルがあがった時、サービスの品質って、スタートアップだと相反するのではないか。工夫している点。
新規事業を出す。年に1、2本。ちゃんと市場を調査して、少数精鋭。スピードも大事。ちゃんと慎重にして出すようにしている。組織論にも繋がる。息切れしちゃう。確実にいけるものを長期視点で見る。それをちゃんとやり続ける組織が良い組織だろう。
質問 エンジニアの中での情報共有はあったが、営業とエンジニア、デザイナとエンジニアの共有の仕組みは?
セクショナリズムが発生してしまう。エンジニアの要素がありつつ他の役職。ちゃんと通じる言語の前提があるのであれば意識の統一はできると思う。Confluenceでできる。
質問 ユーザー体験をどう表現していったか?成果報酬・お祝い金。初期にそこについてくるのは、貧弱な体験だとユーザーは離れていく。初期は登録企業も少なかったと思う。大手の競合がいる中で、企業どういうふうにユーザー体験を強くしていったのか。
2006/4/15 最初の4月公開。応募はかなり少ない。企業側からきられることはなかった。ユーザーは後。企業を増やす営業活動を力いれたてそこを目指した。大手との勝負は挑まなかった。絶対やらなかった。違う方法、新しい方法を常に模索していった。模索している。
質問 情報共有基盤の話で、ツールの導入など
Confluenceを入れたから良くなったではなく、一部の人が使っても良くない。究極はアナログのおつきあい、会議体が大事。
アナログの付き合いと加速するためのデジタル。大きな組織になるとどうなるかわからないけど、お互いに発信していくことは大事。
質問 抵抗感を感じる人や反対する人達の対応や策
正直、抵抗はあまりなかった。肉食・草食。論理的に良いことを言えばメンバーは乗ってくれる。ラッキーだった。やり方を変えることに抵抗はあるので、スモールスタートや実際に成果を出すことを大事にしている。
質問 広告戦略。アナログ・デジタル含めて、効果的なところをざっくりと。
試行錯誤の中でやっている。もともこうもない。リスティングは圧倒的にスゴい。よく発明された。
ユーザーセグメントのセグメンテーションでターゲティングできていない。
欲しいユーザーにいかに届けるかが大事。検索しているユーザーが一番、広告したいユーザー。そこをものすごく緻密にやっていくことが効果が高い。
質問 オウンドメディア。意図。デジタルマーケティングブログ
エンジニアって勉強会やオープンソースなど、貢献の文化があるけど、他の業種ってあまりない。
質問 商品設計。デジタルマーケティングの差別化のインプットになっているとおもった。どんな気づきから商品設計に繋がるのか?
差別化を起こせているかは半分。マーケティングにしてもオペレーションの効率化を徹底している。
いかに緻密に細かく徹底してコントロールしていくかが重要。徹底の度合いは重要。これが差別化かも。
マーケティングとエンジニアが共同している感じ。
数値をきちんととってやっている。ソシャゲの緻密さと同じように分析している。
質問 優良のシステムの導入について。hipchat導入した。お金かかる。社内の上層部にお金を出させる方法。説得する方法。
スモールスタート。小さい部署で始めた。小額のお金とうで実績を出して広めていった。no-costかlow-costで。やっぱり、プチ反対しても、実際に使って、そのトライアルを大事にする。
最後に
こんな貴重な機会を与えてくださったリブセンスさん&DevLoveさんありがとうございました。