URL:http://devlove.doorkeeper.jp/events/10202
場所:SBヒューマンキャピタル 株式会社 会議室3
概要:「結局、場所じゃなくて、人なんじゃないかなって思う、最近。」ってお話。
開催:162回目のDevLOVE
今回のDevLOVEの場所は、おー!!
感想
今回参加するキッカケは、リモートワークの可能性と、イベント概要にある「人」という部分に誘われてである。今後のIT業界において、働く場所を問わず価値を生み出していくことができるケースはどんどん増加していくはずだと思っているし、そうならないといけないと思う。会社にいて出勤すれば、仕事をしているという、管理されているという、古い概念は早々に淘汰されていくだろう。どこで業務をしていても価値を生み出せる人材が、複数の会社と同時に契約しマルチに業務をこなしていく世界がやってくるだろうと思う。そうなれば、中間階層のマネジメント職はどんどん減っていくだろう。もちろん、全ての文脈で通用するとは思っていない。人が介在しないと成り立たない業種もたくさん継続して存在するだろう。
こういった考えは、ちまたで、話題になっている「強いチームはオフィスを捨てる: 37シグナルズが考える『働き方革命』」も読んだことも自分の価値観に影響している。
そして、今回、懸田さんのお話を聞くのは、2013/05/08の mixiさんで行われた、IPAより公開された「アジャイル型開発におけるプラクティス活用リファレンスガイド(http://sec.ipa.go.jp/reports/20130319.html)」の説明会である下記のイベントの時以来である。もう1年前のことになるんだ。ほぇ〜。
アジャイル×パターン=ぼくたちの現場 〜 アジャイルな現場の知見を活用する
http://gembapatterncommunity.doorkeeper.jp/events/3623
聞いて思ったのは、苦労や悩みまくっても、行動に移し、実際に体験しているということが何よりも増して説得力があるということだ。
愛媛での温度感、他業種との関わり方、生き方、家族との時間の重要性、コミュニティのあり方、人との繋がり。そして、スゴく幸せそうに見える。
トークの中で、人との繋がりに苦労したという点の話がでてきた。
「松山のコワーキングスペースができた。そこに顔を出すようになってから繋がりができるようになった。」自分も仙台に転職した時に、業務時間以外、まったく知り合いがいなく、週末が苦痛でショウガなかった。そこから自分で色々考え、会社やコミュニティでネットワークが広がっていった。その思いは本当に分かる。スゴく共感したし、過去を思い出した。これって転校生の感覚なのかもしれないなぁ。転校したことないけど。
そして、
「東京だとエンジニアだけで集まれる。共通の話題もあるし。でも多様性がない。」
「誰かと誰かは、繋がっていることが多い。狭い地域で密なつながりができる。人と人の関係性を大事にすると、見返りもある。」
「地方では、次のお客様を探せる選択肢がない。うまくやるしかない。なんとかする。なので、強いキヅナをつくる関係性をつくる傾向が強くなる。」
「自分の仕事が身近な人の役に立っている実感が湧いてくるのでやりがいがある。どっかの誰かのどっかの顧客が使うものではなく、使う人の顔が見える。」
この人との繋がりが大事だという感覚は、自分が考えているよりも、もっと密度の濃いものだろうと想像する。自分の想定以上のプライオリティなんだと思う。
もっと軽い自分の感覚ではあるが、自分も、積極的に社外の異業種の人とのコミュニティに積極的に参加している。参加しているというより、何よりも面白いからそこに出かけていっているという感覚が強い。エンジニアやIT業界とは全くことなる文脈や価値観が存在するからだ。テンションやコミュニケーション能力など全く異なる。向こうもこっちを宇宙人のように思っていたりする。まぁ酒を飲みたいだけの言い訳かもしれないが。でも面白い。自分が井の蛙であることを思い知らされることが多い。
「地元のためとか、地域のためとか、自分がどうありたいだけではなく、周囲をどうしたいというのは、正直驚いた。」この視点は東京の人達には全くないかもしれない。間違いなく自分自身には全く存在していなかった。かといって、今から持とうと思っても全く想像がつかない。ただただ、尊敬してしまうだけだ。
今回、とても楽しい時間を過ごすことができた。話の運び方もスゴく参考にさせていただくことばかりだった。ファシリテーション能力の高さを体感できた。質問させていただいたことにも丁寧に回答していただいた。参加させていただいて、本当に良かった。
「ありがとうございます」
文字お越しをつらつらと
※修正点など、機密事項等あれば連絡ください。修正します。19:40 - 20:30 「働き方と生き方 〜 地方とソフトウェア開発と幸せな生き方について考える。」懸田 剛氏
趣旨
最近、地方とエンジニアというキーワードが話題になってます。
地方からITエンジニアがいなくなる という記事が話題になったかと思えば、
"地方エンジニア"という考え方はすでに終わっている というスライドが話題になったりもしました。
私は東京から愛媛というステージに移り試行錯誤をしていく中で、Agile459を立ち上げ、愛媛や近県の知人もようやく増えてきました。様々な業種の方との出会いを通じて、東京にいた頃とは働き方だけでなく、生き方も大分変ってきました。
自分自身も絶賛模索中です。今回は、私や愛媛の仲間達の進行中の働き方お伝えして、参加者全員で「自分はどんな働き方/生き方を望んでいるのか?」を考えるきっかけにする場にしたいと考えています。
地方の話をしてくれ。という依頼。
SIer5年。3年フリーランス。
2003年から2010年まで永和システムマネジメント。
XPJUGのコミュニティの立ち上げメンバー、永和の方と立ち上げ、技術コンサルティングをしていた。
今ほど、開発支援ツールはなかった。開発支援やオブジェクト指向の設計などを教えていた。
2005年。チェンジビジョンの立ち上げメンバーとして製品開発メンバーとして出向。
2008年頃からscrumが日の目を見るようになった。
プロジェクト・ファシリテーションなども手がけた。
愛媛80平米のマンションの平均家賃 6.8万円。東京の1/2-1/3。
トライアスリートは、愛媛がいいよ。大会が3つもある。
情報通信業売上げ高は東京に一極集中している。愛媛は1/15の割合。
2010年 アレグザンダー祭り。ジムコプリエンを呼んだ。次の日、愛媛に引っ越し。
愛媛に行くって決めた時点で、仕事は何でもいいと思っていた。面接行っていたけど、でも気になる。
なんだかんだ言っても、アジャイルな感覚で仕事できないとつらいなぁ。
出張メイン
3ヶ月特例で東京のお客様のところに行くようになった。毎週月ー金 出張を3ヶ月続けた。結構きつい。
松山に支社にある会社のプロジェクトファシリテーションのお手伝いをやった。
島根県の県の自主事業のRubyプロジェクトのコーチの依頼。松江まで片道6時間。
東京出張、大阪出張。週末に松山に帰るような生活。松山に知り合いゼロのままだった。
ずっと出張ではいかん。
東京のコーチのコーチをskypeで支援するようなことを始めた。
地方に支援に行く
松江の場合、プロジェクトの成功だけではなく、その先の将来の活性化などにたずさわるようになった。
仕事はそんなにあるわけではない。地方のチームにアジャイルなどのバリューを出していくというのは、売上げをあげるとかいうより、仕事を勝ち取るという意識が強い。
Agile459
コミュニティを立ち上げる
月1の勉強会をやり続けている
東京にいる時のコミュニティの関わり方は、入門や初心者向けは当たり前過ぎて、やっていなかった。
パタンランゲージなどの先端のこと、世界の先駆け、上位の視点でやっていた。
四国では、最先端ではなく、何がよいのか、良くするのかということを書籍を通じて伝えるような立場に変わってった。
仲間コミュニティを運営する
仲間とコミュニティを運営する。準備が出張でままなら無くなってきた。10人くらいの運営メンバーができるようになった。
地方で大事なのは、話す人とか、外から人を呼んで話してもらうケースが多い。偉い人の話を聞いているだけでは何も変わらない。
自分たちでやって、自分たちで考えるようにしないといけない。
様々な人と出会う
非エンジニアの人達と繋がることができた。
東京だとエンジニアだけで集まれる。共通の話題もあるし。でも多様性がない。
松山のコワーキングスペースができた。そこに顔を出すようになってから繋がりができるようになった。
フリーのプログラマがいない。起業に派遣の立場で入ってしまう。
Webデザイナーは多い。休職支援を受けた後にWebデザイナーをやっている人もいる。社会労務士なども結構いる。
学生さんも若干いる。スタートアップの支援をすることに興味ある学生が集まってきた。
大事なものを見つめる
自分の大事なものを見つめ直す機会を増やすようにした。出張三昧だったので、それを見直すようにした。
子供の成長の瞬間を見れないのは、一生後悔すると思ったので、三昧から減らすようにした。
最新情報は東京にたくさんあって、カンファレンスや登壇情報が目移りするほどあったが、愛媛からは行けないので、ウォッチする意味がなくなった。
地域の人の役に立ちたい
ソフトウェアを作れる人がいない。中小企業のオーナーさんの悩み。
誰かと誰かは、繋がっていることが多い。狭い地域で密なつながりができる。人と人の関係性を大事にすると、見返りもある。
地方では、次のお客様を探せる選択肢がない。うまくやるしかない。なんとかする。なので、強いキヅナをつくる関係性をつくる傾向が強くなる。
自分の仕事が身近な人の役に立っている実感が湧いてくるのでやりがいがある。どっかの誰かのどっかの顧客が使うものではなく、使う人の顔が見える。
地域を良くして世界を良くする
自分の周りを良くしていかないと、その外が良くなるわけが無い。
Think Globally Act Locally 環境問題の標語だけど、同じ概念。
Agile459のアンケート結果
働く場所:プライベートな理由。家族の理由が多い。
魅力:働いている会社そのものに大きく魅力は関わっている
地方独自のお仕事。地元産業関連。
エンジニアの絶対数がいないので目立つ。
課題:予算額を厳しく感じる
給与水準が低い
n次受けのnが2段階くらい増える
仕事の種類が多くない
暮らし:人ごみが少ない
住みたい場所に入れる
生活費が安い
どのように生きたいか?
リモートワークしたい
首都圏の技術ジャンキー達と仕事したい
自分を磨いて、楽にたくさんのことをできるようになりたい
地元のことに役立ちたい
家庭を大事に
仕事を自分で作っていきたい
地元のためとか、地域のためとか、自分がどうありたいだけではなく、周囲をどうしたいというのは、正直驚いた。
大口たたかない、真面目な人達がこうようなことを言うのは面白い。
迷わずいけばなんとかなるさ。お金かからないから何とかなる。
ないコミュニティは自分で立ち上げればいい。仲間を作る
多様な人との出会いを作ろう。エンジニア同士の仲間の頭だと、偏ってしまう。他業種だとフィードバックの種類とかが異なる。
本当に大切にしたいことは何かを問うてみよう
問い続けよう。そもそも俺はどういう生き方、働き方をしたいんだっけ、お金だっけ、大切なことを問うて見るのが大事。
自分らしい働き方と生き方を探し続けよう。
「しなければならない」そう思っている固定概念があるだけで、それを選択している自分がいる。ねばならないの呪縛から離れて他の選択ができるかもしれない。
20:30 - 21:00 懇談タイム
質問
愛媛にゆかりの無かった人が行った時、不便な点、想定外のこととか困ったことをいくつか
東急ハンズがない。お店の選択肢がない。ネットで買えるけどお店で見て買いたい。
良い所なので、あまりない。
飲んだ後帰り方に困る。バスがなくなる。4、5キロある。
仕事がない。
裏返しなので、良いととるか悪いと、とるかはその人しだい。
質問
地方では、コンサル的にマネジメントする方が多いのか、プログラマとして働く方が多いのか。
地元の会社に努める人が多いので、その会社の開発者になることが多い。
ランサーズとか使っている人達もいる。
質問
技術的スキルとして大事なこと。周りの人とうまくやる事以外。
あまり変わらない。小さい案件でもお客様の本質的な課題をきちんと見てあげること。社交性は東京よりあった方がよい。
質問
地元に戻ってやりたい。エンジニアではない人達と繋がりがないと難しいと思っている。様々な人と出会う方法や心がけていること。
異業種交流界は出てなくて、コワーキングスペースがメインになる。人から人に紹介してもらうことが多い。
質問
コミュニティの立ち上げる時のコツ
楽しくやる。早い段階で運営の仲間を見つけることが重要。力抜いてやる。
もう1人仲間を見つける。2人になると励まし合える。参加者が集まらないときに、3人でやれたら良いかって言う感じで喜楽にやる。
1人だと心が折れる
質問
メンバーがリモートで働きたいと言った時、こういう点を気をケアしてあげた方が良いよという点。ケアしてもらえると、もっと仕事頑張っちゃうよっていう点。逆にモチベーションが下がる点。
密なコミュニケーションをとろうとしたけど、制約を変えて、成果をだして、動くものというように、コミュニケーションに頼るのであれば、頻度が大事だし、
信頼してあげること。何やってたのとか、勘ぐるようなこととか、本当に大丈夫なの?とか言わない方が良い。
コミュニケーションが取れないです、少なくなってしまう。がんばってとろおとしていたけど、頑張ってもダメだった。物理的な距離の差はあって、現場のようには行かない。
思っている以上に認識の違いや確認がとれていないことが、おおくある。温度感や期待感が伝わらなかった。補完しながらやっていると思っていた。埋めにいくのが大変だった。
リモート飲み会、リモート勉強会などで、チーム感をつくってあげる。疎外感をつくらないようにする。
質問
地方にも都会にもある仕事、サイト構築、公共事業などは一定数あると思う。昔より若干の変化はあるのではないか。
地元企業が発注しているケースもあるし、外に流れてしまう。
依頼などは、地方ではなく、世界にでるかという点が重要になってくると思う。
地方というテーマで人が集まるっていうのは、時代が変わったのかなぁ。嬉しいこと。地方に行ったら地方なりの仕事の仕方を感じてもらえたらいいなぁ。